理系の学生は数字に強く、即戦力にもなり得ることから優先して採用すべき人材だといえます。そのため、「理系の学生を採用したい」と考える企業も多いはず。
しかし実際のところ、採用活動がうまくいっていないという企業も多いのではないのでしょうか。
現在理系の人材は少なく企業間の競争が激しいため、理系学生の取り合いが起こっている状態です。そのため、企業が理系の人材採用に苦戦してしまうのも仕方ない部分があります。
そんな状況でも、理系人材の採用事情や戦略について理解することで、解決方法を導くことが可能です。
この記事では、採用が難しい理系学生にどのようにアプローチをすれば良いか解説しますので、ぜひご覧ください。
目次
理系学生ならではの強み
企業から見て、できるだけ多く採用したい理系学生。彼らの強みとして以下3点が挙げられます。
- 論理的思考に長けている
- 目標達成に向けた継続力
- 専門的な知見を備えている
もちろん、すべての学生が上記の強みを兼ね備えているわけではありません。ただし全体として上記が傾向として認められます。
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
論理的思考に長けている
理系学生の一番の強みは、社会人に欠かせない論理的思考に長けている点が挙げられます。
理系は文系と比較して、数学や論理に触れ合う機会の多い系統です。例えば所属するゼミの研究活動や論文執筆では、「なぜ、そうだと言えるのか?」を繰り返し問われます。
また理系科目は論理的な思考が求められるものが多く、理系学生はロジカルな思考が培われています。
課題分析や仮説立証、あるいは考察など、いわゆるPDCAサイクルに該当する部分を日常的に経験しているのが理系学生です。
この経験を活かし、きちんと理屈を立てて物事を分析できるのは、理系学生の強みだと言えます。
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当メディアを運営する「アカリク」は、理系人材の採用に特化したダイレクトリクルーティングサービスを展開しています。 下記資料では24卒理系学生の就活動向に関する調査データをご覧いただけます。 本エントリー・内定などの就活状況や志向性、後付け推薦の実態などについて確認し、採用業務の最適化・効率化にお役立てください。目標達成に向けて継続的に努力できる
また目標達成に対して、継続的に努力ができるのも理系学生の強みです。
理系学生は文系学生よりも、シビアな研究活動や論文執筆に取り組んでいます。
そこでは研究テーマに対して真摯に向き合い、日々忙しく研究室で作業へ打ち込みます。時には夜遅くまで残ったり、研究室内で寝泊まりしたり、社会人以上にハードな経験を乗り越えている学生も存在します。
理系といえば、どちらかというと大人しく、少し打たれ弱いイメージがあるかもしれません。しかし実際のところは、簡単ではない状況を打開するために、継続的な努力を重ねる粘り強さも持っています。
もちろん、企業で働く中でこの強みは重要です。
仕事において、すべての取り組みですぐ成果が出ることは限りません。しかし彼らは、多少時間がかかったとしてもあきらめずに粘り続け、最後には成果を勝ち取る力を持っています。
この特徴を有している理系学生なら、「ぜひ自社に来てほしい」と感じるはずです。
専門的な知見を備えている
専門的な知見を備えているのも理系学生の魅力です。どの学部に所属しているかにもよりますが、化学や工学など、文系にはない特殊な分野について知識を持っています。
自社でこれらの知見を求めているなら、該当する分野についてよく知っている理系学生はまさに即戦力。あらゆる企業が採用したいと感じるのもうなずけます。
そもそも企業や部署によっては、ある分野の知識がなければ業務が進められないケースもあります。
採用した時点で専門的な知識を持つ理系学生なら、人事の選択肢も広がるでしょう。
仮にそうでなくとも専門的な知見を備えているなら、その分野においてナレッジが必要になるとき、理系人材の学習内容が活きてきます。
上記の通り理系の学生には魅力があり、企業からすれば積極的に採用したいところです。だからこそ後述するように、理系採用で苦戦する企業が多い側面もあります。
企業が理系採用に苦戦している理由
「理系人材を求めているのになかなか採用できない」という悩みを抱える企業は少なくありません。求めている人材が手に入らないのは自分を含めた人事の採用活動のせいではないか、と思い悩む人もいるでしょう。
しかし、市場から見て理系人材は採用しにくく、採用活動が難化する傾向にあります。そのため、個人の責任で採用活動が大変になっているとは言い切れません。
ここからは、理系人材の採用に苦戦してしまう理由について4つ解説します。現在の市場を知り、適切な方法で理系人材の獲得を目指しましょう。
理系学生が減少している
理系学生は、平成11年度をピークに減少傾向にあります。そのため、これまで通り採用をしようとしても、人材が足りず思ったような人材が確保できないことも少なくありません。
文部科学省の調査によると、理系の学生はデータを取った2015年まで減少傾向です。理系の人材減少には、以下のような原因があると考えられています。
- 理系学部に進学するにはお金が必要であるため
- 理系学部に興味を持つ若者が減少したため
- 少子化に伴う子供数減少のため
現在は長く続く不況により、理系学部の人気が高まっているという話も一方ではあります。しかし、すぐに最盛期まで学生数が回復する可能性は低いです。
そのため、理系学生が少なく採用するチャンス自体が減っているといえるでしょう。
参考:文部科学省「理工系人材育成戦略」
参考:朝日新聞「河合塾の富沢弘和・教育情報部長「最近十数年、理系人気が続いた理由」
エンジニア需要の増加などで、理系学生を採用したいニーズが高まっている
これまで業界の中心的な存在として活躍してきたエンジニアの退職により、エンジニア需要は増加してきました。
特にIT業界のエンジニアは深刻な人手不足となっており、経済産業省の調査によると2020年で30万人、2030年で45万人IT人材が不足すると考えられています。そのため多くの企業が理系学生を求め、採用競争が激化してしまう傾向にあるのです。
優秀な人材は大手を志望する傾向がある
優秀な理系人材は大手を志望する傾向があるため、特に中小企業の採用活動は難化しがちです。実際に、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所の調査によると、文理を含めSky、トヨタ自動車、JR東海など大手企業が多くの学生に人気となっています。
一般的に中小企業は大企業と比べ採用活動にかけられるお金が少なく、魅力ある大企業に採用競争で負けてしまうことも少なくありません。
理系学生にとって魅力的な企業になるため、働き方改革など内部の改善も必要になるでしょう。
出典:文化放送キャリアパートナーズ 就職情報研究所「2022年入社希望者 就職ブランドランキング調査(後半)」
ゼミや研究で忙しく、就職活動に積極的でない学生が多い
理系学生は文系学生と比べ忙しく、就職活動に割ける時間が少ないのも、採用活動に苦戦する要因です。特に就職活動をする大学3年生、4年生はゼミや研究室で毎日研究をしており、平日の面接や説明会に参加するのが難しくなっています。
そのため、学生に企業の魅力をアピールする時間が取れず、人材確保につながらないのです。
もちろん、就職活動に積極的な学生もいます。しかし、数は少ないので他企業との取り合いになり結局採用に至らないケースも少なくありません。
大学院へ進学する理系学生が多い
大学院へ進学するケースが多いのも、採用活動を難しくしています。平成29年の学校基本調査によれば、文系の大学院進学率は5%未満。
一方で理系の場合は42%が大学院へと進んでいます。つまり理系学生の採用では他社のみならず大学院とも競合しており、採用活動が難しくなります。
理系学生の採用に苦戦している企業が取るべき対策
理系の学生や採用市場には様々な事情があり、理系学生の採用は難しくなっています。特にIT業界の人手不足は厳しくなっているため、中小企業では人材の確保が困難になっているといえるでしょう。
しかし、「必要な人材を確保できなければ事業が発展していかない」「人材が少なすぎて働き方改革ができない」といったケースも多々あるはずです。
そこでここからは、理系学生を確保するためのポイントについて解説します。理系学生を最適な方法で採用し、目標を達成しましょう。
企業が理系学生に積極的にアプローチを行う
忙しい理系学生を採用するには、企業が積極的なアプローチを行う必要があります。理系の学生は忙しく時間が取れないため、就職活動に参加しないケースが見られます。
そのため、学生からのアプローチを待っているだけでは、採用目標に達しない恐れがあります。
企業からのアプローチを行う際は、ダイレクトリクルーティングサービスのスカウト機能を使うのがおすすめです。スカウト機能を使い、気になる学生にはどんどん声をかけていきましょう。
下記のページからは、理系学生にオファーする際のコツをまとめた資料がダウンロード可能です。
ターゲティングから文面まで、実際にスカウトメールへの返信率が高まった施策内容をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
自社の実績や業績、理系人材が活躍している状況をアピールする
大手企業との採用競争に勝つには、自社の魅力を十分にアピールすることが必要です。自社の実績や業績を積極的に伝え、学生に魅力を感じてもらいましょう。
理系人材が活躍している状況をアピールするため、実際に働いている社員と学生が話をする機会を設けるのもおすすめです。入社後のビジョンを明確にすることで、学生とのミスマッチも防げます。
また近年の学生は、企業を選ぶにあたり働き方を重視している傾向があります。そのため、社内で積極的に働き方改革を進め、働きやすい環境を作りましょう。
理系採用に特化した媒体を活用する
理系学生を採用するには、理系採用に特化した媒体を活用することが重要です。これを活用すれば、採用難易度の高い理系学生に対して集中的にアプローチできます。修正位置
そうすることでより多くの母集団を形成したり、あるいは自社の認知度を高めたり、多くのメリットがあります。
アカリクは、理系の院生・ポスドクだけが登録している採用媒体です。理系学生に特化したサポートを行なっているので、理系学生を効率的に採用できます。
また、アカリクでは選考途中で進捗が滞った学生に対し、アカリク側からアプローチして選考継続に繋げます。理系学生の事情を理解しているサービスを利用し、採用体制の強化を行いましょう。
理系学生に絞った説明会やイベントを開催する
理系学生を採用するなら、理系学生に絞った説明会やイベントを開催しましょう。多くの人に会社の説明を聞いてもらうという点では学生を絞らないイベントが最適ですが、コストがかかります。
そのため、理系採用をするなら理系学生に絞った説明会・イベントで会社のことをアピールしましょう。
アカリクでは、理系学生をターゲットに採用イベントやインターン、個別企画を開催できます。また、研究室向けのキャリアマガジン「Acaric Journal」で自社のアピールもできるので、研究で忙しい理系学生にも効率的に自社を知ってもらえるでしょう。
理系学生のエントリー率を上げるオンラインイベント・説明会のコツ
大学の研究室や社員の出身校の繋がりを利用してオファーする
会社の文化にマッチした人材を採用するなら、大学の研究室や出身校のつながりでオファーするのが良いでしょう。
理系学生は就職活動に時間が取れないことが多いですが、同じ研究室・大学にいた先輩からの誘いであれば頑張って検討するケースもあります。
すでに優秀なエンジニアを採用できているなら、知り合いの学生に声をかけてもらうと良いでしょう。
理系学生の採用におすすめなサービス4選
理系学生の採用は難易度が高く、自社だけでは苦戦するケースがあります。その場合以下のような、理系学生の採用に特化したサービスを利用するのがおすすめです。
- 理系学生紹介サービス
- 採用支援サービス
- イベント
- ダイレクトリクルーティングサービス
これらのサービスを利用することで、自社単独で活動するより、はるかに理系学生を採用しやすくなります。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
理系学生紹介サービス
理系学生紹介サービスとは、名前のとおり理系学生のみを紹介する人材紹介です。
自社が求める条件や希望を伝えれば、それにフィットする人材がサジェストされます。
このサービスは基本的に成功報酬型を採用しており、余計な費用がかかりません。また自社で理系学生を探す工程を省けるため、リソースを削減できます。
ただし理系学生紹介サービスから紹介されたとして、かならずしも本人が選考に参加するとは限りません。その点は自社の魅力に左右される点に注意しなければいけません。
具体的な理系学生紹介サービス会社として、株式会社ネオキャリアなどが挙げられます。同社は理系学生のみを専門に扱い、ピンポイントな企業のニーズに応えています。
採用支援サービス
採用支援サービスとは、企業の人材採用活動を総合的に支援するものです。具体的には以下のような形でサポートします。
- 募集・母集団形成代行
- 採用戦略の考案
- 面接官トレーニング
- 面接の代行
- 採用活動中のアドバイス
- 事務手続きの代行
採用支援サービスは、クライアント(≒自社)が求める条件を聞いたうえでサービスを提供します。もちろん理系学生の採用を目標としたサポートを要求することも可能です。
つまり理系学生の募集から、より優秀な人材を獲得するための戦略立案、トレーニングなどが提供されます。
ただし費用がやや高額で、費用対効果で問題ないかきちんと確認しなければいけません。
サポートを提供する企業の一例として、株式会社ONEなどが挙げられます。同社は採用業務をワンストップで代行、あるいはスポットでのみ支援するなど柔軟なサービスを提供しています。
イベント
理系学生の採用ではイベントも活用されます。いわゆる合同説明会や就活フォーラムが、これに該当します。
そしてイベントは「エンジニア希望者」「経営学部卒者向け」といったテーマが掲げられるものです。もちろん「理系学生向けイベント」も存在します。
採用イベントを利用すれば、数多くの理系学生が集う場所で自社の存在と魅力をアピールできます。
ただし出展にあたってコストや労力がかかる点に注意してください。
具体的なイベント名として、インターンシップ博やゼロイチLIVEなどが挙げられます。それぞれで、理系学生と企業のマッチングを狙うテーマでのイベントが随時おこなわれるというのが基本的な仕組みです。
ダイレクトリクルーティングサービス
ダイレクトリクルーティングサービスとは、企業から学生に対してアプローチを仕掛ける採用手法です。
従来の採用活動は、企業が募集をかけて学生からの応募を待つ、受動的なやり方が主流でした。例えば就活サイトやハロワークがこれに該当します。
一方でダイレクトリクルーティングサービスでは、就活サイトのメールサービスやSNSなどを通して、自社から能動的に「選考に参加しないか」などとアプローチします。
この方法のすぐれたポイントは、自社を知らない潜在層にもアプローチできること。ダイレクトリクルーティングを通して、認知度の向上や採用ブランドの周知などが実現できるでしょう。
アカリクもダイレクトリクルーティングサービスのひとつ。大学院生と理系学生だけが登録しており、企業はスカウトメールなどを送信して接触できます。
うまく理系人材にアプローチして、母集団形成やマッチ率の高い人物の採用へとつなげるのが大切です。
理系学生の採用に成功した3つの事例
難易度の高い理系学生の採用。しかし他社ではあらゆる手法を駆使して、採用を実現した成功例がいくつも存在します。
ここでは以下3つの例を紹介します。
- 株式会社テラバイト
- ヤマハ株式会社
- 株式会社ACCESS
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
事例1.株式会社テラバイト
出典:株式会社テラバイト
株式会社テラバイトは、CAEコンサルティングや各種解析、CAEソフトの販売を手掛けるエンジニアリング企業です。
事業内容から分かるように、同社では理系人材のニーズが多くありました。しかし採用活動では数を追うのがむずかしく、自社にマッチする理系学生と接点を持てないことに課題を感じていました。
しかし同社はアカリクを利用することで、採用活動を大きく変化させます。
同サービスで学生一人ひとりをていねいに見極め、融和性の高い理系学生に絞って採用。採用活動にかかる費用やマンパワーをおさえながら、ほしい人材をきちんと確保しています。
かつて同社は一般的な就活サイトを利用していましたが、どれだけ学生とマッチしているのかわからず悩んでいました。しかしアカリクを利用することで理系学生のプロフィールや基礎情報を参考できるようになり、より高い確度ので望むべき人材を確保できています。
参考文献:ニッチなビジネスに対応できる潜在力を持つ学生とのマッチング-アカリクのみでイメージ通りの採用活動に成功
事例2.ヤマハ株式会社
出典:ヤマハ株式会社
ヤマハ株式会社はピアノやギター、ドラムやシーケンサなどを取り扱っている楽器メーカーです。
同社は楽器メーカーとしてあまりにも有名すぎて、理系人材が集まりづらい点に課題を感じていました。また理系学生に対して職種の説明を実施する機会が少なく、十分に訴求できずにいました。
同社はダイレクトリクルーティングサービスを利用して、各種イベントに出展。ここで具体的な業務内容をプレゼンして、「ヤマハには、理系人材が活躍できる場所がある」とアピールすることに成功しています。
結果として同社は機械・情報・電気系の学部卒業者を多数確保。日本最高峰の楽器メーカーでありつつも、理系学生が力を発揮できる企業として認識されるようになりました。
参考文献:楽器制作のイメージからIT人材が活躍する会社として認知度を高める―アカリクイベントで会社説明と職種説明を同時に実現ー
事例3.株式会社ACCESS
出典:株式会社ACCESS
株式会社ACCESSは、Webブラウザやクラウドサービス、ビーコンの企画開発、販売を手掛ける企業です。
同社はIT技術に関連した商品を取り扱うので、プログラム系統に特化した理系人材が必要でした。また「事業範囲の広いので、あらゆるジャンルにチャレンジできる人物」も求めていたとのこと。
同社はダイレクトリクルーティングサービス・アカリクを利用し、理系学生との接点を持てるイベントに出展。
担当者が「当時は必死だった」と振り返る努力もあり、多くの理系人材を獲得するに至りました。
具体的には「3年間で逆求人型採用で一定の人数を確保する計画」に対して、目標人数を2年目で達成するなど、ハイペースで理系学生を獲得し続けています。
参考文献:技術優位性を持ったビジネスに対応できる潜在力を持つ学生とのマッチング―アカリクイベントの本格活用で求める人材の採用に成功
まとめ:理系学生の採用は、企業から積極的にアプローチするのが成功のカギ
数が減っている理系人材を採用するには、企業の方から積極的にアプローチする必要があります。理系学生はゼミや研究で時間が取れず、なかなか就職活動に本腰を入れられません。
そのため、理系学生に絞って企業側から面接・説明会の案内を出し、存在をアピールしましょう。優秀な理系学生を採用するには、理系採用に特化した媒体を利用するのがおすすめです。
アカリクでは、優秀な理系院生・ポスドクに企業側からアプローチできます。また、スカウト返信率も40%を超えており、アクティブな学生が多いので採用効率で悩んでいる場合にもおすすめの媒体です。
理系人材の採用を検討しているなら、ぜひアカリクの利用を検討してみてください。