採用動画の成功事例8選を紹介!制作のコツと注意点も解説

昨今、求職者ニーズの変化に伴いスマホでも手軽に視聴できる採用動画を導入する企業が増えています。

採用動画を上手に活用することで、Twitter、Facebook、InstagramといったSNSでのスムーズな情報拡散を狙える他、今までPRしづらかった企業風土や社員の声も多くの求職者へ伝えることが可能です。

この記事では、今注目されている採用動画の活用方法と成功事例を紹介します。

後半では、採用動画を活用するコツと注意点も紹介しているので、採用担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

採用動画とは

採用動画とは、企業の仕事内容や職場の様子、求職者へのメッセージを動画にしたもので、求職者の企業理解を深めてもらうツールの一つです。

採用動画を活用する大きなメリットとして

  • 採用サイト
  • Twitter、FacebookなどのSNS
  • YouTube等で流れる動画広告
  • 企業説明会

と、非常に多くの場面で利用できる点が挙げられます。

他にも多くのメリットがあるので、後ほど詳しく紹介します。

採用動画が人気の理由

昨今、採用動画が人気の理由は、以下の通りです。

求職者のニーズの変化

求職者ニーズの変化が、採用動画に人気が集まる理由の一つです。

特に、昨今の求職者は企業の「リアル」な情報を求める傾向が強いことが特徴です。

従来の求人媒体では

  • 普段の業務風景
  • 実際に働く社員の声
  • 就職・転職間もない求職者に近い社員の声

といった最新の情報の発信がしづらかったため、十分にニーズに答えられているとは言えませんでした。

採用動画を活用すれば、上記のような企業のリアルな声を効率よく求職者に届けることが可能です。

求職者のニーズを汲み取りたい企業にとって、採用動画は注目のツールとなっています。

SNS採用の活発化

Twitter、FacebookをはじめとしたSNSを活用した採用活動の活発化も、採用動画に人気が集まる理由の一つです。

SNSでは画像や動画を簡単に発信・共有できるため、採用動画を拡散しやすい媒体です。

企業メッセージを丁寧に作り込んだ長尺採用動画はもちろん、10秒~30秒程度の短尺採用動画まで、さまざまな形で採用動画を発信する企業が増えています。

SNS採用の活発化は、多くの企業が採用動画の活用に目を向けるきっかけになったと言えるでしょう。

オウンドメディアの増加

企業の情報を網羅的に発信するオウンドメディアを活用する企業が増えたことも、採用動画に目を向ける企業が増えた一因です。

オウンドメディアであれば、外部求人サイトとは異なり自社で記事の作成、運用が可能です。

そのため、これまで発信する媒体がなく取り入れづらかった動画コンテンツも、オウンドメディアで発信することができ、挑戦するハードルが下がっています。

オウンドメディアを持つ企業は、採用動画の作成を検討すると良いでしょう。

採用動画のメリット

採用動画を活用するメリットは以下の通りです。

企業のリアルな情報をアピールできる

普段の社内の様子や、社員のワークライフバランスなど、企業のリアルな情報をアピールできることが採用動画の大きなメリットです。

例えば、新入社員、転職して間もない社員のような「求職者に近い状況の社員」によるインタビュー動画を作成すれば、面接や選考のリアルな情報を発信することが可能になります。

また、インタビュー記事のような文字情報よりも動画であれば、より多くの求職者に深い情報を届けることもできるでしょう。

メールやパンフレットでは伝えづらい、企業のリアルな情報を発信するなら採用動画の活用がおすすめです。

最新の情報を手軽に発信できる

採用動画を活用すれば、最新の情報を手軽に発信することができるでしょう。

例えば、急な欠員や本社の移転、新しいプロジェクト発足に伴う増員情報など、旬の情報も採用動画であればわかりやすく発信することが可能です。

この場合、長尺の企業ムービーといったものよりも、SNSで拡散されやすい短尺動画のような形で動画制作を進めると良いでしょう。

最新の情報を手軽に発信したい場合は、採用動画の活用がおすすめです。

作り込むことで情報量の多い発信も可能に

採用動画は内容を細かく作り込むことで、メールやパンフレットでは伝えきれない情報量の多い内容も発信することが可能です。

企業説明会などで、企業の歴史、事業内容から最新商品の宣伝、採用したい人物像など多くの情報を口頭で発信しようとすると、かなりの時間と工数を要してしまいます。

その点、採用動画であれば、情報量の多いメッセージも動画と音声で簡単に求職者へ届けることが可能です。

シナリオや構成の作成など、事前準備は多くなりますが、一度動画を作成してしまえば多くの場面で活用できることは間違いないのでおすすめです。

採用動画を活用することで、今まで伝えきれなかった情報量の多い発信が可能になるでしょう。

採用動画の成功事例8選

ここからは、採用動画の成功事例を紹介します。

複数の業界から成功事例をピックアップしたので、貴社のヒントになりそうな動画を探してみてください。

1.パリミキホールディングス

パリミキホールディングス
まず紹介するのは、全国展開のメガネ販売チェーン店「パリミキ」を手がけるパリミキホールディングスの新卒採用動画です。
この動画のポイントは、音声を一切つかわずリズミカルなBGMとカメラ割りでテンポやバックヤードで働く社員の楽しげな様子を全面に押し出しているところ。
実際に働く姿をイメージしづらい就活生たちに、明るい企業イメージを届けることに成功しています。
動画を届けたいターゲットをきちんと絞り込めているからこそ、このような方向性の定まった動画が完成したといえるでしょう。
接客業やサービス業の人事担当者は、パリミキホールディングスの採用動画を参考に企業カラーの発信を考えてみるのもおすすめです。

2.貝印株式会社

出典:MovieContents貝印

続いて紹介するのは、カミソリに代表される刃物を中心とし、調理用品や化粧道具、衛生用品を販売するメーカー貝印株式会社の採用動画。

同社で働く様々な部署の社員が会社への思い、仕事にかける覚悟を語ったまるで映画のような構成が魅力の採用動画です。

この採用動画では、社員の熱いメッセージをテンポ良く発信することに成功しており、新卒入社を考える学生、ステップアップを狙う転職者と幅広い求職者に企業の姿勢を伝えています。

熱量の高い求職者を求めている企業は、貝印株式会社の採用動画を参考にして自社の魅力をアピールすると良いでしょう。

3.株式会社セレス

出典:ceres movie

東京都世田谷区に本社を構える株式会社セレスの採用動画は、熱量の高い若手社員のインタビューをうまく盛り込んだ作りになっています。

この動画ではおしゃれなオフィスの様子から、若手社員が同社の働きやすさ、若手でも多くのチャンスをもらえるフラットな社風をアピールしています。

特に転職を考えている若い世代の求職者に、同世代のスタッフのインタビューは響きやすいもの。効果的に取り入れたこの動画は、中途採用に力を入れたい企業の参考になるでしょう。

株式会社セレスの採用動画を参考に、自社の若手社員のインタビューを考えてみてください。

4.株式会社UZUZ

株式会社UZUZ

出典:株式会社UZUZ WEB説明会チャンネル

就業サポート、ITスクール、企業向け研修事業を展開する株式会社UZUZの採用動画は、ターゲットに分けて複数作成されています。

今回紹介している上の動画は、第二新卒、既卒者に絞り自社の魅力を伝えているもの。

このほかに、同社代表からのメッセージや古参社員が同社の働きやすさを伝える動画など、ターゲット属性に適したコンテンツを発信しています。

どの動画も自社の魅力を説明する社員が、「どんなターゲットに向けて情報発信しているか」をきちんと認識しているため、話のブレもなく狙った求職者層にしっかりと情報が届いていることが伺えます。

明確なターゲットとなる求職者が決まっている企業は、株式会社UZUZの動画戦略を研究してみると良いでしょう。

5.サワダ精密株式会社

出典:サワダ精密株式会社 YouTube

精密機械部品・生産設備や冶具等の受注、設計、製造をしているサワダ精密株式会社の採用動画は、「半人前」をテーマに同社の奥深いビジネスと熱い企業カラーを発信しています。

精密機器部品やパーツを製造する、高度な技術を持つ職人にスポットライトを当て、「高度な技術を身につけられる」「他にはないやりがいのある仕事がある」企業だということを採用動画を通しアピール。

やりがいやレベルアップを求める、熱量の高い求職者の獲得に成功しています。

専門性の高い事業を展開する企業は、サワダ精密株式会社の採用動画を参考に採用活動の軸を作ってみてはいかがでしょうか。

6.清水建設株式会社

出典:清水建設公式チャンネル / SHIMIZU CORPORATION Official Channel

新卒入社を考える学生にターゲットを絞った清水建設株式会社の採用動画は映像クオリティも高く多くの企業の参考となるでしょう。

2人の新入社員にスポットを当て、同社に入社した理由、実際に働いてみての感想や魅力を迫力ある建設現場の映像と合わせて発信しており、就業経験のない学生でも自分ごと化しやすい作りとなっています。

また、高速道路や大規模なトンネルの建設現場などを迫力ある映像に収めており、視聴者は企業の壮大な世界観に引き込むこまれることでしょう。

大規模な新卒採用を検討している企業は、清水建設株式会社の採用動画を参考にすると良いでしょう。

7.TeNYテレビ新潟

出典:TeNYテレビ新潟 公式チャンネル

新潟にあるテレビ局、TeNYテレビ新潟の採用動画は同社で働く社員の声をふんだんに取り入れ、幅広い求職者にアピールできる内容となっています。

テレビ局ならではの滑らかな映像美はもちろん、動画構成にも同社のこだわりが垣間見えます。

新卒社員のインタビューから始まり、普段は表に出てこない技術職、異なる部署が連携して仕事を進める風景など求職者が求める企業のリアルな姿がわかる構成は圧巻です。

多くの部署を抱える企業は、TeNYテレビ新潟の採用動画を参考に普段表に出てこない部署にもスポットライトを当ててみてはいかがでしょうか。

8.豊友工業株式会社

出典:豊友工業株式会社 YouTube

機械部品や車両部品を製造する豊友工業株式会社の採用動画は、業界に少ない女性求職者にターゲットを絞って作成されています。

同社で働く女性社員のインタビューを中心に、女性の働きやすさ、仕事のやりがい、同社が女性に向いている理由などをテンポの良いBGMに合わせて発信。

従来の求職媒体や説明会などでは出会えない女性の求職者に、動画を通じてアプローチを成功させています。

求職潜在層へアプローチしたい企業は同社の採用動画がヒントとなるでしょう。

採用動画の作成方法

採用動画の成功事例について紹介しました。

ここからは、採用動画の作成方法を解説します。

コンセプトを設計する

採用動画を作成する際は、動画のコンセプトをしっかりと設計しましょう。

採用動画でいうコンセプトとは、「その採用動画で求職者へどんなメッセージを伝えるか」という全体イメージを指します。

例えば、「求職者に離職率の低い、働きやすい職場だとアピールしたい」というコンセプトを立てた場合、長く働いている社員のインタビュー動画や社員交流の風景などを動画に収めると良いでしょう。

このように、作成すべき動画コンテンツも自ずと固まってくるので、きちんとコンセプト設計をしておくことがおすすめです。

視聴者のイメージを固める

採用動画を作成する際は、視聴者(求職者)のイメージを固めることが重要です。

視聴者の年齢層によっては安定した企業成長をアピールするのか、急成長するスピード感をアピールするのかなど、動画の方向性が大きく異なります。

また、視聴者の熱量によっても採用動画の中身は変わってくるでしょう。

多くの企業が参加するような合同説明会と、少数の企業説明会で使用する動画では内容変更も考えられます。

視聴者のイメージを固めることで、動画作成の方法も変わってくるでしょう。

自社作成か外注か

採用動画を作成するときは、自社作成か映像制作会社へ外注するかを選ぶ必要があるでしょう。

SNSで拡散することが目的の短尺動画であれば、スマホ一つで誰でも作れることが多い反面、ストーリー性の強い長尺動画を作成したい場合はノウハウを持つ映像制作会社に発注することが考えられます。

特に、多くの媒体で長期間使用する予定の動画や、合同説明会で他者との差別化を図るために使用する採用動画は、費用はかかりますが外注することも視野に入れたいところです。

採用担当者の負担も考えつつ、自社作成か外注かを判断すると良いでしょう。

採用動画作成のコツ

効果の出る採用動画を制作するコツを紹介します。

他社の事例を研究する

採用動画を作成する際は、他社の事例を研究すると良いでしょう。

自社と領域の近い企業の採用動画はもちろん、異なる業界の採用動画も動画コンセプトが近ければ参考になるはずです。

特定の業種に絞るのではなく、幅広い範囲で採用動画のリサーチを行うと良いでしょう。

また、動画の作成を外注する場合でも、他社事例の研究は重要です。

映像制作会社へ的確な指示を送るためにも、成功している他社採用動画のリサーチは欠かさないよう心がけましょう。

今回紹介した採用動画もぜひ参考にしてください。

伝えたいメッセージを掘り下げる

採用動画で結果を出すためには、求職者へ伝えたいメッセージの掘り下げを行うと良いでしょう。

例えば、働きやすい職場をアピールしたいとなった場合、多くの企業は社員インタビューで企業の働きやすさを発信します。

そこからさらに一歩踏み込んでターゲットとなる求職者の年齢、性別なども加味し伝えたいメッセージを掘り下げると、インタビューを受ける社員の選定も明確になってくるでしょう。

このように、伝えたいメッセージの周辺情報を整理し、一段階掘り下げる作業を行うと採用動画はより効果的なツールになるのでおすすめです。

まずは低予算で始めてみる

採用動画を作成する際は、低予算から取り組むことをおすすめします。

映像制作会社へ発注すると、動画の尺によっては高額な費用が発生することもあります。

そのため、まずは自社で作成できるSNS用の短尺動画を中心に発信すると良いでしょう

自社で作成した短尺動画の反応や、採用活動でフィードバックのあった求職者の直近情報を整理した上で、きちんと予算をかけて動画制作に臨むと失敗が少なくなるでしょう。

採用動画作成の注意点

採用動画を作成する際は、下記の注意点を覚えておくと良いでしょう。

制作期間を決めておく

採用動画を作成する際は、あらかじめ制作期間を決めておきましょう。

動画の制作には多くの費用と時間がかかることも考えられます。そのため、あらかじめ制作期間を決めておくことがポイントとなります。

制作期間を決めるためには、動画のシナリオ制作や動画を使用する場面もあらかじめ想定しておくと良いでしょう。

制作期間を決めておかないと、ずるずると時間ばかりがすぎて採用活動のピークを逃してしまうなんて事態も考えられます。

制作期間をきちんと決めて、貴社にしか作れないオリジナルな採用動画を作成してください。

予算管理の徹底

予算管理の徹底は採用動画を作成する上で念頭におくべきポイントです。

先に紹介したように、映像制作会社に動画制作を発注すると多額の費用がかかる可能性もあるでしょう。

また、自社で作成する場合も動画撮影に必要な記事や場合によっては出演モデルのギャランティ、動画の編集者のみ外注など積み重なってくる費用は多く考えられます。

特に初めて採用動画を作成する企業では、予算管理をきちんと行えないパターンが多く見受けられます。

動画制作を検討する段階で、必要な予算を勘定しておくと安全です。

身内ネタにならないよう気をつける

採用動画を作成する際は、内容が身内ネタにならないように最新の注意を払いましょう。

特に自社制作で採用動画の内容を考案すると、社内でしか伝わらない内容や特定の個人名が頻出するなんてことも考えられます。

求職者からしてみると、どれも知らない情報ばかりで「知りたかった企業の情報がわからない」と企業への好感度が下がってしまうでしょう。

求職者のニーズをしっかり分析し、客観的なシナリオ作成を行うことで身内ネタは避けることが可能です。

動画作成の際は、客観的な視点を持って作業に当たることおすすめします。

まとめ:採用動画を作成してフレッシュな人材を確保しよう!

採用動画は、変わり続ける求職者のニーズ対応や様々な求人媒体で利用することができる人事担当者の強力なサポーターです。

使い方次第では企業のより良いブランディング形成や、予期せぬ情報拡散(バズ)など嬉しい副産物も期待できるでしょう。

動画制作と聞くと「面倒そう、高そう」と感じてしまうかもしれませんが、この記事で紹介している成功事例を参考にすればイメージが湧きやすくなるでしょう。

採用活動を新しいステージへと推し進めてくれる採用動画。

この記事を参考に動画制作に一歩踏み出してみることをおすすめします。