【企業人事向け】エンジニア求人票の書き方|応募が集まりやすくなるコツとは?

求人票は、自社のエンジニア採用を進める上で重要な役割があります。

エンジニアは求人票のどこを見て、応募するかの判断を行うかご存知でしょうか?

世の中にはエンジニアの求人が数多く存在しているので、自社に興味を持ってもらうためには要点を押さえた内容を記載する必要があります。

そこで本記事では、魅力的な求人票の書き方について9つのポイントをお伝えします。

これからエンジニアの採用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

求人票とは|記載内容と役割

そもそも求人票とは、社員の採用を予定している企業が、募集概要や労働条件を記載し、求人者に案内するための書類のことです。

求人票は職業安定法にもとづいて、以下の6項目を明記しなければいけないと定められています。

1.労働者の業務内容
2.労働契約の期間
3.就業する場所
4.始業および終業の時刻、所定労働条件を超える労働の有無、休憩時間と休日
5.賃金
6.健康保険、厚生年金、雇用保険の適用有無など

これら6つの項目の明記が無い場合、求人申込として受理されないので注意が必要になります。

良い求人票の構成要素

それでは、良い求人票を作成するための要点を、9つの項目に分けてご紹介します。

これから求人票を作成する方は、以下の要素が盛り込まれているかを、すでに求人票がある方は、不足している情報がないかチェックしてみてください。

求職者が興味を持つタイトルの設定

まずは魅力的なタイトルをつけることが重要です。

優秀な候補者の中には、何十件もの求人票が届いているケースも珍しくありません。

そこで、「この求人は気になる」と思ってもらえるタイトル設定が不可欠になります。

取り入れたいポイントは以下の2点です。

  • どんな仕事なのか
  • 求人の売りはなにか

例えば、
「完全リモートOK。○○言語で○○を構築するサーバーサイドエンジニアを募集」

などのタイトルであれば、

○○言語で○○を構築する=どんな仕事なのか
完全リモートOK=求人の売りはなにか

という、2つの要素が含まれています。

タイトルを見た瞬間に、その仕事に就いてどのような未来が待っているかイメージできる内容にするのがおすすめです。

募集するポジションと業務内容が明確

魅力的なタイトルを設定できても、内容が整理されていなければ意味がありません。

求人票の中身で一番に押さえるべきポイントは、伝えたい内容が明確になっているかどうです。

そこで、下記のような要素に注意する必要があります。

  • どの業界のシステム開発に携わるのか
  • システム開発においてどの工程を担当するのか
  • 開発業務以外には、どのような業務を行う可能性があるのか
  • 作業内容としては具体的に、どのようなものがあるのか

このように、ポジションと業務内容がひと目で見てすぐ理解できることが重要です。

自社の事業内容が簡潔にわかる

会社の事業内容がわかることは、求職者からの安心感を得る大切な項目です。

また、事業内容を明確に記載することで、ミスマッチから生じる早期退職を防ぐ効果もあります。

現在行っている事業だけでなく、描いているビジョンを示し、どのような戦略をもって業務を進めている会社なのかを伝えることも大事です。

さらに効果的なのは、競合他社との違いを明確にすることです。

例えば、「最先端技術を用いた研究開発ができる」「システム開発案件では技術選定から担当できる」など、自社ならではの強みを訴求しましょう。

特徴がない会社は求職者の印象に残りません。どのような部分に優位性があるのかを記載して、しっかりと魅力を伝える必要があります。

キャリアアップ、スキルアップの説明

入社後にどのようなキャリアアップがあるのかを記載するのもポイントです。

求職者は、目指すエンジニアになれるかどうかも判断材料にしています。

例えばエンジニアの中には、マネジメント業務には関心がなく、いつまでも技術を吸収し続けていたいと考えている人も少なくありません。

したがって、個人の将来像に合わせたキャリアアップ・スキルアップの過程が用意されていると伝えることが大事です。「この会社に入れば、なりたいエンジニア像を目指せる」と具体的なイメージができる要素の一つになります。

募集の背景とエンジニアに期待する役割

募集背景では、「時間軸」を意識した内容を織り込むことが重要です。

上手くいかない求人票の募集背景には、「過去〜現在」の情報が多くなりがちです。

求職者の立場から考えると、「今」よりも「未来」の話が大事ですよね。

つまり、「これまではこうでした」という情報よりも、「今まではこうだったので、今後はこうしていきたい」という文脈で伝えることが効果的です。

その際に、エンジニアに期待する役割もしっかり伝えましょう。

「今後はこうしていきたい。そのために、こんなスキルや興味・関心を持っている人材が欲しい」と記載することで、求職者は具体的なイメージがしやすくなります。

開発環境の記載

開発環境を明確にしておくことも重要なポイントです。

求職者は、今までの経験が活かせる環境で働けるのかどうかを知りたがっています。

開発環境についての記載がないと判断がしにくいうえに、どのような環境で開発を行うのか想像することができません。

せっかく応募に興味が湧いていたとしても、働くイメージがわからずに離脱してしまう可能性があります。

また、チャレンジ志向のあるエンジニアにとっては、新しい環境が応募を決定づける要因になるケースもあります。

転職活動者は、今までの経験を活かせることに加え、新しいことに挑戦できる環境であるかを気にする傾向にあるので、開発環境も明示しましょう。

専門用語は正確に記載

専門用語を正確に記載していなければ、信頼性の低下につながります。

求職者が新しい会社に入ることは、その人の人生に大きな影響を与える出来事です。

そのため、本気で求職活動をしている人にとっては、些細な誤字もマイナスの印象を与えかねません。

  • 求人票は専門的な知識のある人が書く
  • 正確な表記になっているか、公開前に細心のチェックを行う

などの対策をして、誤表記がないように努めましょう。

必須スキルと歓迎スキルを業務内容に結びつく項目に設定

求めるスキルの伝え方・使い分けについても、押さえておきたいポイントです。

そもそも「必須スキル」と「歓迎スキル」はどう違うのでしょうか。

ここでは2つのスキルを、次のように定義します。

  • 必須スキル:最初から絶対に必要とするスキル
  • 歓迎スキル:持っていると内定率が上がるスキル

特に、歓迎スキルに関しては、企業や担当者によって定義が異なる印象を受けます。

そこで、定義をあまり断定せずに、「持っていると優遇されるスキル」という認識にしておくことをおすすめします。

そして、これらのスキルを業務にどう活用させるのかを明確にすることが大切です。

例えば必須スキルの項目に、「Ruby、JavaScript、DB設計が可能」という記載があったとします。

これだけの情報では、

  • RubyはRuby on Railsやフレームワークの経験は必要とされているのか
  • LL系の言語でMVCアーキテクチャの経験があれば問題ないのか
  • どの程度の開発規模を想定しているのか

という疑問が出てくると思います。

そこで、

  • Ruby on Railsを利用した、月間300万PV程度のサービス開発経験
  • ReactやAngular2、ES2015(ES6) を使ったフロントエンド開発経験
  • MySQLを使用したデータベース設計と実装経験

ここまで記載すれば、求めるスキルが具体的にわかり、どんな業務を行うのかもイメージがしやすくなります。

転職、就職を検討するエンジニアにとって魅力的な内容

そして最後は、魅力的な内容でアプローチできているかどうかです。

当たり前かと思うかもしれませんが、転職・就職を検討する「受け手側の立場」になって考えてみることが大切です。

例えば、この仕事を通して、どんな体験・能力を得ることができるのか。それが明確に記載されていることでモチベーションの向上につながります。

年収は上限よりも下限がチェックされる

また、年収の情報も伝え方を工夫するだけで魅力の伝わり方が変わります。

エンジニアが求人票の年収を見るときに注意してチェックするのは、年収の上限よりも年収の下限です。

例えばこれまで年収500万円のだったエンジニアが、同等以上の額で転職を希望している場合、年収欄に「300万円〜800万円」と記載していると応募しない可能性が高いと言えます。

その理由は、下限の年収300万円を提示されてしまうと思ってしまうためです。

一方で、年収欄が「500万円〜800万円」という記載であれば、現職と同等以上が保証されていると考え、応募するエンジニアが増えることが予想されます。

つまり、求人票を作成するときには、あまり年収幅が大きくなりすぎないようにすることをおすすめします。

スキルの違う人材の求人は掲載を分ける

特に、若手エンジニアからベテランまで幅広く募集をしている場合は、若手用求人とベテラン用求人で分けておくのが良いでしょう。

上記の例であれば、若手向けを「300万円〜500万円」とし、ベテラン向けを「500万円〜800万円」と記載しておけば問題ありません。

まとめ:魅力的な求人票を作って採用を効率化しましょう

今回は、求人票が優秀なエンジニア採用を左右する、重要な役割があることをお伝えしました。

しかし、テンプレートでなんとなく求人票を作っただけでは、優秀な人材を採用できる可能性はなかなか上がりません。

受け手の立場になったときにどのような情報を求めているか、
その求人票を読むことにメリットがあるかを考えて作成することで、効率良く採用を進めることができます。

具体的に求人票を作成する際は、

  • どのような未来が待っているか、イメージしやすいタイトルを設定する
  • 募集するポジションと業務内容、開発環境が明確にわかるようにする
  • 募集背景を伝え、ビジョンを提示し、だからこういう人材が必要であることがわかるようにする
  • 入社後のエンジニア像をイメージできる内容を示す
  • 専門用語は正確な表記で記載をする
  • 必須スキルと歓迎スキル明確にし、業務内容に結びつくことがわかる提案をする
  • 年収は下限と上限の幅を広くしすぎないように注意する

などの項目に気をつけると良いでしょう。

求めるエンジニアとマッチするためには、良い求人票が欠かせません。ぜひ今回の記事をご活用ください。