- 採用オウンドメディアとは何だろうか?
- 実施することで、何のメリットがあるのだろう?
- 成功事例を参照したい
- どうすれば、採用オウンドメディアは成功するのか?
上記のように考えている担当者は多いのではないでしょうか?採用オウンドメディアは人材市場が縮小する中、数少ない打開策の一つとして知られています。
そこで本記事では以下について解説します。
- 採用オウンドメディアの基礎知識
- 過去の成功事例
- 採用オウンドメディア運営のメリット・デメリット
- 運営を成功させる方法
本記事を読めば採用オウンドメディアに関する基本的な知識が得られるはずです。
目次
採用オウンドメディアとは
まず採用オウンドメディアの基礎知識を理解しましょう。ここでは以下4つのポイントを解説します。
- 採用オウンドメディアとは=将来的な人材を採用するためのサイト
- 求人サイトとの違い
- 採用手法として注目される3つの理由
- メディア内で配置すべきコンテンツ
これを理解すれば、自社でも運営の方向性を見定められます。
採用オウンドメディアとは=将来的な人材を採用するためのサイト
採用オウンドメディアは将来的な人材を採用するためのサイトです。
そもそもユーザーに対してソリューションを提供するホームページは、オウンドメディアと呼ばれます。つまり将来的人材に対する情報発信をおこなうのが採用オウンドメディアです。
最近では少子高齢化などの影響で、人材確保が難しくなりつつあります。すでにこの問題の深刻さを肌で感じている人も多いはず。
そんな中、採用オウンドメディアが新しい人材確保戦略として注目されています。
従来、人材募集では就活サイトやハローワークなどが利用されていました。また自社サイトの採用情報でも募集をかけるケースもあります。
しかしこれらの媒体では、掲載できる情報に相当な限りがありました。
そこで注目されたのが採用オウンドメディア。採用のためだけにデザイン・企画された、人材確保専用のホームページです。
ここで採用対象者に響くコンテンツやソリューションを公開することで、自社の魅力をアピール。
また業務内容や企業理念などを発信することで、採用後のミスマッチを減らすことも可能です。
求人サイトとの違いは認知度向上・魅力アピールがあるかどうか
採用オウンドメディアと求人サイトの違いは、「認知度向上や魅力のアピールが目的に含まれているか否か」です。
求人サイトはあくまでも選考参加を募るもので、要項以外に多くの情報は掲載されません。
一方で採用オウンドメディアでは求人情報はもちろんのこと、認知度向上や魅力アピールのためにありとあらゆるコンテンツが投下されます。
この点が求人サイトとの大きな違いです。
メディア内で配置すべき3つのコンテンツ
メディア内で配置すべきコンテンツは4つあります。
- 社内の様子
- 業務内容
- 企業そのもののビジョン
- 親近感を持たせる内容
基本的な方針は社内の様子や考えを共有すること。これでミスマッチを防ぎ、逆に共鳴してくれる人材の興味を惹きつけます。
そしてモチベーションアップと心理的ハードルを下げるため、親近感が持てるようなコンテンツも必要です。例えば社内インタビューや志望者向けメッセージの動画がこれに該当します。
SNSもオウンドメディアになりうる
オウンドメディアというとWebサイトを連想しがちです。しかしSNSも採用オウンドメディアの一種類。
TwitterやFacebookを運用して採用活動に活かしているケースも少なくありません。業種や職種によっては、InstagramやTikTokなどのライトなSNSが利用されるケースもあります。
SNSは拡散性が高く、一度波に乗ったら加速度的に露出が増えていくのが特徴です。
採用オウンドメディアでは、まずユーザーや転職志望者に発見されることが重要。その点を踏まえれば、SNSで多くの露出機会を得られるのは大きなメリットです。
ただし注意したいのはSNS運用では炎上リスクと向き合う必要があること。モラルや道徳に反した投稿が拡散されると、不特定多数のユーザーから苛烈な批判を受ける場合があります。
また少なからず「炎上を楽しむ」「企業の炎上を発信して何らかの利益を得ようとする」ユーザーも存在するため、警戒が必要な媒体です。
採用オウンドメディアとしてSNSを活用するなら、炎上に発展しないように注意しなければいけません。
採用手法として注目される4つの理由
採用オウンドメディアが手法として注目されるには、大きく分けて4つの理由があります。
- 情報収集の在り方の変化
- 仕事に対する考え方の多様化
- リアルタイム性のある情報発信
- 潜在層へのアプローチの必要性
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
情報収集の在り方の変化
情報収集のあり方の変化は採用オウンドメディアの必要性を高めました。かつては就活サイトやハローワークなどのいわゆる求人サイトが情報の収集先。
しかし最近では企業のWebサイトまで確認されることが多く、その対応窓口として採用オウンドメディアが求められています。
ここで自社について発信するコンテンツがあるかどうか、あるいは良質か否かは、閲覧者のモチベーションを大きく左右します。
興味を持っている相手に適切な情報を届けられるため、採用オウンドメディアが重要視されるようになりました。
仕事に対する考え方の多様化
仕事に対する考え方の多様化も採用オウンドメディアが注目される理由のひとつ。
働き方改革や就職しない選択肢(フリーランス)、終身雇用の崩壊により、単一の企業で勤め上げる価値観は過去のものとなりました。
さらにフレックスタイムやリモートワークなどの働き方も広がっています。
つまり仕事に対する考え方が多様化しており、企業もそこに合わせる必要が出てきました。実際にそれが実際されていることを発信するうえで、採用オウンドメディアが注目されています。
リアルタイム性のある情報発信
リアルタイム性のある情報発信ができるのも、採用オウンドメディアが注目される理由。
採用活動では、時期や選考フローのステップなどで発信したい情報は異なるものです。
採用オウンドメディアがあれば「今、このメッセージを届けたい」というタイミングでコンテンツを発信できます。
潜在層へのアプローチの必要性
現代では人材難によって潜在層へのアプローチも求められるようになりました。採用オウンドメディアがあれば、さほど転職に熱意がないユーザーにも情報を届けられます。
そこから新しい転職ニーズが生まれることもあり、採用オウンドメディアは注目されるようになりました。
採用オウンドメディアにおける成功事例7選
採用オウンドメディアについてはすでに数々の成功事例があります。本記事では7つ紹介しますので、それぞれをご参考にしてください。
- 株式会社ディー・エヌ・エー
- 株式会社サイボウズ|採用オウンドメディアにおける典型的成功例
- 株式会社クラシコム
- 株式会社マネーフォワード
- 株式会社サイボウズ
- 株式会社ナイル
- 株式会社ベイジ
株式会社ディー・エヌ・エー|言葉遊びに満ちた楽しいメディア
株式会社ディー・エヌ・エーでは、採用オウンドメディアとして「フルスイング」を運営。同社が保有するプロ野球球団横浜DeNAベイスターズにちなんだ、言葉遊びが豊富なメディアです。
既存のエンジニアやマネージャーを一人ひとり取り上げ、実際の業務やビジョンについて共有。ディー・エヌ・エーに入社したらどのように働けるのか知ることが可能。
フルスイングでは高品質なコンテンツ発信の成果が現れており、同メディアの入社者における認知率は驚異の100%を記録していました。
参考文献:入社者の認知率100%を達成! DeNA採用オウンドメディア担当者が明かした、意外なアナログPR施策とは?
株式会社共立メンテナンス|ドーミーインの魅力をアピール
出典:株式会社共立メンテナンス
近年、ハイレベルなサービスと施設で人気を集めているホテル・ドーミイン。同社は「ドーミーインこぼれ話」にて、継続的に魅力を発信しています。
最新のサービス・施設情報は顧客向けのものですが、「社員のひとりごと」というのが外部向けの日報・日記のようなコンテンツに。これにより就職希望者はより強い愛着を持てるようになっています。
また「特派員レポ」といったコンテンツで、実際の働き方を細かくレポートするようなコンテンツも。
参考文献:ドーミーインこぼれ話
株式会社クラシコム|「北欧、暮らしの道具店」による大成功
出典:株式会社クラシコム
コンテンツマーケティングの成功例として頻繁に語られる「北欧、暮らしの道具店」。ECサイトとしてだけではなく、採用オウンドメディアでも参考にされています。
同社は「スタッフノート」として、業務内容や会社のビジョンについて発信。同社で働く意義をわかりやすく発信しています。
参考文献:KURASHICOM-JOURNAL
株式会社マネーフォワード|金融に関するトップメディアに成長
株式会社マネーフォワードは同名の金銭管理アプリなどを提供する企業。
採用オウンドメディアではビジネス向けSNSのWanteldyを活用。同SNSで搭載されているコラム投稿やコミュニティなどの機能を使い、情報発信しています。
Wantedlyでは企業ごとをフォローできる仕組みが用意されており、同社はフォロワー数をKPIとして追いかけたとのこと。
採用オウンドメディア専任の人員を配置して、頻繁にページを更新。その努力と成果が認められ、2019年にはもっともWantedlyをハイレベルに活用した企業として表彰も受けています。
参考文献:マネーフォワードが語る採用広報の本質と体制の作り方【Event Report】
株式会社ナイル|親しみやすい雰囲気で社風をアピール
出典:株式会社ナイル
株式会社ナイルは、デジタルマーケティングサービスを提供する企業。
同社は「ナイルのかだん」という採用オウンドメディアを運営。組織としての動き方や個人レベルの勤務内容について発信しています。
特に理念や社是について発信する「カルチャー」というカテゴリが魅力的です。同社に入社した場合、社員がどのように扱われるのかよく理解できます。
参考文献:採用オウンドメディア:ナイルのかだんを運営!企画/編集担当の編集者を募集!
株式会社ベイジ|日報形式で社員一人ひとりの目線でコンテンツを発信
出典:株式会社ベイジ
株式会社ベイジは、「ベイジの日報」として採用オウンドメディアを運営。
社員一人ひとりがどのような気持ちで業務に臨んでいるのか発信しています。またWebデザインやディレクションに関する所見なども述べられており、ベイジの考え方やこだわりが感じられるのもポイントです。
社員一人ひとりにドット絵の顔画像が割り当てられ、キャッチーな印象が演出されているのも魅力的。
参考文献:OWNED MEDIA LIBRARY
採用オウンドメディアのメリット
採用オウンドメディアを実施するメリットは数知れませんが、中でも以下6点は実に魅力的です。
- 潜在的な求職者層にアピールできる
- ミスマッチと早期退職を予防できる
- 認知度を向上させられる
- 採用力を高められる
- コンテンツが資産化する
- 採用ブランディンの一環になりうる
具体的にどのようなメリットなのか解説するのでご参考にしてください。
潜在的な求職者層にアピールできる
採用オウンドメディアにおける代表的なメリットとして潜在的な求職者層にアピールできる点が挙げられます。
従来の手法、つまり求人サイトやハローワークではそもそも仕事を探している層にしかアプローチできませんでした。つまり就職・転職するために何らかのサービスに登録する程度にはモチベーションがある人物だけが対象です。
しかし採用オウンドメディアはアクションを起こさないまでも、就職・転職を念頭に置いている層へアプローチできます。なぜなら、Webサイトを検索するのは明らかなモチベーションがなくてもおこなわれるからです。
あるいは情報発信により今までにはなかった意欲をかきたてることも可能です。そうすることでマッチしうる人材を、潜在層から顕在層へと引き上げられます。
ミスマッチと早期退職を予防できる
ミスマッチと早期退職を予防できるのもメリットです。
採用オウンドメディアを通して自社の情報やビジョンを発信すれば、閲覧者も企業について判断できます。
それを踏まえたうえで選考に参加するため、入社後のギャップも感じづらくなります。つまりミスマッチを減らし早期退職を予防できることが可能です。
早期退職による採用コストの無駄遣いは、多くの企業にとって大きな課題。しかし既存の方法では、早期の退職率が改善できないと感じている部分も多いのではないでしょうか?
採用オウンドメディアを運用すれば、この問題の一部を解決できる可能性があります。
ただしミスマッチが減らせるのは、あくまでも発信しているコンテンツが事実ベースであった場合です。ブラッシュアップして伝えるのは大切ですが、それも行き過ぎると入社後のギャップの原因になるため注意してください。
認知度を向上させられる
採用オウンドメディアがあれば認知度を向上させられます。純粋にPV数やユニークユーザーが増えて、自社名とその事業内容を周知することが可能です。
ただし認知度を高めるには、採用オウンドメディアの記事やコンテンツをGoogle検索結果で上位に表示する、つまりSEO対策が必要です。
下位表示で埋もれてしまっては認知度向上はあまり期待できません。また上位表示できないコンテンツを発信しているのであれば品質が低いことが示唆されます。
そうなると採用オウンドメディア自体が、自社を悪い意味で対外認知させるかもしれません。適切な順位で露出し、好ましい形で人々に自社を知らしめることが大切です。
採用力を高められる
採用オウンドメディアを活用すれば、自社における採用力を高められます。
メディア運用にて、担当者と人事部、そして自社は採用に関するさまざまな課題と向き合うはずです。例えば「自信を持って配信したコンテンツが、まったく読まれない」「応募数に反映されない」といった試練に直面します。
これ自体は、採用オウンドメディアの運営の成功とは言えないかもしれません。しかしこういった場面にぶつかるたび、「何が求められているか」「何を伝えれば、応募へつながるのか」といった問いに対してヒントを得られます。
これを繰り返すことで、採用オウンドメディアの運営のみならず、自社には採用に関連するナレッジが蓄積されます。十分な回数で試行されれば、最終的には企業全体の採用力の底上げへとつながるはずです。
コンテンツが資産化する
採用オウンドメディアを運用すればコンテンツが資産になります。これはメディア形式での活動ならではの利点です。
採用オウンドメディアで公開したコンテンツは、SEO上高く評価されれば上位表示され、長きにわたって自社をアピールします。
またGoogleAdSenseなどで広告を表示すれば収益化も可能。商品購入サイトへのリンクがあれば、アフィリエイト収益を産み続ける装置となります。
つまり採用オウンドメディアがコンテンツマーケティングの一端を担うようになるかもしれません。
こうなると単なる人材確保施策の域を出て、採用オウンドメディアそのものが企業にとっての資産となります。
採用オウンドメディアを運用する際はコンテンツの資産化まで視野に入れて行きたいところ。
採用ブランディングの一環になりうる
採用オウンドメディアを利用すれば、いわゆる採用ブランディングが実施できます。
これは求職者や新卒者に対して、企業をより魅力的な就職先としてアピールするための手法です。
オウンドメディアでの発信内容が優れていれば、閲覧者は「魅力のある企業だ」と判断されます。入社や選考フローの参加には至らなくても、何らかのブランドを感じることがあるはずです。
もちろん転職を考えていない一般的な閲覧者が、オウンドメディアからポジティブな印象を受けとることもあります。
採用ブランディングが成功すればより多くの希望者を集められます。つまり優秀な人材を確保しやすくなり、上記したようにそして早期退職を予防することも可能。
そうすることで業績と従業員の満足度には好影響が与えられます。そうすると社員も働き続けることに誇りを持てるようになるでしょう。
採用オウンドメディアのデメリット
一方で採用オウンドメディアもよいことばかりではありません。以下のようなデメリットもあります。
- 短期間でコストは回収できない
- Webサイト運営・マーケティングのノウハウが求められる
- 上位表示させる必要がある
- 炎上した場合のリスクが大きい
いずれも運用するうえで知っておくべきデメリットです。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
短期間でコストは回収できない
採用オウンドメディアのデメリットとして、短期間でコストを回収できない点が挙げられます。
認知度が高まったり、自社の魅力が伝わったりするには相当な時間がかかるもの。場合によっては1年、2年とかかるかもしれません。
歩留まりや定着率といった数値が改善するまで、という見方ならそれ以上かかるケースもあります。
採用オウンドメディアは、運用し始めてすぐにコストを回収できるものではありません。
また短期間で回収するモデルでないからこそ、将来的には確実にリターンが見込まれると計画立てることも大切です。
Webサイト運営・マーケティングのノウハウが求められる
採用オウンドメディアでは、Webサイト運営、マーケティングのノウハウが求められます。最低でもWebサイトを運用して適切なコンテンツを定期的に更新しなければいけません。
マーケティングのノウハウも求められます。求職者が何を望んでいて、採用オウンドメディアからどのような内容を発すればいいのか判断しなければいけません。
ただしWebサイト運営やマーケティング調査は外注する手段もあるので、この問題はまだ解決しやすい部類です。
上位表示させる必要がある
採用オウンドメディアでは、記事やコンテンツがGoogleの検索結果にて上位表示される必要があります。そのためにはSEO対策を実施してユーザーニーズにフィットしたコンテンツを提供しなければいけません。
また、パワーの高いドメインを確保したり、コーディングやプログラミングを実施したりと、とにかく大量のタスクがあります。
SEO対策を実施するにはコストとリソースがかかるもの。いかにして効率よくコンテンツを発信していくか、課題として向き合わなければいけません。
SNSの場合はいかにしてフォロワーやインプレッションを集めるかという課題に置き換わります。TwitterでもFacebookでも、Instagramでもほぼ同様です。
ここはSNS運用を外注する、もしくはコンサルタントを起用するなどの工夫が求められます。もちろん自社でもナレッジやノウハウに自信があるならば、内製化してもかまいません。
炎上リスクがある
採用オウンドメディアで懸念されるリスクとして炎上が挙げられます。
つまり、SNSなどで企業としての落ち度を多くのユーザーから指摘されて悪い意味で目立ってしまうことを意味します。
例えばWebサイトで誤った、あるいは差別的な情報を発信して、それがSNSなどで拡散されるケースなどが考えられます。SNSを採用オウンドメディアとして利用しているならより注意が必要です。
他者を誹謗中傷したり、センシティブだったりする発信は社会的に認められないのはもちろん分かりきったこと。やっかいなのは炎上しそうにない内容でも非難の的になりうる点です。
一例として女性用タイツ・ストッキングの販促による炎上マターがあります。ハッシュタグ付きで着用している写真をアップすればリターンがあるという内容でした。
しかしその投稿内容(ストッキングの着用の様子)が「センシティブで不適切だ」と判断されて炎上し、企業が謝罪文を掲載するまでに至りました。
一見問題ない内容でも、いくつかの要素が結びついた結果、炎上にまで発展するリスクに注意してください。
採用オウンドメディアを成功させるための運用方法・ポイント
採用オウンドメディアを実施する場合は、以下5つのポイントを理解する必要があります。
- 社内の情報を可能な限りオープンにする
- 定期的に更新されるメディアとして運営する
- SEO対策・SNSマーケティングを怠らない
- 成功事例を参照にする
- 感情をゆさぶるのがポイント
もちろん、他にも実践すべきポイントはあります。しかし、いきなりすべてを実施するのは現実的ではありません。
まずは特に重要な5点を中心に考えるのがおすすめです。
社内の情報を可能な限りオープンにする
採用オウンドメディアを成功させるには社内の情報を可能な限りオープンにするのが重要です。
求職者にマッチしているポイントを提示、安心して働ける環境であることをアピールできます。
マーケティングやリサーチに基づいて、より魅力的な情報を届けるべきです。もちろん内容は多少ブラッシュアップして伝えてもかまいませんが、事実ベースである必要はあります。
また社外に出してはいけない情報を漏洩させないように、「社外秘か否か」の線引きも決めておかなければなりません。
定期的に更新されるメディアとして運営する
採用オウンドメディアを運用するうえでは定期的にコンテンツを更新しなければいけません。
放置されているメディアは求職者はおろか一般のユーザーからも注目されないでしょう。また定期的に更新しなければ、Google検索結果における表示順位も冷遇されます。SNSもおおむね同様です。
更新がなければフォロワーが減少し、企業としてのイメージも悪化します。採用オウンドメディアとしての対外的価値を担保するには、より有益な情報が届くように定期的に更新されるメディアとして運用するのが重要です。
適切な人員の確保・アサインとスケジューリングでこの課題をクリアしなければいけません。
SEO対策・SNSマーケティングを怠らない
採用オウンドメディアの運用ではSEO対策やSNSマーケティングを怠ってはいけません。
Webサイトであれば視認性やデザイン性を意識して、より多くのユーザーが集まるようにする必要があります。
また回遊率などの数値を用い、定量的に分析しなければいけません。それに基づいてSEO対策を実施する必要があります。
またSNSマーケティングなども組み合わせなければいけません。
採用オウンドメディアを運用するには、SEO対策・SNSマーケティングなどの技術・ノウハウが必要になることを知りましょう。
成功事例を参照にする
採用オウンドメディアを運用する前に、ぜひ成功事例を参照にしてください。
手法自体は一般的なもので多くの企業で試行されており、また成功例も多数あります。
手探りの状態からスタートさせるよりも、過去にうまくいった事例を踏襲することで、より確度の高い採用オウンドメディアを設計することが可能です。
もちろん他社の成果物を盗用・模倣するわけではありません。しかし、自社でも参考となるポイントが見つかるはずです。
ぜひ、採用オウンドメディアの運用前に成功事例を参照してください。
感情をゆさぶるのがポイント
採用オウンドメディアでは求職者の感情をゆさぶるのがポイントとなります。
メディアである以上情報を届けるのは当然です。しかしこれだけでは単なる読み物で終わってしまいます。
採用オウンドメディアの場合、本当に重要なのは「この企業に入りたい」「選考に参加してみよう」と思わせること。何が感情をゆさぶり、入社モチベーションへつながるのか研究しましょう。
このあたりはコピーライティングなどを得意とするライターに外注し、スキルの提供を受けるのもひとつの解決策として考えられます。
まとめ
本記事では採用オウンドメディアについて解説しました。最後に重要なポイントをおさらいておきましょう。
- 採用オウンドメディア=将来的な人材を採用するためのサイト
- 自社の魅力や業務内容などについて発信する
- 情報収集の在り方の変化や人材難が原因で採用オウンドメディアが注目されるように
- 採用オウンドメディアなら、ミスマッチを減らしたり、認知度を高めたりすることが可能
- 成果を上げるには、情報をオープンに公開したり、定期的に更新したり、さまざまな取り組みが必要
年々厳しさを増している人材採用。就活サイトなど従来的な手法は今だ健在ですが、先進的な企業は新しいやり方に次々と着手しています。
中でも採用オウンドメディアは取り組みやすく、また成功事例も多い手法です。ぜひ自社でも運営できないか検討してみてください。