リファラル採用とは、社員に友人・知人を紹介してもらう採用方法です。リファラル採用を導入すれば低コストで会社のカルチャーに合う人材を採用できますが、制度をどう浸透させればよいか分からない人事の方も多いでしょう。
リファラル採用制度を社内に浸透させ、多くの社員から知人を紹介してもらうにはリファラル採用の意図を明確にして、人を呼びやすい制度を追加で作ることが大切です。
この記事では、リファラル採用を社内に浸透させるため必要な施策や、社内告知の際に注意すべきポイントについて解説します。リラファル採用をこれから導入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
リファラル採用を社内に理解・浸透させるための体制構築
リファラル採用を導入しても制度が形骸化し、なかなか使われないケースは少なくありません。そのため、リファラル採用を成功させるには、社内にリファラル採用の精度を理解・浸透させる必要があります。
そこでここからは、リファラル採用における社内告知で気をつけるべきポイントについて、解説していきます。リファラル採用導入のポイントを知り、リファラル採用を効果的な採用方法にしていきましょう。
リファラル採用を導入する意図を明確にする
リファラル採用を多くの社員に知ってもらうには、リファラル採用の意図を明確にすることが大切です。リファラル採用を導入します、というお知らせだけでも制度を社内に知らせることはできますが、制度が形骸化し使われなくなる可能性があります。
そうした事態を防ぐため、リファラル採用の社内告知をする際は導入の意図を明確にし、社員に理解を促しましょう。
また、同じ内容の告知ばかりでは、社員に意識的に目を通してもらえなくなるでしょう。告知内容に変化をつけるため、リファラル採用を導入する意図のほか、他の会社での成功事例やリファラル採用を導入するメリットも紹介しましょう。
さまざまな角度からリファラル採用について理解してもらうことで、制度について関心が深まり、積極的な知人の紹介へと繋がります。
部署・部門ごとにリファラル採用で採用したい人物像を整理する
リファラル採用を行う際は、部署・部門ごとにどのような人物を採用したいか決めておきましょう。ただ「知人・友人を紹介してください」という呼びかけだけでは、社員の意識も曖昧になり積極的な紹介へと繋がりません。
リファラル採用を浸透させるなら、具体的な人物像を設定し社員が知人を紹介しやすい環境を作りましょう。
採用する人物像は会社の状況によって異なりますが、「BtoBのWebマーケティング経験がある人」「Javaの言語で3年の開発経験があるエンジニア」など具体的な例を決めておくことが大切です。
部門ごとに具体的な人物像が設定されれば、社員も「そういえば条件に合う人がいたかも」と具体的なイメージを持ちやすくなり、リファラル採用浸透に役立つでしょう。
中長期的な施策として計画
リファラル採用は、中長期的な計画としてスタートさせることが大切です。リファラル採用は低コストで会社のカルチャーに合う人材を採用できる、優れた採用方法になります。しかし、採用人数が不透明になりやすいこと、制度の浸透までに時間がかかることが問題です。
そのため、リファラル採用のデメリットをカバーするには、長期的な目線で制度を導入する必要があります。
とくに制度がスタートしたばかりの頃は、制度が社員に浸透せず何度社内告知をしても効果が出ないかもしれません。そうした場合は、「とりあえず1人採用できれば良い」といった低めの目標からまずはスタートし、様子を見守ることが大切です。
他の採用方法も併用しながら適宜反省点を細かく分析し、長期的な目線で制度を改善していきましょう。
報酬の設定・会食の経費負担など社員が協力しやすい制度の導入
リファラル採用の導入と共に、報酬の設定や会食の経費負担など、社員が採用に協力しやすいような制度を取り入れましょう。採用コストに限度のある会社は多いですが、報酬を高めに設定すれば社員も積極的に紹介をするようになり、制度が浸透しやすくなります。
リファラル採用の報酬は0〜30万円程度のところが多いですが、早く制度を浸透させたいなら期間を決めて報酬をアップさせても良いでしょう。
また、会食の経費負担も重要です。せっかく知人を紹介しようと思っても、会食費が自己負担ではたくさんの人を紹介できません。会食以外でも採用にかかるコストは経費として、社員の負担を軽くしましょう。
他にも、リファラル採用では次のような制度を導入すると効果的です。
- 知人を紹介した社員への表彰
- 知人を紹介した社員へのノベルティプレゼント
- 紹介に成功した社員へのインタビュー
知人を紹介するメリットを増やすことで、リファラル採用浸透を目指しましょう。
社内告知を成功させるためのチェックポイント
リファラル採用の成功には、適切な社内告知が不可欠です。もし社内告知がうまくいかない場合、制度がうまく機能しないだけでなく、社員のモチベーションまで下がる可能性があります。
ここからは、リファラル採用成功のため社内告知を成功させるポイントを解説します。効果的な社内告知を行い、リファラル採用をスムーズに導入しましょう。
社内に告知する頻度は適切か
リファラル採用の導入において、社内告知の頻度はとても重要です。数回だけの社内告知では、なかなか制度の存在が浸透せず、ほとんど使われない制度になってしまう可能性があります。
一方、毎日のように社内告知をしていると「繰り返しお知らせが来て面倒」「他の業務の邪魔になる」と感じ社員のモチベーションが下がるかもしれません。
現在すでに社内告知を行なっているもののリファラル採用がうまくいかない場合、お知らせの頻度が適切かどうかアンケートを取るのがおすすめです。
社内告知の頻度を最適な状態に保つのは非常に難しいですが、アンケートの結果を元に調整していきましょう。
メールやチャットだけで連絡を終わらせていないか
メールやチャット以外の方法でも社内告知を行うことで、社員にリファラル採用の当事者意識を持ってもらうことが可能です。メールやチャット社内告知で多く使われますが、文字の情報だけでは軽く読み流されてしまい、なかなか積極的な紹介につながりません。
そのため、メールやチャットと併用し、次のような方法で社内告知を行うと良いでしょう。
- 会議の最初に代表者から口頭で伝えてもらう
- リファラル採用に関するポスターを作る
- 社内SNSで告知を行う
さまざまな媒体を使うことでリファラル採用への関心が高まり、社員全体が当事者意識を持てるようになるでしょう。
面談実施率、採用率、定着率などのデータを測定しているか
リファラル採用をただ導入するだけでは、継続して人員を確保するのは困難です。リファラル採用を導入するなら、面談実施率、採用率、定着率などのデータを測定しリファラル採用に効果があるのか測定することが大切です。
リファラル採用は低コストで採用ができる効果的な方法ですが、会社のカルチャーによっては合わないこともあります。
リファラル採用を導入し、改善施策を実行したものの効果が出ていないようであれば、他の採用方法を積極的に使う方針に切り替えることも必要でしょう。
一方、効果が出ている場合、社内告知の際にリファラル採用で入社した人の人数や定着率、採用率を細かく掲載するのがおすすめです。「リファラル採用には効果があるんだ」と社員が感じれば、自然と関心が高まり積極的な紹介へとつながるでしょう。
データを元に改善施策を実行しているか
リファラル採用に関するデータを収集したら、改善施策を実行しましょう。とくにリファラル採用の導入初期には、ほとんど効果が出ず「リファラル採用はやめるべきでは」という意見が出ることも少なくありません。
しかし、改善施策を実行することで、リファラル採用の効果が大幅にアップするケースはたくさんあります。データを出したらまずは諦めず改善施策を用意し、実行してみましょう。
リファラル採用に効果的な改善施策としては、次のようなものがあります。
- 社内告知の頻度を増やす、もしくは減らす
- 社員と直接コミュニケーションを取りながら社内告知をする
- 社内でリファラル採用に関するイベントを開催する
リファラル採用の成功で大切なのは、紹介へのハードルを下げることです。社員がリファラル採用に関心を持ってくれるような施策を導入し、採用率アップに努めましょう。
マネージャーや役員も積極的に協力しているか
多くの社員が当事者意識を持ってリファラル採用に取り組むには、管理職の意識が大切です。せっかくやる気のある社員がいても、その上司がリファラル採用に積極的でない場合、経費申請などがしにくく紹介に至らない可能性があります。
リファラル採用成功には、人事部以外のマネージャーや役員の意識改革が必要でしょう。
当事者意識を高めるには、リファラル採用に関する話し合いの場に部門の責任者を呼ぶことが効果的です。
実際にリファラル採用について腰を据えて話し合えば、現状の問題点や今後の改善施策について理解できるため、リファラル採用への関心が高まるでしょう。
まとめ:リファラル採用の成功は、制度構築と社内告知がカギ
リファラル採用の導入を成功させるには、リファラル採用の体勢を社内に構築すること、リファラル採用の制度をしっかりと告知することが大切です。
リファラル採用の制度だけを導入しても、社員が制度を知らなければ人材が紹介されず、採用に繋がりません。リファラル採用を実際に使える制度にしていくため、制度を社内にしっかりと周知し、制度を整えましょう。
リファラル採用を導入すべきか迷ったら、まず小規模なチームを作りその中で採用に取り組んでください。採用に成功したら取り組みを全社員に拡大し、規模を広げれば順調にリファラル採用の導入ができるでしょう。