- インターンシップを成功させたいが、うまく行かない
- 他社がどのような形で実施しているか知りたい
上記のように感じている担当者は多いのではないでしょうか?
近年、卒業を控える大学生のうち8割以上が参加するインターンシップ。うまく開催できれば、ミスマッチは避けつつ優秀な人材を安定して獲得することが可能です。本記事では以下について解説します。
- インターンシップの成功事例
- 近年におけるインターンシップの実情
- 成功事例から学ぶ開催のステップ
目次
特別に大きな成果を挙げたインターンシップの成功事例3選
まずはインターンシップにおける強力な成功事例を3つ紹介します。
- RPAホールディングス株式会社
- ウェブスターマーケティング株式会社
- 株式会社丸八テント商店
まずは他社がどのように開催し、成功しているのか確認しておきましょう。
100名以上のインターン生を受け入れる|RPAホールディングス株式会社
(出典:RPAホールディングス株式会社)
株式会社RPAホールディングスはいわゆるRPA業界の大手とされる企業です。同社は「常にインターン生がいる」というほど、インターンシップに積極的な姿勢で知られています。
同社は「学生に業務に携わる機会を持って欲しい」、「社員の活躍に注目してほしい」という動機からインターンシップを開催。
短期から長期まで、100名以上のインターン生を受け入れています。コロナ禍の時期にもリモートインターンなどをフル活用。常にインターンシップによる学生の受け入れを機能させて採用活動へ繋げています。
RPAホールディングスのように本格的な運用を続けられれば、インターンシップでは競合他社に大きな差をつけられたと評価できるでしょう。すぐにすべて再現するのは困難ですが、モデルケースとして常に参考にしたいところです。
目標月商に対して実に50倍の数字を残す|ウェブスターマーケティング株式会社
(出典:ウェブスターマーケティング株式会社)
ウェブスターマーケティング株式会社は、BtoCのメディアやサイト管理ツールを運営する企業です。
同社は自社の事業内容がインターン生と好相性であることを看破し、インターンシップを導入。SNSやスマートフォンに慣れた若い世代をインターン生として迎え入れました。
同社はインターンシップ専用のプロジェクトとして、ふたつのメディアを新規立ち上げています。すると目標月商に対して50倍以上を超える成果が得られました。さらに優秀な人材を一人採用し、最高の結果でインターンシップを終了しています。
同社は成功した要因として、”業務の効率化と細分化”と”マニュアルの製作”を挙げています。
同社が実施していたのは、実はリモートインターン。通勤にかけていた時間を業務に投じることで効率的な生産を可能としました。
またインターン生にある程度の裁量権を与えつつも、根幹となるタスクは細分化して管理。そのうえ詳細なマニュアルを提示し、インターン生が迷わないように配慮。これが先述の目標を大幅に超える月商達成と、優秀な人材の採用に繋がっています。
参考:目標月商に対して50倍以上の成果!業務の細分化とマニュアル化がリモート移行の鍵となる
中小企業におけるインターンシップ成功事例|株式会社丸八テント商店
(出典:株式会社丸八テント商会)
中小企業におけるインターンシップの成功事例として、株式会社丸八テント商会は参考となるでしょう。同社は「社員の右腕」としてインターン生を募集。社長とともに動き続けることで経営者目線を養います。これは本採用後、会社全体の利益を考えた行動や発想へと繋がっています。
そのほかSNSやブログでの情報発信や市場調査、Webマーケティングなども経験させ、多くのスキルが学べるように配慮。学生側にメリットが多く、中小企業のインターンシップとしては大きな人気を集めています。
大学1年生や留学生を受け入れているのも特徴です。早い段階で関係を作り、その後の安定した採用や業務への順応へと繋げています。
これほど本格的で熱のこもったインターンシップを完璧に再現するのは困難ですが、部分的にでも学ぶべきポイントは多々あるでしょう。
参考:【1,2年生も大歓迎!】WebマーケティングのPJリーダー大募集!「社長の右腕で成長する本気系インターンシップ!」
近年のインターンシップは活発化している
近年のインターンシップは急速に活発化しています。現在の人材市場で何が起こっているのか、どのような状態にあるのか確認しておきましょう。
- インターンシップの参加率は80%を超える
- 企業側と学生側、それぞれスケジュール
- 現状のインターンシップスケジュール
- 学生が参加する理由は業務理解
ポイントは上位3つです。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
インターンシップの参加率は80%に超える
冒頭でも述べたとおりインターンシップに参加する学生の割合は80%を超えています。2021年に実施されたマイナビの調査では大学3回生のうち83.6%がインターンシップに参加していると判明。学生と企業双方が、重要性を感じていることがわかります。
インターンシップが成功すれば、ミスマッチを防いだり、入社の確度を高めたりすることが可能。参加を希望する学生が多い中、ぜひとも積極的に開催してWin-Winの状態を作りたいところです。
現状のインターンシップスケジュール
成功事例や就活市場の現状を見るに、インターンシップはある程度のスケジュールが確立されています。基本的には以下のように踏まえておくとよいでしょう。
- 4月:対象年度の学生が3回生に進級
- 6月〜9月:夏インターンシップ
- 10月〜翌年2月:冬インターンシップ
- 3月〜5月:対象年度の学生が4回生に進学、広報解禁
- 6月〜2月:選考期間
インターンシップは、6月〜9月の夏、10月〜2月の冬に分けられます。もちろん例外はありますが、学生もこの基準で動いているので、企業側も合わせていく必要があるでしょう。
最短で3回生の6月には、インターンシップ生として学生と接触することが可能です。できるだけ早く開催し、競合他社に差をつけるのが理想だと言えるでしょう。
学生が参加する理由は業務理解
2018年度に行われたリクルートの調査によれば、学生がインターンシップに参加する最大の動機は「業務理解」。回答者のうち7割近くが、これを理由にインターンシップ生になることを選択しています。
この調査からわかるのは、企業は業務理解のチャンスをできるだけ多く提供する必要がある事実です。インターンシップはできるだけ通常業務に近づけて、学生の理解を促す必要があるでしょう。
それが達成されないと業務に対する不安などから離脱されやすくなるので注意してください。
事例から学ぶ、成功するインターンシップのデザイン4STEP
本記事ではインターンシップの成功事例や現在の状況について解説しました。最後にそれらを踏まえたうえで、成功するインターンシップのデザインについて解説します。
- ターゲットとなる人材を明確化する
- なぜ自社のインターンシップなのか理由を明らかにする
- 短期・中期・長期で考える
- プログラムを考えて実行に移す
もちろん自社の性質によって必要なインターンシップのあり方は異なるものです。ただし基本のフレームとしては上記のとおり。まずはこれを踏襲してデザインしましょう。
ターゲットとなる人材を明確化する
ひとつ目のステップはターゲットとなる人材を明確化すること。「ペルソナ」というマーケティング手法を使えば、この課題はクリアできるでしょう。ここでのペルソナとはつまり、獲得したい人材の理想像です。
どのような人材が獲得できれば自社にとって最高の結果なのか、社内で協議してみましょう。
なぜ自社のインターンシップなのか理由を明らかにする
ふたつ目のステップでは、なぜ自社のインターンシップに参加するべきなのか、理由を明らかにしましょう。
ここではペルソナがもっとも魅力を感じる企業の強みや将来性、あるいは待遇や業務内容を考えます。それに伴って、インターンシップで何を提供するべきなのか考案しましょう。
ペルソナと業務内容などが一致すれば、ミスマッチを減らしつつ、入社確度が高いインターンシップを開催することが可能です。その際、先ほど触れたとおり7割近い学生が「業務理解を求めて参加している」ことを忘れないようにしましょう。
短期・中期・長期で考える
インターンシップの期間は、以下3つで考えましょう。
- 1日〜1週間程度の短期
- 1ヶ月未満の中期
- 1ヶ月〜半年程度の長期
人材採用においてもっとも有利にはたらくのは1ヶ月から半年程度の長期開催です。多くのリソースを消費しますが、学生との信頼関係を強く構築し、優秀な人材確保へと繋げられます。
リソースが許さないなら短期・中期での開催もよいでしょう。多少効果は薄れるものの、それでもインターンシップを通して、ある程度は人材採用を有利に進めることが可能です。
プログラムを考えて実行に移す
最後にインターンシップで実施するプログラムを考えましょう。
この内容は会社や業態、そしてペルソナの持つニーズによってさまざま。自社とペルソナの状況を総合して、双方が満足できるプログラムを作り出すのが理想です。
たとえばITベンダーであれば、ソフトウェア開発を体験するような内容は望ましいでしょう。業種・業態の本質に迫り、さらには業務内容の理解を促進することも可能です。
先ほど解説した成功事例も参考に、自社内で考案してみましょう。
まとめ:インターンシップの成功事例から学ぼう
今や企業と学生双方にとって、重要な意味を持つようになったインターンシップ。かつては意識が高い人材のみ参加するイベントでしたが、現在では8割以上が何らかの形で参加しています。
そうなるとインターンシップを自社でどのように開催するかは重要な問題です。幸い、すでに数多くの成功事例が出揃っていて、開催方法やそのデザインもある程度テンプレート化されています。
これらの情報を頼りに、自社と学生双方がWin-Winになるインターンシップの開催を目指しましょう。