理系学生の採用を成功させるポイントとおすすめの採用サービスを解説

理系学生を採用したいという企業のニーズが高まっている一方で、理系学生の数は減少の一途を辿っています。そのような状況下で、新卒採用に頭を悩ませる採用担当者も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、理系学生の就活動向を理解して戦略的に採用を成功させるために、押さえておくべきポイントや採用手法をお伝えします。

採用を円滑に進めるためのおすすめの採用支援サービスも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

理系学生の就活動向と採用の課題

理系学生の就活動向と採用課題

まずは理系学生の就活動向から採用の課題について見ていきます。

理系学生の数は減少している

大学への進学が当たり前の時代になり、1990年に49.2万人だった大学生は、2017年には62.9万人に増えました。

一方で、工学系学生は2000年の10.7万人をピークに2017年には8.9万人に、理学系学生は2万人から1.8万人に減少しており、若者の理系離れが問題となっています。

社会科学系などと比較すると理系人材は少ないだけでなく、減少傾向にあるのです。

参考:文部科学省 科学技術・学術政策研究所:科学技術指標2018

理系学生の採用に関するおすすめの資料(無料)

当メディアを運営する「アカリク」は、理系人材の採用に特化したダイレクトリクルーティングサービスを展開しています。

下記資料では24卒理系学生の就活動向に関する調査データをご覧いただけます

本エントリー・内定などの就活状況や志向性、後付け推薦の実態などについて確認し、採用業務の最適化・効率化にお役立てください。

理系学生を採用したい企業のニーズは高まっている

理系学生の数が減少している一方で、企業の理系学生へのニーズは高まっています。この矛盾が理系学生の採用を難しくしている理由の一つです。

理系学生の採用ニーズが高まっている背景として、IoTや人工知能、SNSサービスやBtoCサービスなど、ITを活用する事業の増加や技術の進歩によりITエンジニアを求める業界・会社・市場が大幅に増加していることが挙げられます。

また、ITで収集できるデータの種類や量が増加したことから、ビッグデータを扱うデータサイエンティストやデータアナリストといった、データ分析系の職種のニーズが増加していることも理由の一つです。

そのため、今後も理系学生のニーズは高まり続けることが予測されています。

理系学生のニーズが高まっている表れとして、株式会社DYMが開催した理系学生と企業のマッチングイベント『Meets Company 理系限定イベント』では、2020年5月〜9月の参加企業数(232社)が2019年の同月(99社)に対して233%増加している点が挙げられるでしょう。

大手志望の学生が多い

近年の学生の企業選びの傾向として、安定性や将来性を求める学生が増えており、大手企業の人気が高まっています。

HR総研とTECH OFFERが23年卒の理系学生(大学院生)564名に行ったアンケートでは、8割近くの理系学生が大手企業を志望しており、「安定性」への注目度が上昇していることが伺えます。

コロナ禍での就職活動により、安定性が企業選びの一つの軸になっている側面が強いようです。つまり、大手以外の企業では理系人材の採用が難しくなっている可能性が考えられます。

参考:HR総研×TECH OFFER: 2023卒理系学生の就職活動に関するアンケート結果報告

研究等で多忙なため積極的に就活しない学生が多い

理系学生は学業が忙しく就活との両立が難しいため、積極的に就活しない学生が多い傾向にあります。

学業が多忙すぎて、説明会に参加できない、面接の予定を組めないなど、就活との両立が難しいと感じている理系学生は多いようです。

その結果として、就活自体に対して苦手意識を持っている理系学生が多く、積極的に就活しない学生が増えています。就活に消極的な学生が多いと、採用担当者は優秀な人材を見つけにくくなるでしょう。

理系学生の採用を成功させるためのポイント

理系学生採用のポイント

理系学生が減少しており、大手志望が強まっている中で新卒の理系学生の採用を円滑に進めるために、採用担当者が押さえておくべきポイントを解説します。

会社の安定性・将来性を客観的なデータで示す

企業選びに安定性を求める理系学生に自社に興味を持ってもらうためには、会社の安定性や将来性について論理的な証拠を提示することが大切です。

大手企業を志望する大きな理由としてコロナ禍の就活における理系学生の安定性の追求があります。

そのため、会社の業績や今後業界の伸びについてデータを用いて説明することで興味をもってもらえる確率が上がります。

理系学生は数字やデータの取り扱いに慣れているため、感情的に訴えかけるような内容ではなく、論理的に説明できるデータを示すことが重要です。

企業から積極的なアプローチを行う

理系学生は研究等が多忙で積極的に就活しない学生が多いことから、求人サイトや採用ページに求人情報を掲載するだけではなく、ダイレクトリクルーティングやインターンシップを利用して企業から理系学生へ積極的なアプローチをする必要があります。

無数にある企業の中でまずは知ってもらうこと、認知度を高めることにフォーカスして積極的なアプローチをすることも採用戦略の一つです。

積極的なアプローチを強化することによって、そもそも学生に企業が知られていなかったということを防ぐことができます。

また、企業の認知度を上げることによって、採用サイトによる企業のブランディングの効果をより強化することに繋がります。

就活生が求める社内環境の整備を進める

理想の社内環境は時代とともに常に変化しているため、就活生のニーズに合わせて社内環境を整えることが求められています。

就活生が企業を選びをする上で「やりたいことができる」「安定している」という条件が上位にあがります。

自分のやりたい仕事や業種で働きたい、やりたいことをやらせてもらえるような風通しの良い企業に就職したいという思いが強い学生は多いです。

また、安定性という面では経営の安定した企業であればより望ましい、というのがここ数年の就活生の企業選びの軸のようです。

近年は上記に加えて、休日の取得や勤務制度、福利厚生を重視する声も増加しているため、企業は就活生が求める社内環境の整備を進めることが求められています。

学生の経験・研究領域の把握に努める

学生時代にどのような分野を専攻してきたか、どのようなことが得意かを細かく把握しておくことで、理系学生に突き刺さる企業のアピールポイントを訴求ができるようになります。

2023卒理系学生の就職活動に関するアンケート結果報告では、6割が専門性を活かしたいと回答してることからも、学生の経験や研究分野について理解することで企業にマッチする人材を探せるでしょう。

また同アンケートでは、専門性をアピールすると回答した学生は2割という結果から、学生は専門性を積極的にアピールをしてこないと考えられるため、企業から学生の経験を引き出す努力も必要になってきます。

専門職の業務内容がイメージできるように情報発信

求人サイトの業務内容だけでは専門職の業務内容がイメージできない職種が多いです。

そのため、企業は学生が入社した後に自分が実際に職場で働いている姿をイメージできるような情報を発信をすることが大切です。

例えば、自社の採用サイトやSNSを活用して、職種ごとの1日の流れや社員のインタビューを公開するのも効果的な手法と言えます。

業務内容をクリアにするためにも、求人サイトや新卒紹介サービス以外に、採用に関する情報発信のメディアを揃えておくことが求められます。

OB訪問や会社見学しやすい導線を作る

オンラインでの採用活動が主流の時代ですが、実際に会社に来てもらうことのできる仕組みを整備しておくことは大切です。

OB訪問や会社見学がしやすい導線を作っておくことで、優秀な学生との出会いのきっかけを増やすことに繋がります。OB訪問や会社見学だけではなく、短期のインターンシップも一つの手段です。

理系学生を採用するにはどんな手法がある?

理系学生採用手法

実際に理系学生を採用するにはどのような手法があるのかについて、各手法ごとの特徴やメリット、デメリットについて解説します。

新卒紹介サービス

新卒紹介サービスは、中途の人材紹介サービス同様に「成果報酬型」の料金システムにて人材の採用が可能です。

学生が内定承諾をした際にはじめて料金が発生するため、選考をおこなったものの内定承諾に至らなかった場合は費用はかかりません。

成功報酬型で初期費用がかからないことにより採用コストが削減し、採用業務の工程を省ける点が新卒紹介サービスのメリットです。

一方、デメリットとしては、採用人数が高い場合は割高になるという点です。複数人をまとめて募集する場合は求人サイトの方がコストを抑えることができます。

また、新卒紹介会社がある程度スクリーニングした学生の中から企業は人材を選考するため、自社の採用ノウハウが育たないというマイナス面もあります。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接学生や求職者へアプローチする採用手法のことです。

自社に合った人材をピンポイントで探すことができること、直接学生を採用するため自社の採用ノウハウが蓄積していくことや、採用力の向上がメリットです。

ノウハウが溜まって採用力が上がれば、人材紹介と異なり複数人採用しても費用が変わらないため、コストを削減して採用活動ができます。

一方で、ダイレクトリクルーティングはスカウトメールによって学生にアプローチするため、対象となる学生の選定やメール作成、対応など、採用担当者の負担が大きくなる点がデメリットとしてあげられます。

また自社でスカウトメール作成やブランディングといった採用ノウハウも必要です。

インターンシップ

インターンシップは、仕事の内容理解や適正理解を目的として、学生が興味のある企業などで実際に働いたり、訪問したりする職業体験です。

1dayインターンシップと呼ばれる1日単位のインターシップから、短期インターンシップという数週間のもの、長期インターンシップという数ヶ月から数年単位のものまで様々な種類があります。

インターンシップの一番のメリットは、実際に業務や働く環境を体験をすることで、業務内容や働くことの理解を深めた状態で採用できる点です。また人材の発掘や人材育成が可能で、即戦力になる学生を採用できます。

一方でデメリットは、学生の教育やそれに伴う体制の構築に時間とコストがかかることです。また学生の学業への負担がかからないように配慮する必要があります。

さらに顧客情報や機密情報の漏洩にも細心の注意を払う必要があるでしょう。

オウンドメディアリクルーティング

オウンドメディアリクルーティングとは、自社の運営するメディア(採用サイトやSNS)にて、自社の魅力や方向性についてのメッセージを発信し、共感をしてもらいながら人材獲得につなげる能動的なリクルーティング手法です。

広範囲へのアプローチが可能なため自社の認知度をあげることができます。自ら行動して情報収集する積極的な学生を採用すれば、会社のミッションを深く理解している学生が集まるため、入社後のミスマッチを最小限に抑えることができます。

一方デメリットは、採用が機能するまでサイト構築するのに時間とコストがかかる点です。またオウンドメディアの構築、運営にはマーケティング(SEOや広告、SNS運用など)やサイト運営の知識が必要となります。

リファラル採用

リファラル採用は、一般的には中途採用で用いられる採用手法で、企業の内定者の信頼できる人脈を利用した採用活動のことです。共に働きたい友人、知人を社員や内定者に直接紹介してもらって採用に繋げます。

一般的に中途採用に用いられる手法ですが、新卒の場合も現社員の出身校、所属ゼミ、研究室からの紹介により採用の可能性があります。

紹介のため、内定者の辞退を防ぎやすい点や、友人や知人からの紹介によってメンバーが集まるため、中長期的な採用戦略として質の高い組織の形成ができる点がメリットです。

しかし、リファラル採用は知り合いの紹介のため、不採用時の紹介者と非紹介者との人間関係へは配慮する必要があります。元から知り合いだった人の採用により、人材の偏りや公私混同しないように注意する必要があるでしょう。

理系学生の採用におすすめのサービス

理系学生の採用に役立つおすすめのサービスを以下の種類別にご紹介します。

  • 新卒紹介サービス
  • ダイレクトリクルーティングサービス
  • 採用イベント

新卒紹介サービス

アカリク

大学院生・研究者、ポスドクの就活転職支援に特化した就職情報サイトです。

スカウトの返信率は約40%とアクティブな理系学生が多数利用しています。また自社への認知が低いターゲット人材に向けて個別にアプローチできるため、新たなターゲット層の獲得にも活用できます。

サービスURL:https://acaric.jp/
企業向けサイトURL:https://biz.acaric.jp/
運営会社:株式会社アカリク

リクナビ就職エージェント

リクナビ就職エージェントは大学生、大学院生のための国内最大級の求人情報サイトのエージェントサービスです。

運営会社はリクルートで利用学生数も国内最大級を誇っています。理系学生が減少している中でも多くの学生に出会えるというメリットがあります。

URL:https://job.rikunabi.com/agent/
運営会社:株式会社リクルート

マイナビ新卒紹介

マイナビ新卒紹介は、マイナビが運営する新卒学生向けの就職エージェントサービスです。

キャリアアドバイザーが学生の経験や学校で学んでいることや就活の方向性を個別にヒアリングして、それに合致する企業を紹介する仕組みが整っています。したがって、企業としても対象を絞ったアプローチがしやすくなるでしょう。

URL:https://shinsotsu.mynavi-agent.jp/

運営会社:株式会社マイナビ

理系就職エージェントneo

理系就職エージェントneoは、完全成果報酬型の理系学生に絞った人材の紹介が可能なエージェントサービスです。

応募や面接日程の調整などのやり取りは直接学生ではなく、理系就職エージェントneoの担当者が企業とやり取りを行うため、採用担当の業務を効率化できます。

また学生の特徴や適性を事前にエージェント経由で把握できる点もメリットの一つです。

地方理系学生に特化した「ちほりけ」の関連サービスも展開されています。

URL:https://www.rikei-agent.jp/
運営会社:株式会社ネオキャリア

ダイレクトリクルーティングサービス

アカリク

アカリクは日本最大級の理系学生データベースを保有しており、理系採用に特化したプロフィール項目を参考に直接学生をスカウトできます。

またスカウトメールの開封率は75%以上、スカウトへの返信率、エントリー率も平均27%とアクティブユーザーが多いため、就活に積極的な学生に対してスカウトを送れる点がメリットです。

サービスURL:https://acaric.jp/
企業向けサイトURL:https://biz.acaric.jp/
運営会社:株式会社アカリク

LinkedIn

LinkedInはアメリカ生まれのビジネスシーンに特化しているSNSです。

全世界6億人以上の登録ユーザー数を誇り、日本国内でもユーザー数は200万人を超えています。また求職者だけではなく、企業向けの採用機能もあり、ダイレクトリクルーティングに適しています。

URL:https://www.linkedin.com/
運営会社:リンクトイン・ジャパン株式会社

Wantedly

Wantedlyは、給料や待遇などの条件ではなく、やりがいや働く環境で企業と求職者をマッチングする新しいタイプのビジネスSNSです。

オウンドメディアや採用サイトを構築するよりも、コストと時間を抑えて手軽に自社の魅力をアピールできます。

URL:https://jp.wantedly.com/
運営会社:ウォンテッドリー株式会社

リケイマッチ

リケイマッチは理系学部生に特化したオファー型(逆求人型)の就活サイトです。

就職予定の学生に対して、専攻分野や志向性を絞った上でスカウトができます。ダイレクトリクルーティングのデメリットである、採用担当者の業務負担を最小限に抑えた上で、精度の高い採用が行えます。

URL:https://hr.rikeimatch.jp/
運営会社:株式会社カンビア

dodaキャンパス

dodaキャンパスは転職エージェントでも有名なdodaが運営する逆求人・オファー型就活支援サイトです。

大学1年生から4年生まで登録学生数は35万人を超えており、幅広い学生データベースを保有する国内最大規模の新卒採用向けダイレクトリクルーティングサービスです。

サービスを通じて企業から学生に直接オファーを送ることができるため、自社のターゲットに合った候補者にアプローチできます。

URL:https://campus.doda.jp/
運営会社:株式会社ベネッセi-キャリア

オファーボックス

オファーボックスは、気になる学生に直接オファーを送ることができる新卒採用のためのダイレクトリクルーティングサービスです。

豊富な学生数と適性検査を取り入れた学生検索の仕組みで、登録学生の中から自社にあった学生を検索し、「会いたい学生」に直接アプローチが可能です。

URL:https://offerbox.jp/
運営会社:株式会社i-plug

キミスカ

キミスカは、学生に直接スカウトメールを送れる逆求人型の就活サイトです。

学生の検索項目は、よくある大学や自己PR、部活などの基本情報だけではなく、希望の業種・職種・勤務地・社風、適性検査の結果で適正のある職種や、開発経験、プログラミング使用言語などがあり、自社で採用したい学生を確実に見つけられます。

URL:https://kimisuka.com/
運営会社:株式会社グローアップ

Green

GreenはIT・Web業界の転職サポートに特化した成果報酬型の転職サイトです。

新卒採用向けのサービスではありませんが、検索需要が高く利用ユーザーは87万人を超えており、理系出身の第二新卒の学生採用で活用できます。

URL:https://www.green-japan.com/
運営会社:株式会社アトラエ

採用イベント

アカリク

アカリクでは大学院生、ポスドクの就活生を対象としたイベントやセミナーを年間100回以上開催しており、就活に積極的な多くの理系学生が参加しています。

そのため、優秀な理系学生に直接出会う機会を増やして採用を進めることができます。

アカリクイベントの詳細資料はこちら

URL:https://biz.acaric.jp/
運営会社:株式会社アカリク

Premium Startup Seminar

Premium Startup Seminarは、理系学生に特化した「理系就職エージェントneo」が主催するオンライン・オフラインイベントです。

オフラインイベントでは地方の大学生に最大5万円の交通費が支援され、地方理系学生の参加率も高いイベントです。

今まで学生の自主性や採用担当者のフットワークに依存していた地方理系学生の採用も、効率的におこなうことが可能です。

URL:https://www.neo-career.co.jp/premium_startup_seminar
運営会社:株式会社ネオキャリア

サイシード

サイシードは、研究室内や大学内媒体、イベント、独自の会員学生サイトを活用した理系採用のマーケティング支援を展開しています。

旧帝大や地方国立大学などの上位校学生にアプローチがしたいという企業におすすめのサービスです。

URL:https://sciseed.jp/
運営会社:株式会社サイシード

まとめ:複数のチャネルを組み合わせて優秀な理系人材を確保しよう

面接風景

理系学生が減少している現代において、優秀な理系学生を採用するには一つのプラットフォームに頼らずに、目的別に複数のチャネルを組み合わせてアプローチすることが大切です。

企業の認知度を高めるフェーズ、企業の魅力をアピールするフェーズ、優秀な学生に直接アプローチをするフェーズなど、自社がどのフェーズが弱いかを理解した上で、目的にあったアプローチをすると、優秀な理系学生との接点を増やせるようになるでしょう。

また、理系学生の行動フローや思考パターンを理解し、先回りして導線を確保しておくことも複数の手法でアプローチをするメリットです。