SNSを利用しない企業は時代遅れ!?採用に効くSNS運用方法と注意点とは

今回は話題の採用SNSアカウントを運用する方法を紹介します。

近年、働き方改革やコロナ禍などにより、従来の採用活動では人材確保が思うようにいかない企業も増えています。

特に、中小企業やベンチャー企業など大きな予算をかけられない企業ほど、優秀な人材の確保に苦戦しているのではないでしょうか。

そんな中、感度の高い採用担当者が注目しているのがFacebookやTwitterをはじめとしたSNSを利用した採用活動です。

新卒から中途・リファラル採用まで多くの場面で採用担当者の強い味方となるSNS採用。

この記事では、今注目されるSNS採用の仕組みやメリット、運用すべきおすすめSNSを紹介します。

記事の後半ではSNS採用の注意点も紹介するので、最後までチェックしてぜひ貴社の採用活動の参考にしてください。

そもそもSNS採用とは?

SNS採用とはその名の通り、SNSアカウントの運用を通じて求職者とコミュニケーションを取ったり、情報拡散や面接の設定などを行ったりする手法です。

従来の採用活動との大きな違いは、求人内容の作成から求人情報の開示、面接の設定まで全て自社の採用担当者がSNSを通じ一貫して行える点。

今まで外注していた作業を社内で分担する必要はありますが、その手間を考えても余りあるメリットが存在します。

まずは、多くの企業がSNS採用を取り入れている理由を見ていきましょう。

 企業がSNS採用を取り入れる理由

今多くの企業がSNS採用を取り入れている理由は下記の通りです。

  1. SNS運用は手軽に始められる
  2. Z世代、ミレニアル世代の求職者が増加
  3. SNS運用は採用コストの削減効果も
  4. SNS運用で企業ブランディングにもつながる

それぞれ詳しくチェックしていきましょう。

SNS運用は手軽に始められる

SNS運用はその手軽さ、初期投資コストの低さから多くの企業が導入しています。

SNSアカウントの作成は最短当日、スマホ一台で行えます。そのため、採用チームの人数が少なくても挑戦するハードルは高くありません。

また、採用担当チームにZ世代やミレニアル世代の若手社員がいる場合は大チャンス。

Z世代やミレニアル世代の若手社員は日常的にSNSに触れているため、アカウント作成などもスムーズに作業してくれるでしょう。

従来の採用活動よりもコンパクトな組織や予算でも手軽に始められるのが、SNS運用の大きな魅力です。

Z世代、ミレニアル世代の求職者が増加

近年、SNS採用を始める企業が増えた理由に求職者のボリュームゾーンがZ世代・ミレニアル世代と呼ばれる若者が増えたことが挙げられます。

Z世代・ミレニアル世代はスマートフォンユーザーであることはもちろん、生まれた時からSNSサービスが当たり前のように存在しており、いわばSNSネイティブとも呼べる世代です。

そのため、彼らが求職者となった際も従来の求人サービスのチェックと並行して企業のSNSなどをチェックするのはもはや常識です。

企業のSNSをチェックして、「この会社は自分の働き方には合わなさそう」「福利厚生がしっかりしていて働くイメージがしやすいな」など、よりリアルな判断を行っている求職者は少なくありません。

従来の採用サービスでは伝えきれなかった会社のカラーを、SNS運用を通じて伝える企業が増えています。

SNS運用は採用コストの削減効果も

採用コスト削減が期待できるのも、SNS運用の大きな魅力です。

いざ採用活動を始めようと思ったら、求人サービスへの登録、場合によっては求人広告の出稿など多くのコストがかかります。

その点、SNS採用を導入すれば基本作業は自社の採用担当者が担えるため、大幅に作業の内製化が進みコスト削減が期待できます。

もちろん、SNS運用を成功に導くためには戦略の設定や運用知識が必要になるため、適材適所の人事配置が必要となるでしょう。

しかし、人材配置などの手間を鑑みても企業にとってSNS運用によるコスト削減効果は大きなものと言えるでしょう。

SNS運用で企業ブランディングにもつながる

アカウントを上手に運用することが出来れば、採用活動だけではなく企業全体のブランディングまで行えるのがSNS運用の大きな強みです。

採用情報のみならず、SNSアカウントを通じて会社のカラーを発信すれば、従来の求人サービスよりも多くの人に情報が拡散される可能性があります。

例えば、「会社内の趣味サークル情報」や、「社員が快適に働けるよう高級オフィスチェアを導入した」などの採用に関係なさそうな情報も「親しみやすい会社だな、自分もこんな会社で働いてみたい」というプラスの企業ブランディングにつながることも。

特にZ世代・ミレニアル世代の求職者は、SNSでの情報収集を日常的に行ってます。

そのためSNS運用を通じた企業ブランディングは非常に効果的で、企業が取り組む大きな理由となるでしょう。

採用SNSアカウントを運用するメリット

多くの企業がSNS採用を取り入れる理由をみてきました。ここからは、採用SNSを運用すると得られるメリットをみていきましょう。

採用担当の方以外に、広報担当者、販売促進や企画担当者の方にも大きなメリットが存在するので、ぜひ参考にしてみてください。

潜在層の求職者とも出会える

まだ就職や転職を考えていない「求職潜在層」と出会えることが採用SNSアカウント運用の大きなメリットです。

例えば、まだ求人サービスに登録していないスキルアップを志す若手ビジネスパーソンや、将来的に転職を考えている人材にもSNSを使ったアプローチが可能。

直接的にアプローチをかけなくても、SNSを通じて自社の認知度を上げることで求人潜在層に企業自体が興味を持ってもらえる可能性もあります。

今まで出会ったことがない人材を求めている採用担当者には、大きなメリットとなるでしょう。

面接以外で求職者とコミュニケーションを図れる

求職者と面接以外でコミュニケーションが図れるのも、採用SNSアカウントを運用するメリットです。

特に、離職率の高さに頭を悩ませている採用担当者は、SNS採用による改善が期待できます。

面接で良いマッチングに感じていても、実際働き始めると社風や仕事内容が合わずに短い期間で退職する社員が増えたという話はよく聞きますよね。

そういったミスマッチを避けるためには、入社前に会社の雰囲気、仕事内容をより丁寧に伝えていくことが重要です。

SNS採用に取り組めば定期的な情報発信、リプライ機能などを使ったフォローアップを行っていくことでミスマッチの改善を図ることが可能

採用SNSアカウントを通じて求職者とのより密なコミュニケーションを図れば、企業と求職者のミスマッチを減らすこともできるでしょう。

社員SNSとの連携で強力なリファラル採用も

新卒採用だけでなく、リファラル採用にもSNSアカウントの運用効果は絶大です。

リファラル採用の対象となる優秀な人材には、すぐに転職を考えていない潜在的な層も多く含まれます。

そのため、まずはライトに企業の雰囲気や仕事内容など、事前情報を多く発信することで自社に興味を持ってもらうきっかけ作りが可能です。

社員が自社の紹介をリファラル採用対象者へ行う際も、「こんな雰囲気でこういう仕事をやってるよ!」と採用SNSアカウントのURLを共有すれば良いので、採用活動に協力するハードルは下がるでしょう。

社員による採用SNSアカウントのコンテンツシェアを組み合わせれば、より強力なリファラル採用が可能になります。

企業が運用すべき採用に効くSNS7選

ここからは、企業が運用すべき採用に効くSNS7選をチェックしましょう。

プライベートで使用する人が多いお馴染みのSNSから、ビジネス利用に特化したSNSまで紹介するので、目的に合ったSNSを選択してみてください。

1.Facebook

まず最初に紹介するSNSはFacebook。大きな特徴として、登録者のほとんどが実名、本人写真で登録するSNSということが挙げられます。

そのため、匿名性の高いSNSと比べるとビジネスシーンで利用されることが非常に多いSNSです。

投稿内容も短文で何気ないことを投稿するより、フォーマルな投稿内容が多いのもFacebookの特徴です。

また、Facebookは企業が利用しやすいビジネスアカウントを開設することが可能です。

採用以外に新製品発表の広報活動や、イベント出店などを告知する販促活動にも利用できるので一石二鳥。

ビジネス全般に使い勝手が良いFacebookは、これからSNS運用をはじめる採用担当者の強い味方となるでしょう。

2.Twitter

国内利用者4,500万人を超える非常に多くのユーザーを抱えるTwitterも採用担当者向きのSNSです。

そんなTwitterがSNS採用に向いている理由は、はその拡散力の高さにあります。

Twitter独自の「RT(リツイート)」や返信機能の「リプ」を利用すれば、情報を手軽に拡散することが可能です。

まずは企業の知名度を上げたい場合や、認知度UPの目的で利用したいベンチャー・中小企業に特におすすめのSNSと言えるでしょう。

また、投稿できる内容は140文字までと制限があるのもTwitterの特徴。そもそも短文でしか投稿することができないため、気軽な情報発信に利用しやすいのも採用担当者には嬉しいポイントですね。

投稿ハードルが高くないため、長期間運用しやすいこともTwitterならではのメリットです。

3.Instagram

Instagramは20~30代の女性を中心に人気を集めるSNS。

写真や動画がメインのSNSで、ビジュアルやインパクト重視の情報発信が可能です。

社内の雰囲気や、文章では伝えづらい仕事内容なども写真や動画を利用すれば、比較的簡単に情報発信が可能になります。

作り込みすぎない自然な写真や動画で訴求すれば、企業のリアルな情報を求職者に届けられるでしょう。

また、発信内容をより多くの人へ届けるために「ハッシュタグ」を利用するのもInstagramで採用活動をする上で重要です。

フォロワー数の多い企業のアカウントをチェックするなど、採用担当者はInstagramへの理解を深めると良いでしょう。

4.TikTok

近年、Z世代を中心に大流行しているTikTokも採用活動の武器となるSNSの一つです。

TikTokは短尺の「縦型動画」をメインとしたSNSで、ユーザーの多くはスマートフォンで利用しているのが大きな特徴です。

投稿されている動画はInstagramやYouTubeと比べても短いものが多く、運用する場合は企業の魅力や求人情報をギュっと詰め込む技術が必要になるでしょう。

就職活動・転職活動をスマホを利用して行う、Z世代の人材を確保したい場合はTikTokの活用を強くおすすめします。

5.YouTube

近年のYouTube人気は止まるところを知りません。もちろん、YouTubeは採用活動との相性もバッチリです。

文章に比べ、動画は情報量が多いコンテンツでも効果的にイメージが伝わるメリットがあります。

例えば、「応募してみたいけど、事前に会社の雰囲気がわからないと不安」といった求職者の不安を動画で社内ツアーなどを行って丁寧に取り除くことも可能ですよね。

実際に働いている社員へのインタビュー動画や、就職・転職して間もない社員による面接の感想動画など、さまざまなコンテンツが考えられます。

動画制作にはノウハウが必要なため、運用し始めのタイミングは外注することも視野に入れておくと良いでしょう。

6.LINE

幅広い年齢の利用者がいるLINEも採用活動の強力な武器となるSNSです。

LINEを採用活動で利用する場合、リアルイベントとの連動が欠かせません。

例えば、大規模な合同説明会などでは各企業の持ち時間は限られているため、伝えたいメッセージが求職者に届くとは限りません。

そんな時は、企業公式LINEをフォローアップツールとして利用し、求職者とのコミュニケーションを図りましょう

LINEを上手に利用できれば、フォローアップだけでなく求職意欲の高い人材へ定期的に接触することが可能です。

他のSNSを情報発信ツールとして利用しつつ、LINEも並行して運用すれば鬼に金棒です。

7.Wantedly

Wantedlyは20代~30代の若手ビジネスパーソンを中心に利用者が多いビジネスSNSです。

企業と求職者のマッチングを目的としたSNSのため、他のSNSに比べ熱量の高い求職者へピンポイントに情報発信することが可能です。

また、Wantedlyは企業と求職者のマッチングに最適化されたデザインや機能も魅力の一つ。

企業HP並に作り込みが可能なトップページに加え、複数の求人情報を記事形式で掲載できるため、採用担当者の痒い所に手が届くSNSと言えるでしょう。

本格的にSNS採用に取り組むならWantedlyを検討は外せません。

8.LinkedIn

最後に紹介するのがビジネス特化SNSのLinkedIn

国内では馴染みの薄い方も多いかもしれませんが、世界に5億7千万人のユーザーがいるビジネスパーソン御用達のSNSです。

LinkedInの特徴は、情報感度の高い若手ビジネスパーソンや役職者、経営者の利用者が多いところ。そのため、LinkedInを利用してリファラル採用を行うとレベルの高い人材と出会える可能性が格段に上がります。

新規事業のリーダーポジションを探していたり、組織のビルドアップが急務な企業ほどLinkedInの利用がおすすめです。

SNS運用に使えるテクニック

企業が利用すべき採用に効くSNSをチェックしてきました。SNSごとに向いている求職者や訴求できる世代に違いがあるため、あなたの企業が求めている人材に合わせて使い分けましょう。

また、SNS採用を成功に導くには運用テクニックを身につけることが肝心です。

ここからは採用担当者が知っておくべきSNS運用に使えるテクニックをみていきましょう。

人事担当者個人のアカウントとして運用する

採用SNSアカウントを運用する際は、企業アカウントだけではなく人事担当者個人でも採用SNSアカウントを運用すると良いでしょう。

企業アカウントのみの運用でも求職者へ求人情報や会社の雰囲気を発信することは可能です。しかし、人事担当者のアカウントもあれば「実際に働いている社員目線」でリアルな企業情報を発信できるでしょう。

実際にその企業で働いている人事担当者の目線で会社の雰囲気を発信すれば、求職者はよりリアルな情報に触れることができます。

働くイメージがしやすくなるため、面接後のミスマッチも減ることが期待できます。

人事担当者個人のアカウントも並行して運用することが、SNS採用成功の鍵と言えるでしょう。

画像と動画をバランスよく投稿する

SNS採用に取り組む際は発信する情報、つまり投稿コンテンツのバランスがとても重要です。特に、画像や動画を組み込んだ投稿をバランスよく取り入れると良いでしょう。

多くの情報を伝えることができる画像・動画の活用はSNS採用の成功に欠かせない存在。

InstagramやYouTube、Tiktokなど画像・動画に強いSNSは複数存在するため、自社のターゲットに合わせて使い分けると効果的です。

文章ばかりの投稿にならないよう画像と動画をバランスよく混ぜることで、SNS採用の成功に近づくと考えられます。

ハッシュタグを活用する

ハッシュタグの活用は採用SNSの運用のとても重要なテクニックです。

特に、Instagramでは最大30個のハッシュタグをつけられるので、自社の採用活動に関連するハッシュタグを複数試しながら投稿していくと良いでしょう。

注意したいのが、採用担当者がイメージするハッシュタグと求職者の検索するハッシュタグの乖離が生まれること。

例えば、自社の中でしか通じない「専門用語」やいわゆる「身内ノリ」のようなハッシュタグをいくらつけても求職者にはピンとこないため、避けておくのが無難でしょう。

経験や戦略が必要なハッシュタグの活用ですが、採用活動の強い武器となることは間違いありません。

SNS運用担当者になったらぜひマスターしたいテクニックです。

他企業のSNS運用者とも積極的に交流を!

採用SNSアカウントの運用に慣れてきたら、他企業のSNS運用者とも積極的に交流すると良いでしょう。

他企業のSNS運用者の求人情報の拡散を手伝ったり、ポジティブなリプライを行うことで求職者へも採用担当者の「人柄」や「リアルな発信」を印象付けられるようになります

SNS上で他企業との交流が生まれることで、企業ブランディングを図ることもできるでしょう。

もちろん、SNS上での交流は相手への配慮が必要不可欠です。

自社に関連する内容か見極めたり、相手のSNSアカウントのブランディングを害するリプライを行わないなど運用ルールを徹底すると良いでしょう。

上級者向けのテクニックになりますが、取り入れるメリットは多いのでぜひ挑戦してみてください。

SNS運用を始めるときに気をつけたいポイント

採用SNSアカウントの運用にあたって気をつけたいポイントを紹介します。

このポイントを抑えておかないと、アカウント運用の成功が遠のくだけでなく、場合によってはトラブルに発展する可能性もあるのでぜひチェックしておいてください。

SNS採用の戦略をきちんと設計する

SNS採用を始める際は、アカウントをどのように運用していくか戦略設計をすることが重要です。

例えば、自社の求人ターゲットに合わせたSNSの選択や、アカウントのキャラクター設定も運用戦略の一つ。

Z世代の採用に力を入れたいのに、30代~40代が多く利用しているSNSばかりで情報発信していても、成果が上がることはないでしょう。

同業他社のSNSアカウントを分析したり、ベンチマークとなるSNSアカウントを設定しておくこともおすすめです。

SNS採用を成功に導くため、採用チームで戦略設計をしておけばスムーズな運用が期待できます。

SNS運用マニュアルを用意する

採用SNSを運用する場合は、そのアカウントの運用マニュアルを用意しましょう。

運用マニュアルを用意しておけば、人事異動などで担当者が変わった際もスムーズなアカウント運用が期待できます。

マニュアルを用意しないまま採用SNSアカウントの運用を開始した場合、不測の事態が起きた時にトラブルが発生することも。

採用情報の発信や拡散は企業の信用にも直結するので、運用マニュアルの用意は必須と言えるでしょう。

長期的な目線で運用する

採用SNSアカウントを運用する場合、すぐに結果を出そうという焦りは禁物です。

フォロワー獲得や情報の拡散効果はアカウントを開設してすぐには出ないことがほとんど。

これは採用に限らず、SNSアカウント運用をする担当者全員の課題なので、過度に焦らず長期的な目線で運用に携わることが大事です。

継続した発信や軸のぶれないアカウントブランディングがSNS採用の鍵となるので、じっくりと腰を据えて運用することがおすすめです。

まとめ:SNS運用は効果的な採用ツール、今すぐ取り入れよう

今回は今注目のSNS採用とアカウント運用の方法を紹介しました。

既存の採用活動では出会えなかった人材が見つかるなど、SNS採用は企業に多くのメリットをもたらします。

取り入れるハードルも低くコストカットにも繋がるため、気をつけたいポイントを抑えながら早めにアカウント運用に取り組むべきでしょう。

今回の記事を参考に、あなたの会社にピッタリのSNSを見つけて採用アカウントの運用を始めてみてくださいね。