即戦力となる優秀なエンジニアを採用するには、採用基準を明確化することが大切です。
しかし「応募者のスキル判断が難しい」「マッチした人材が見つからない」と、お悩みの人事担当者も多いかと思います。
そこで今回は優秀なエンジニアの見極め方や、スキルの判断方法、採用基準の決定方法についても見ていきましょう。
記事を読むことで、効果的な施策のヒントを得ることができます。
目次
優秀なエンジニアはどう見極める?
優秀なエンジニアを採用するためには、以下のように業務やスキルについて確認する項目を洗い出し、採用する際の判断材料とします。
- 具体的な業務内容
- 業務を依頼する範囲
- 業務にあたって必要となるスキルと難易度
会社が求めるスキルを持っていのか、必要とする業務範囲を任せられるかなど、採用の際には必ず確認したい項目です。
さらに以下の点も、必ずチェックしましょう。
- 自社が求める開発に関わるプログラミング能力、コーディング技術などを持っているか
- コミュニケーション能力や思考力などの、ビジネスの基礎能力を持っているか
採用者へ求めるポジションも加味して、即戦力になるかをしっかり見極めましょう。
【スキル】優秀なエンジニアを見極める際のチェック項目
優秀なエンジニアを見極めるために、採用書類や面接でのチェック項目を明確化しましょう。
応募者のスキルをチェックできる代表的なものを、順を追って解説します。
ポートフォリオ
応募者が過去に携わったシステム開発やアプリなど、実務での成果物がポートフォリオで確認できます。
またソースコード管理システムのアカウントなどもあると、応募者の作品からプログラミングのスキルを確認することが可能です。
実務での作品や成果物をチェックするポイントとしては、「ユーザーにとって使いやすい仕様・デザインになっているか」が重要です。
ユーザー目線で使いやすく作られているかを見ることで、応募者のスキルを確認できます。また、応募者の論理的思考を知るために、仕様の説明があるかも見ておきましょう。
面接での質問
面接では志望動機などの他にも、技術に関して具体的な質問することで、応募者のスキルが確認できます。
例えば言語やアルゴリズムに関する質問をすることで、技術への理解度を知ることが可能です。
また今までの実務において、課題とどう向き合い解決策を生み出してきたのかも聞いてみましょう。
自社のプロジェクト進行との相違や違いを知ることができ、実際に業務を開始する際の、意識共有がスムーズとなります。
資格
エンジニアとして働くために資格は必要ありませんが、応募者の所有している資格を知ることでスキルや知識を知ることができます。
システムエンジニアの資格として、経済産業省が認定する国家資格である「情報処理技術者試験」を例に見ていきましょう。
基本情報技術者試験(FE)
IT系エンジニアの登竜門的な資格であり、最も基礎的な知識と技能が必要とされる資格です。
応用情報技術者試験(AP)
中級者向けの資格であり、技術から管理にかけて、より幅広い応用力・知識を身に着けることが可能な資格。
ネットワークスペシャリスト試験(NW)
難易度の高い資格であり、ネットワークシステムの要件定義に加えて、開発や運用に関する知識が得られる資格です。
さらにネットワーク知識を身に付けることが可能で、応募者が所有していた場合は、高度な知識を身に付けていると判断ができます。
以上のように、資格から応募者のスキルや知識レベルを判断することができるため、採用の際には資格欄もしっかり確認しましょう。
スキルチェックツール
オンラインの採用チェックツールを利用することで、選考に関わる時間を短縮し、より効率的に進めることができます。
オンラインでエンジニアのスキルが確認できるツールを紹介していくので、自社にあったツールを探してください。
Topcoder
Topcoderはプログラミングコンテストのサイトであり、世界から140万人以上の技術者が参加。
競技プログラミングやアルゴリズムコンテストなど、大別して5つのコンテストが存在します。
コンテストで優秀な成績を収めると参加者の点数が上がり、参加者の名前がランキングことに色分けされて表示。
エンジニアのスキルの指標として使われることも多く、日本企業でも採用時にTopcoderのレーティングを要件とする企業も増えています。
TOPSIC
TOPSICは、企業向けのプログラミングのスキルチェックサービスです。
初級~上級まで6つのレベルに分かれており、オンラインでリアルタイムにスキルを判定。
エンジニア選考の際に利用することで、自社とのミスマッチを防ぐことができます。
またTOPSICは補助金対象ITツールであり、制度を利用することでコストの削減が可能です。
AtCoder
AtCoderは日本のプログラミングサイトであり、オンラインコンテストにリアルタイムで参加できます。
コンテストの順位は可視化されているため、エンジニアのスキルを客観的に見ることが可能です。
企業の採用基準としても利用されていますが、ゲーム感覚でも楽しめるサイトです。
【スキル以外】優秀なエンジニアを見極める際のチェック項目
スキル以外でも、優秀なエンジニアとして必要な項目は多々あります。
コミュニケーション能力やマネジメント能力など、ITスキル以外の能力にも着目しましょう。
コミュニケーション能力
優秀なエンジニアに、コミュニケーション能力は不可欠です。なぜなら、クライアントの正確なニーズを把握するためには、相手の要望を正確に引き出し、把握する必要があるからです。
高いコミュニケーション能力があれば、顧客の満足度が高くなるだけでなく、社内のメンバーとも協力しやすくなり質の高い開発が実現します。
従って、クライアントの抱える問題を正確に把握するためにも、コミュニケーションは欠かせません。
マネジメント能力
プロジェクトの進行にはマネージャーの存在が必須ですが、マネージャー自身にもエンジニアとしての知識やスキルがある方が望ましいといえるでしょう。
例えば、開発のプロジェクトを行う場合、マネージャーにエンジニアとしての理解があるかないかで、業務の管理が大きく変わってきます。
マネージャーがエンジニア経験者であれば、問題点を発見しやすくなり、適した改善策も出やすいでしょう。
また現場の業務に携わることもできるなど、マネジメント能力、もしくは経験のあるエンジニアを採用するメリットは多々あります。
英語力
IT業界のグローバル化は年々進んでおり、国際的に活躍するエンジニアも増えています。
アプリ開発などの業務を海外企業に委託するプロジェクト増えており、英語力がある人材は幅広い業務に配置することが可能です。
自社に外国人社員がいる場合、英語力の高いエンジニアが居れば、社内でのコミュニケーションはよりスムーズになります。
英語力の評価基準に「TOEICスコア」があるため、面接の際や履歴書を確認しましょう。
時間管理ができる
エンジニアには時間指定が特にない仕事も、多々あります。
時間指定のない仕事をおこなうには、時間管理できる能力が求められ、個人で仕事のスピードに差が出るのが実情です。
うまく時間管理のできるエンジニアは、仕事量も多くこなせられるでしょう。
エンジニア自身に作業計画を立てられるかどうかは、エンジニア本人の力量が問われます。
業界への理解
IT業界に精通しているエンジニアは、自分のポジションを理解して実務を進行できます。
ポジションを理解することで、他の業界や職種の人と円滑にコミュニケーションが可能です。
業界への理解があることで、マネージャーとしてもプレイヤーとしても、質の高いパフォーマンスができると考えられるでしょう。
自主的な学習意欲・習慣
IT業界はパソコンの普及と共に、スピーディーに進化を遂げている業界です。
社内研修など以外でも自主的に学習できるエンジニアは、会社にとって重宝する人材でしょう。
また自主的に学習する習慣がある人は、積極性があり、分析力も高い傾向にあります。
つまり、いい意味で会社やメンバーを巻き込んで仕事ができる人材です。
優秀なエンジニアを採用するための取り組み
優秀なエンジニアの採用に成功している企業は、相応の取り組みをおこなっています。
短期的にできる施策から、中長期的にできる施策まで、順に見ていきましょう。
昇給や昇進の制度を明確にしておく
採用した人材のモチベーション向上のためにも、正しい人事評価制度を設定しましょう。優秀な人材ほど自己評価も高く、自主性もあるため人事評価には敏感です。
「何を目標に努力するべきなのか」を明確にし、昇給や昇進の制度を決定しましょう。人事評価制度を明確にすることで、優秀なエンジニアを採用しやすくなります。
入社後の教育、学習支援制度を充実させる
優秀なエンジニアほど、学習意欲が高い傾向にあります。
教育・学習支援制度が充実しているほど、優秀なエンジニアが集まりやすくなります。
教育や学習支援制度に力をいれることで、働きがいの向上にもつながり、離職を防ぐことも可能です。
応募の際は、自社の教育や学習支援制度も具体的にアピールしましょう。
リモートワークや時短勤務など柔軟な勤務体制の整備
リモートワークや時短勤など柔軟な勤務体制を整えることで、採用できるエンジニアの幅が広がります。
例えば非常に能力のあるエンジニアでも、出産などにより勤務継続が難しくなり、能力が社会でいかされていないケースも多々あるでしょう。
さらに少子高齢化が進む日本において、人材の確保は年々難しくなっています。
柔軟な勤務体制を整備することで、応募者の窓口を広げ、能力があるのに発揮できていなかったエンジニアを発掘できる可能性が高くなるでしょう。
外国人エンジニアの採用検討
日本のIT業界ではエンジニアの人材不足が進んでおり、国内だけで優秀なエンジニアを揃えることは難しくなっています。
外国人エンジニアの採用を視野に入れることで、より多くの質の高いエンジニアを採用できる可能性が高まるでしょう。
日本は治安も生活環境も整っており、日本を就職先として選ぶ外国人エンジニアも増えています。
外国人エンジニアの採用により、企業のグローバル化も期待できるでしょう。
現場のエンジニアと一緒に条件を定義する
採用前に現場のエンジニアと一緒に、必要としている人物像を明確化しましょう。
今いるエンジニアと新しいエンジニアが気持ちよく働けるために、採用後のミスマッチを避けるためです。
必要とするスキルや経験がマッチしていることはもちろん、現場の雰囲気にも合った人物像も定義する必要があります。
採用担当者は、最初に現場の声をしっかりと確認しましょう。
エンジニア紹介サービスを利用する
エンジニアの採用において、紹介サービスに利用は様々なメリットがあります。
転職希望者に対して自社の魅力を、客観的に使えることができ、募集にあたってアドバイザーからの意見もうけることが可能です。
さらに人事・採用に関する工数も削減できるため、採用を効率的に進めることができます。
紹介サービスにより料金や特徴が異なるため、利用の際は自社に合ったサービスをしっかり検討しましょう。
「アカリク」は、現役の大学院生や、企業勤務のある大学院出身者、博士研究員などの優秀な人材にアプローチできるダイレクトリクルーティングサービスを展開しています。
さらに、そうした優秀な求職者と面談を実施して、企業様とお繋ぎする人材紹介のサービスもご用意しております。
「優秀なエンジニアを採用したい」とお思いの人事担当者の方は、ぜひ「アカリク」のご利用をご検討ください。
リファラル採用の実施
社員に人材を紹介してもらうことを、リファラル採用といいます。
企業の事をよく知っている社員に紹介してもらうことで、マッチした人材を探しやすい採用手法です。
また紹介のため、採用コストや採用に要する時間も大幅に削減できます。
欧米ではポピュラーな採用手法ですが、日本でも徐々に広まっている手法です。
他社の募集要項を参考にする
優秀なエンジニアを所持している企業の募集要項を参考にすることで、自社の採用戦略を見直すきっかけとなるでしょう。
採用条件や賞与などを通じ、自社の魅力を十分に伝えることが可能です。募集要項を改善するには、他社の情報を見ることで、差別化を図りやすくなります。
ライバル企業も含め、他社の募集要項を研究し、参考にしましょう。
人事担当者もエンジニアのスキルについて学ぶ
人事担当者がエンジニアのスキルにつて学ぶことで、自社に合ったスキルを持つ人材を見つけやすくなります。
人事担当者がエンジニアのスキルについて知っていることで、採用のミスマッチを避けることも可能です。
IT業界は移り変わりも激しい業界であるため、不明点は社内のエンジニアに積極的に質問しましょう。
自社の取り組みを積極的に発信する
優秀なエンジニアを採用するためには、自社の魅力をより多くの人に伝える必要があります。
自社の魅力を知る人が増えれば、応募者の総数も増え、質の高いエンジニアを採用しやすくなるでしょう。
ホームページや募集要項はもちろん、SNSも積極的に利用した自社の発信は効果的です。
他社との違いを伝え、魅力を十分に伝えられる発信を心がけてください。
まとめ:中長期的な目線を持ってできる施策から実行していく
中長期的な目線を持って取り組むことが、優秀なエンジニアの長期的な確保にとって重要です。
採用については、取り組みの発信など短期的にできる施策と、社内体制の整備など中長期的な目線が必要な施策があります。
まずは優先順位を決めて、できる施策から徐々に実行していくことが重要です。
現場のエンジニアと必要な人材についてすり合わせをしながら、優秀なエンジニアの確保を成功させましょう。