研究員によるお仕事の話。 世界トップレベルの光源加速器とビームライン。 「創造」と「維持」に挑み続ける!
- 第2回:2022年12月1日(木)
- 18:00 - 19:20
- 開催場所
- オンライン開催(Zoom)
- 参加対象
- 研究・技術開発職に興味のある方(修士・博士・ポスドク)
※特に加速器やビームライン技術に興味のある方
公益財団法人 高輝度光科学研究センター(JASRI)
世界トップレベルの性能を持つ大型放射光施設SPring-8、X線自由電子レーザー施設SACLAの運転・維持、利用支援を行う、国内外に開かれた研究機関として1990年に設置された公益財団法人です。SPring-8/SACLAは、例えば医療分野では新薬開発や長寿命人工関節の開発、環境分野においてはクリーンエネルギーの研究など、産学さまざまな分野・領域で活用されています。産業分野・医療分野・学術分野など、幅広い分野に貢献!
「自分は分野外?」と思っている方も活躍できるフィールドがあります!加速器部門
世界トップレベルの性能を持つ当施設の光源加速器は、最先端のビーム物理学や多種多様な最先端技術を結集した、科学界でも最大級のインフラです。 加速器部門は、この光源加速器を常にベストな状態に維持すべく、各専門家集団が担当する装置群の維持管理を行ったり、更に、高いレベルに押し上げるための高度化を行っています。
将来を見据えた次世代加速器開発に着手しており、この度、次世代加速器に向けた開発や、その後を担う新しい人材を広く募集します!
加速器部門は、軌道解析、モニタ、磁石、真空、高周波、挿入光源、機器制御、インターロックといったチームから構成され、理論的考察や数値計算に没頭する人、超高真空システムや高性能電源といったハードウェアの設計・開発で活躍する人、CADを用いた機械構造設計が得意な人など、各人の長所・興味を生かして業務を行います。現スタッフの中には加速器分野の出身ではない人も多く、これまでの専門にこだわらず多様な人材を歓迎します。
ビームライン技術推進室
「ビームライン」とは、前述のSPring-8の「加速器」で生成された世界最高性能の放射光を、さまざまな利用研究に適したX線に研ぎ澄ませ、安全に提供する全長50mから1kmにもわたる巨大なシステムです。
ビームライン技術推進室では、SPring-8の高品質ビームを安全かつ自在に操る多様なX線光学機器や安全装置、あるいは、これらをつなぐビームライン制御系の維持管理、運営、高性能化を担っています。また、新しいアイデアに基づく機器の設計・考案だけではなく、ビーム調整や保守性も考慮して、先端的なビームライン技術の標準化と普及に努めています。
ビームラインは先端的な研究装置であるとともに、工場のような規模と信頼性、導入・維持コストを考慮した設計・製作と管理が求められる点で、大学などの研究室における実験装置と一線を画します。ビームライン技術は、X線光学を基軸に精密工学、真空工学、伝熱工学に加え、材料工学、電気電子・情報工学、物性化学など多岐にわたる科学技術分野の知見を積極的に活用する複合領域です。このため、放射光分野に限らず、また産学官問わず、国内外のさまざまなグループや専門家と強く連携しながら、SPring-8の光が最先端で世界的にも高い競争力を発揮できるように努めています。
インターンシップ情報(2days 研究施設体験)
12の研究部門の中から、専攻分野に合う部門で体験していただけます!
現役研究員がメンターとなり、以下の内容で実施予定です。
※部門によって実施内容は異なる場合があります。
- 職場見学
- 先輩職員との交流
- 分析/解析等の実験
- 課題解決策の検討
兵庫県の研究施設で開催。交通費・宿泊費・食事代支給!
2023/2/6(月)~2023/2/28(火)の間(※)の2日間で調整します。
アカリクのJASRIページより、詳しいインターンシップ情報を近日中に公開予定!
JASRIの施設
SPring-8
‘放射光’と呼ばれる強力なX線を物質に照射して、原子レベルで構造や機能を調べることができる“スーパー顕微鏡”です。
主な利用実績としては、
・産業分野:高性能低燃費タイヤ、長寿命リチウムイオン電池、貴金属フリーの燃料電池の開発など
・医療分野:新型コロナ感染症関連研究をはじめ多くの利用研究
・学術分野:人工光合成の実現に向けた研究、小惑星探査機はやぶさが持ち帰った小惑星イトカワの微粒子の初期分析など
SACLA
‘X線自由電子レーザー’と呼ばれる新しい仕組みのX線レーザー施設です。
X線レーザーは、SPring-8が静的な現象を見ることに秀でているのに対し、化学反応など動的な現象を見る実験に効果を発揮します。
***2つの施設は研究の内容・目的に応じ、相補的に利用されています。***
※ Acaric Journal vol.4に現役研究員のインタビュー記事掲載中!こちらよりご覧いただけます。
登壇者プロフィール
- 所属
- 加速器部門 加速器機器グループ
- 学生時代の専攻分野
- 理学研究科 物理学専攻
- 自己紹介
- 大学院, ポスドクでは高エネルギー素粒子実験の研究をしていましたが、4年前に加速器/JASRI に移ってきました。今は電子ビームの加速を行う高周波機器と、機械学習を用いた加速器制御の研究を行っています。加速器は巨大施設であり、様々な分野の科学の結晶です。色々な専門性を活かせる場がたくさんあります。世界最先端の放射光施設である SPring-8 で、あなたの研究技能を活かしてみませんか?
- 所属
- 加速器部門 軌道解析・モニタグループ
- 学生時代の専攻分野
- 自然科学研究科 数理物質科学専攻
- 自己紹介
- 学位取得後は、研究所のポスドク、大学の任期付き助教、海外でのポスドクを経て、現在に至ります。大学院では加速器を利用する原子核実験が専門であったので加速器とは馴染みがあり、最初のポスドクは加速器関連でした。現在は、放射光を用いた電子ビーム診断と、SPring-8-IIに向けた新しいX線モニターの開発を行なっています。放射光は様々な分野で利用されていて、加速器を通して社会に貢献できる大変やりがいのある仕事だと感じます。
- 所属
- ビームライン技術推進室 光学系チーム
- 学生時代の専攻分野
- 工学研究科精密科学 応用物理学専攻
- 自己紹介
- 博士号を取得後、現職に就き、大学時代に養った精密工学の技術を生かして超高精度X線ビームライン光学系の開発を進めています。光源からX線分析を専門とする多くの異分野の方と関わり、自身が成長しつつ、世界最高のX線顕微鏡開発や極めて高品質なX線ビームを形成する技術開発に取り組んでいます。開発した装置は数多くの利用者に提供され、SPring-8やSACLAの広範な先端X線分析技術を支えるものとなっています。
タイムスケジュール
- 17:45 - 18:00
- 受付
- 18:00 - 18:10
- 開催挨拶・JASRI研究組織の概要説明
- 18:10 - 18:20
- 業務概要説明(加速器部門 )
- 18:20 - 18:25
- 質問タイム
- 18:25 - 18:35
- 業務概要説明(ビームライン技術推進室)
- 18:35 - 18:40
- 質問タイㇺ
- 18:40 - 19:00
- 座談会
- 19:00 - 19:05
- 採用スケジュール&アンケート案内
- 19:05 - 19:20
- 懇親会(任意参加)
FAQ
- Q 当日参加は可能ですか?
- A 事前申込者限定のイベントとなります。当日参加はできかねますので参加ご希望の方は「参加申し込み」ボタンよりお申込みください。なお、申込者多数の場合、早めに申込受付を終了することがございます。ご了承下さい。
- Q 予約をキャンセルすることはできますか?
- A 【アカリク】にログイン後、【イベント申し込み状況】より本イベントを選択し、右下のキャンセルボタンよりキャンセルいただけます。