せっかく新人を採用したのに失敗してしまった、とお悩みの方は少なくないでしょう。現在新卒の採用活動をしているものの、応募者が集まらず困っているケースもあるはずです。
新卒の採用では、学生とのコミュニケーションが重要になります。学生への理解が足りない状態では、会社の維持に必要な人材を集められないかもしれません。
この記事では、新卒採用の失敗事例や失敗の原因、新卒採用を成功させるポイントを紹介します。自社に合う新卒を確保し、優秀な人材に育てましょう。
目次
新卒採用における失敗事例
新卒採用における失敗には、さまざまな種類があります。失敗の内容によって企業が取るべき対策は変わってくるので、まずは採用時にどのような失敗事例があるのか、確認していきましょう。
ここからは、新卒採用でよくある失敗事例について、詳しく解説します。新卒採用に関するデータを見直し、自社の事例に近いものをチェックしてください。
応募者が少なすぎる
そもそも新卒の応募者が集まらず、採用予定人数に達しないケースは少なくないでしょう。とくに知名度の高くない中小企業であれば、大手志向の学生の目に留まらず応募がほとんどないこともあります。
また、応募者はある程度集まるものの、求めるレベルに達していない学生ばかりで、優秀な人材が採用できない会社もあるでしょう。
途中辞退や内定辞退が多い
優秀な人材が集まり選考を進めたものの、面接の途中辞退や内定辞退が多ければ、コストをかけて再び採用活動を始めなければいけません。
採用活動を複数回に分けて行うことで幅広い学生の確保ができますが、活動が長期化するほどかかるコストは大きくなります。
途中辞退や内定辞退があまりにも増えた場合、長期間採用活動をしても学生が足りず悩む企業も少なくないでしょう。
求める人物像と実態が違う
新卒採用はできたものの、求めていた人物像と採用した人材が大きく異なり、業務に支障が出るケースも考えられます。新卒採用はポテンシャル採用であり、スキルで大きなミスマッチが起きることは少ないです。
しかし、新入社員の性格と会社のカルチャーが合わない、活発な子だと思って採用したのにコミュニケーションが苦手、などさまざまな要因でミスマッチは起こり得るでしょう。
早期退職されてしまう
求めていた人材を採用できても、短期離職されては戦力になりません。厚生労働省の調査によると、新卒で平成30年に入社した学生のうち、11.6%は1年未満で退職を決断しています。
入社したものの、会社の働き方や考え方が合わない、などの理由ですぐに辞める新入社員は多いと言えるでしょう。
ほとんどスキルがない状態で採用した新入社員が会社で活躍できるまで、最低でも3年はかかると言われています。そのため、早期に退職されてしまうと育成に欠けたコストが無駄になり、会社にとって大きな損失につながるのです。
新卒採用で失敗する企業は多い
新卒採用で失敗した経験のある企業は少なくありません。2015年度に行われた株式会社ジースタイラスの調査によると、採用する側の69.5%が「新卒採用に失敗したと感じたことがある」と回答しています。
新卒採用に失敗したと感じる理由について、多いものから順に次の結果となりました。
- 採用時と働いてからのイメージが違いすぎた
- 採用したが実際には期待していた活躍がない
このアンケートから、新卒の人材確保に成功しても、新入社員が会社の求める人物像と異なっており悩む企業が多いことが伺えます。
昨今はコロナ禍の影響でオンライン面談を導入する企業が増えました。オンライン面談の導入で新卒確保に成功した企業もありますが、オンライン面談では相手の表情が見えにくく、対面の面談以上に大きなミスマッチが起こる可能性もあります。
オンラインで面談を行う際は、コミュニケーションが取れているか十分注意しながら、慎重に選考を進める必要があるでしょう。
出典:マイナビニュース
新卒採用で失敗する原因
新卒採用を成功させるには、採用で失敗が起きてしまう原因を探る必要があるでしょう。失敗の内容によって細かな原因は異なりますが、ここからは新卒採用で失敗が起きる主な原因を紹介します。
これまでどのように新卒採用を進めてきたか振り返り、失敗の原因を突き止めましょう。
会社の魅力を伝えきれていない
採用に割ける予算が少ない場合、大規模な説明会の開催や求人広告の掲載が難しく、会社の魅力を伝えきれないケースは多いです。
仕事の内容や福利厚生、会社のカルチャーがどれだけ魅力的でも、学生に会社の存在が知られていなければ、応募者は増えません。知名度の低い中小企業の場合、会社側から積極的に行動しなければなかなか学生は集まらないでしょう。
また、採用担当者が忙しく、学生に会社の魅力をアピールする十分な時間が確保できていないこともあります。他の業務と並行して採用を行う小さな企業では、時間の都合で学生に効果的な訴求ができず、優秀な人材を逃す可能性が上がるでしょう。
面接時の印象だけを重視している
採用した学生が求める人物像と異なっている場合、面接時の印象を評価しすぎているのかもしれません。
学生がすでに持っている資格やスキルは、仕事への意欲を示す大切なものです。ポテンシャル採用であっても、学生のスキルや経験を正しく評価することは必須でしょう。
しかし、担当者が採用に慣れていない場合、面接時の印象だけを重視し、本当に必要なスキル・経験を持つ学生を見逃してしまうことがあります。
面接の印象も大切ですが、学生の話し方や振る舞いだけでなく、これまでの経験もしっかり評価して採用の判断を行う必要があるでしょう。
入社後のフォローが足りない
新入社員が早期離職する場合、入社後のコミュニケーションが足りていない可能性があります。どれだけ優秀な新入社員でも、初めて会社に入る時は緊張し、不安になるものです。
一見問題がなさそうに見えても、毎日悩みを抱えながら通勤している新入社員は多いので、デリケートな時期には手厚いフォローが必要でしょう。
入社後のフォローが不十分だと、新入社員は「この会社は自分のことを大切にしてくれない」「すでに自分は会社の先輩たちに見限られたのかも」と思い込んでしまい、早期離職につながるのです。
新卒採用における失敗を防ぐポイント
新卒採用で失敗を防ぐことは、確実な人材確保につながります。安定して優秀な新卒人材を採用できれば、事業の発展も見えてくるでしょう。
ここからは、新卒採用で失敗を防ぐポイントについて解説します。自社の採用体制に合った方法で、新卒採用の悩みを解決してください。
求める人物像を具体的に設定する
新卒採用で最も大切なのは、求める人物像を具体的に設定し、採用担当者の間で共有することです。ミスマッチを減らし、希望の人材を確保するにはターゲットを設定し、企業側から積極的に声をかける必要があります。
しかし、求める人物像が曖昧だとどのような基準で学生を集めれば良いか分からず、会社に合わない人材ばかり採用する結果になってしまうでしょう。
まずは採用担当者の間でコミュニケーションを取り、何を基準に学生を選ぶのか決めてください。選ぶ基準がわからない場合、どのような人材が欲しいか現場の社員に聞いてみると良いでしょう。
学生とのコミュニケーションを増やす
学生とのコミュニケーションを増やせば、志望度の高さを事前に測れるため途中辞退・内定辞退の可能性を減らせます。学生と直接話すことで学生の志望度を正しく判断し、志望度の高い学生を優先して採用しましょう。
また、内定後のコミュニケーションは学生の不安を取り除くのにも役立ちます。入社後はもちろん、入社前からフォローを行い、新入社員も大切な会社の一員であることを伝えましょう。
なるべく早く採用活動を始める
大手企業に知名度で負け、なかなか学生が集まらない場合は、採用活動を早く始めましょう。大手企業は採用コストを豊富に持っているだけでなく、早期から優秀な人材を確保することで採用に成功しています。
中小企業が採用にかけられるコストは少ないですが、リクルーターを使い早期から優秀な人材を探しておくことで、学生からの認知度をアップできるでしょう。
また、大手企業が採用を終えた秋頃に再度採用活動をするのもおすすめです。競合企業とは採用時期をずらし、学生確保に努めましょう。
採用手法を見直す
新卒採用における失敗の原因は、採用手法にあるのかもしれません。採用手法が自社のカルチャーや規模感に合わないと、効率的に学生の確保ができずコストだけがかかってしまいます。
新卒採用がなぜかうまくいかない、という場合、採用手法の見直しをしてください。新卒採用の方法には、次のようなものがあります。
- 大学就職課
- 説明会
- 就職サイト
- SNS
- 人材紹介
他にも、新卒採用で使えるツールはたくさんあります。新しい情報を積極的にキャッチし、自社に合いそうな手法を積極的に導入しましょう。
マイナス面も含め会社の実態を伝える
新入社員の早期離職を防ぐには、会社の実態を伝え、ミスマッチを減らすことが大切です。どれだけ優秀な人材でも、職場の雰囲気や働き方が合わなければ短期離職につながってしまいます。
新卒社員を育成し事業を成長させるため、会社の実態についての質問には率直に答えるのが良いでしょう。ただし、会社のマイナス面をアピールしすぎると学生からの志望度が下がってしまいます。
マイナス面を伝えるときは、合わせて会社で働くメリットや今後の改善策を伝え、学生を安心させましょう。
まとめ:新卒採用の失敗を防ぎ人材を確保しよう
新卒採用で失敗を経験する企業は少なくありません。しかし、新卒採用の失敗をなるべく防ぎ、効率的に人材を確保することは非常に大切でしょう。
新卒で良い人材を確保するには、学生とコミュニケーションを取り、自社に合う採用手法を活用する必要があります。
大手企業に知名度で負けてしまう中小企業は、早めの採用活動で自社の存在をアピールするのもおすすめです。さまざまな方法を試しながら自社に合った方法を見つけ、新卒採用を成功させましょう。