- 人事部の残業過多が常態化している
- 採用業務を効率化したい
- 良い人材が採用できない
このような悩みは多くの企業で見られます。
採用は企業に大きな影響を与える業務なので、効率よくそして的確にこなすことが必要です。
本記事では、採用業務の内容と必要なスキル、そして効率化の方法について紹介します。
採用に力を入れたい経営者の方や現場の採用担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
採用業務とは?
採用業務とは、人材を獲得するために必要な一連の業務を指します。
採用活動は会社が発展するのに欠かせない活動です。
例えば、採用業務を普段から怠っていると、いざ欠員が出た時にすぐ対処できません。
また、企業は決められた予算内で、質も量も担保した人材を定期的に採用する必要があるため、採用業務は効率的に実施する必要があります。
採用業務のフロー
ここでは、具体的な採用業務のフローを紹介します。
①採用計画立案
採用計画立案では、採用時期や採用人数、採用人材の雇用形態を決めていきます。
この時、人材のミスマッチが起きないよう現場や経営層にもヒアリングしながら決めるのがコツです。
また、近年の採用市場の動向も考慮に入れましょう。
例えば自社に有利な採用市場になることが予想される場合、ここぞとばかりに予算を上げて採用しにいく動きもできます。
②募集活動
求人を媒体に掲載したり、就職活動イベントに参加したりして応募者を募集します。
近年は募集活動が多様化しており、ダイレクトリクルーティングや自社サイト、SNSを使用した募集活動も多く見られます。
募集要項を書く際は、表現方法に気を付けましょう。
例えば、「男性限定」や「20代募集」のように性別や年齢を限定することは、法律で原則として禁止されています。
NGワードを使ってしまうと、それだけでも求職者からの印象は非常に悪くなります。
③応募者の選考、面接
応募してきた人の選考を実施します。
選考は自社に合わせて試験を実施するかどうか、グループ面接か個人面接か、面接の回数などを決めましょう。
人柄重視で採用するのであれば、面接回数を多めに設定するという選択も悪くありません。
なるべく応募者の都合に合わせて面接の日程を決めると、応募者からの印象が良くなります。
④内定出し、入社までのフォロー
採用したいと思った人材に内定を出します。
内定は最終面接後、できるだけ早く内定理由や承諾書の提出期日なども丁寧に伝えましょう。
また、内定を出したからと言って安心はできません。
特に売り手市場のITエンジニアの内定者は他の企業からも内定をもらっているケースが多く、油断しているとすぐに辞退されます。
内定を辞退されないように、入社までのフォローも欠かせないことが重要です。
⑤入社手続き
決められた入社予定日に内定者の入社手続きを実施します。
入社予定日には内定者に来社してもらうのが基本でしたが、近年テレワークが進んでいることもありオンラインで手続きが実施されることも増えています。
労働条件通知書を元に労働条件の説明や、手当の説明など待遇に関する説明を丁寧に実施しましょう。
その他社会保険や税金、健康診断など話す内容は多いため、漏れのないようチェックシートを用意する等、対策が必要です。
採用業務に必要なスキル
採用業務の遂行に必要な具体的なスキルをここでは説明します。
法令の知識
採用活動には、労働・雇用に関する法令の知識が必要です。
それらの知識もなく採用活動をしていると、知らない内に違法行為に会社が手を染めてしまいます。
例えば、1か月あたりの残業時間の上限は45時間までと法律で決まっていますが、知らずに固定残業代60時間で募集しては違法とされる可能性が高いですよね。
また、応募者のレベルを理解するために、募集している職種によっては専門知識も必要になります。
質問力・論理的思考力
採用活動の内、主に選考を実施する際に質問力が問われます。
応募者がどういう人物なのか知るためにも、本音を的確に聞き出す必要がありますよね。
また、聞き出した内容から、自社の欲している人材にマッチしているか判断するための論理的思考力も求められます。
現場へどんな人材が欲しいかヒアリングする際にも、質問力は重要になってきます。
コミュニケーション能力
採用業務遂行者は人と会うことが比較的多い職種なので、コミュニケーション能力は欠かせません。
応募者とのやり取りだけでも、会社説明での質問に対する回答、面接、さらには内定後のフォローなど、多くのコミュニケーションが必要になります。
加えて、求人広告会社や人材紹介会社ともうまく連携して採用活動を進める必要があるため、社外のコミュニケーションも頻繁に発生します。
効率的な採用活動を進めるために、他の職業と比べても比較的高度なコミュニケーション力が必要と言えるでしょう。
調整力
採用活動では多くの調整事が発生します。
応募者はもちろんですが、社内の経営陣やリクルーターに面接官、新卒採用の場合は学校、外部に委託した業務がある場合は外注先など、関係者が多くなる傾向にあります。
調整にミスが発生すると、採用活動の手戻りが発生し非常に非効率です。
情報感度の高さ
情報感度の高さも採用担当者には求められます。
採用市場や採用関連のサービスは日々アップデートされており、常に情報を追って最適な採用戦略を練る必要があります。
例えば、2016年頃からはAIなどを活用した人材マッチングサービスが登場していますよね。
昔の常識は今の非常識、採用担当者には常に新しい情報を触れることが求められています。
採用業務の遂行における課題
ここでは、一般的に採用現場で見られる採用活動に対する課題を紹介します。
コストが掛かりすぎている
採用コストが高いという課題を抱えている企業も少なくありません。
特に製造業では費用をかけても人が集まらず、人材派遣会社や業務請負会社を通じて人を集めていることでコストが上がっています。
また、採用活動は近年さまざまな手法が出てきており、全てしようとすると費用は高くなります。
そこで、自社に合った採用手法をピックアップしていくことが重要です。
参考:採用コストどう下げる?採用コストの管理から削減方法まで解説
採用担当者の長時間労働が常態化している
採用担当者の長時間労働が常態化していませんか。
採用担当者はさまざまな調整をしながら業務するため、意図せず長時間労働になりやすい職種です。
そのまま放置すると残業による苦痛から採用担当者が辞めてしまい、残された人事部の人間に業務の負担がさらにのしかかります。
場合によっては労働基準法違反にもなるので、早急な対策が求められます。
繁忙期に対応できない
普段は問題ないけれども、繁忙期になると途端に業務が回らなくなるという現場もあります。
採用活動には繁忙期と閑散期があるため、通常人員に加えて短期間の人員確保が必須である職種です。
繁忙期は外注を利用することや、繁忙期に短期間だけ働いてくれる人材を確保できる状況を、普段から整えておく必要があります。
採用業務を効率化させる方法
ここでは、採用業務を効率化させる方法について説明します。
採用フローや計画の見直し
思うように効率よく採用業務が進まないという場合、まずは採用フローを見直しましょう。
フローを見直して、採用業務のうちどこに課題があるのかをピックアップします。
例えば、応募数は比較的多いのに内定に至るまでの人数が少ない場合、面接時の取りこぼしや応募者の質を担保できていないことが考えられます。
思いつきで対策を打って改善できるものでもないので、課題を見つける所から始めてみましょう。
面接担当者との連携を図る
採用活動では、社内での情報共有もスムーズにすることが求められます。
特に人事部以外の人が面接を担当する場合、他部署の方との連携も重要になります。
例えば、面接担当者が他の業務に追われていて、面接で得た求職者の情報が素早く上がってこないということがありませんか。
予め面接評価シートを作っておくなど、自動的に面接のフィードバックが共有されるような仕組みづくりが大切です。
継続的に組織の情報を発信する
自社の情報を継続的に発信し続けることで、採用業務の手間が大きく減る場合があります。
なぜなら、発信した情報を見て応募者が自発的に面接への応募へ来てくれるようになるからです。
また、発信した情報から応募してきた方は、自社が求める人材をある程度理解した上で面接に臨む傾向にあるので、応募者の質も担保されます。
長期的な目線が必要にはなりますが、繁忙期以外の時期など余裕がある時に情報を発信しておくと良いでしょう。
採用管理システムの導入
まだ採用管理システムを導入していない場合は、導入を検討しましょう。
採用管理システムの導入でコミュニケーションの自動化が進めば、採用担当者の負担が大幅減となります。
加えて、面接後の面接者へのレスポンスを自動化させることで、連絡漏れなどのヒューマンエラーの防止も期待できるでしょう。
採用管理システムを導入している企業はここ数年増え続けており、重要性が社会に認知されてきています。
参考:株式会社リクルートジョブリサーチセンター「ジョブズコミュニティーレポート 2021年7月号 採用管理システムの導入が進む 2018年より約6pt増加」(2021年7月発行)
採用代行の活用
採用代行とは、企業の採用活動で必要となる母集団形成に関する業務から採用設計、選考業務などを代わりにしてくれるサービスです。
利用することで、人事担当者の負担が大幅に軽減される他、採用のプロである代行業者のナレッジやノウハウを利用できます。
安くはありませんが、明らかに社内のリソースが足りていない場合は、利用することで採用の精度が大きく上がるでしょう。
採用業務に役立つおすすめのサービス
先ほども説明しましたが、採用業務で役立つサービスには大きく分けて以下の二つがあります。
- 採用代行サービス
- 採用管理システム
ここでは、おすすめの採用代行サービスと採用管理システムを紹介します。
採用代行サービス
おすすめの採用代行は以下の3つです。
- 株式会社アカリク
- 株式会社キャリアマート
- 株式会社学情
順に紹介します。
株式会社アカリク
アカリクは、理系学生や理系院生に特化した採用サービスを提供しています。代行サービスとして、スカウト代行、メール配信代行、DM送付代行のほか、エージェントによる面談日程調整などの代行を実施。
累計登録者数が15万人以上で、国内最大の理系・院生データベースを保有しています。
登録者の中でもMARCH・国公立以上の理系学生が全体の85%以上と、優秀な学生ばかりです。
また、機電情や生物農学系など幅広い専門知識を有した理系学生と出会えるので、母数が少ないポジションを取りたい企業でも安心です。
母集団強化から工数削減、歩留まり改善、採用ブランディングまで、幅広く理系採用をトータルサポートします。
理系学生の採用に注力したい企業は、ぜひ利用を検討しましょう。
サービスサイトURL:https://acaric.jp/
企業向けサイトURL:https://biz.acaric.jp/
運営会社:株式会社アカリク
株式会社キャリアマート
株式会社キャリアマートは、採用アウトソーシング(RPO)を主軸に新卒・中途採用に関する様々な採用支援サービスを提供しています。
採用業界No.1のリピート率と、高い評価も得ています。
総合的なサービスをご希望の組織におすすめです。
企業向けサイトURL:https://www.careermart.co.jp/
運営会社:株式会社キャリアマート
株式会社学情
株式会社学情は、「あさがくナビ就活エージェント」「Re就活エージェント」という求職者との日程調整や合否連絡などの採用業務の一部を代行しています。
採用が決定するまでサービス利用費用は0円なので、リスクを回避した採用活動を展開できます。
対象は新卒者と20代が中心で、若手の採用を目指す企業におすすめです。
サービスサイトURL:https://service.gakujo.ne.jp/newgraduate/agent
企業向けサイトURL:https://service.gakujo.ne.jp/
運営会社:株式会社学情
採用管理システム
おすすめの採用代行は以下の3つです。
- ジョブカン採用管理
- HRMOS(ハーモス)採用
- 採用管理システムsonar ATS
順に紹介します。
ジョブカン採用管理
ジョブカン採用管理では、募獲獲得から採用決定までの業務を一元管理できます。
料金も月額8,500円からと比較的リーズナブルに利用でき、無料お試しプランも用意されています。
求人媒体との自動連携設定を利用すれば、候補者の情報が自動でジョブカン採用管理に登録されるため、工数削減につながるでしょう。
シリーズ累計の導入実績が150,000社以上と、今選ばれている採用管理システムです。
企業向けサイトURL:https://ats.jobcan.ne.jp/
運営会社:株式会社 DONUTS
HRMOS(ハーモス)採用
ハーモスの採用管理なら、選考管理から求人の管理まで実施できます。
また採用状況のレポートが見やすくまとめられるので、ある程度採用活動が進むと採用課題が分かります。
課題が分かれば適切な改善戦略を採れるので、PDCAを回して採用活動を行いたい企業におすすめです。
企業向けサイトURL:https://hrmos.co/
運営会社:株式会社ビズリーチ
採用管理システムsonar ATS
採用管理システムsonar ATSは、採用に必要な機能が全て揃ったツールです。
工数が取られがちな事務作業が自動化され、採用担当者の負担が下がり重要な業務に集中できます。
導入実績も豊富で、2022年時点で1,000社を超えました。
中小企業から大手企業まで、幅広い企業におすすめできます。
企業向けサイトURL:https://sonar-ats.jp/
運営会社: Thinkings株式会社
まとめ:採用業務を更に効率化させよう!
今回の記事の内容を以下にまとめました。
- 採用業務は企業が発展するのに欠かせない業務
- 採用業務の効率化は会社の利益向上につながる
- 採用業務における課題の放置は厳禁
- まずは採用フローの見直しを実施すべき
- 自社の状況に応じて採用管理ツールや採用代行サービスを利用すべき
採用は会社の将来を左右する重要な業務です。
しかし、正解が見えにくい側面もあるため、なかなか改善への重い腰が上がらず放置してしまうことも少なくありません。
すぐに改善できる業務でもないので、まずは採用のフローを見直してどこに課題があるのかを考えてみましょう。
課題が見えてくれば、適切な戦略も見えてきます。
必要であれば採用管理ツールや採用代行サービスも利用して、採用業務をさらに効率化していきましょう。