【監査法人トーマツ】特別インタビュー:研究を活かしてグローバルファームで輝く女性たち

インタビュー
introduction

様々なバックグラウンドの方が集まっているグローバルファームの中で、自身の研究経験を活かしてお仕事に取り組んでいる女性社員のお二人にインタビューを行いました。
実際の業務内容から、女性ならではの働き方まで掘り下げてお答えいただきました。

Profile

有限責任監査法人トーマツ
Deloitte Analytics
2016年新卒入社 ジュニアスタッフ
佐藤 友惟

2016年3月筑波大学大学院システム情報工学研究科社会工学専攻サービス工学学位プログラム卒業。
2016年4月有限責任監査法人トーマツに入社。
現在は小売業を中心にAudit Analytics業務に従事している。

Profile

有限責任監査法人トーマツ
Deloitte Analytics
2016年中途入社 マネージャー
金 英子

東京大学大学院にて情報理工学計研究科修士・博士の学位を取得。日本学術振興会の特別研究員に採択され、IBMのトーマス・T・Jワトソン研究所にて訪問研究を行う。 2010年から東京大学の研究員として学生の研究指導や講義を担当。政府・企業・病院の課題解決に取り組む。 2012年からビジネスの世界に戻り、現在データ分析を用いたコンサルティングに従事している。

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“ビッグデータ”がない時代

—まずは自己紹介がてら、お二人のこれまでの研究や学生時代のことを教えてください。

佐藤氏:学生時代には、コンサル系の企業の方と一緒に、アンケートの開発やそのアンケートから得られたデータを元に分析する研究をしていました。組織心理学系に近い研究内容で、従業員の心理状態に関する内容のものです。私の研究では企業の方にかなり協力いただくことができ、有意義な研究をすることができました。

キン氏:私は研究歴が長いので、たくさんの研究をしてきました。学部は物理でしたが、修士から情報系に転向し、情報工学の博士号を取得しました。物理から転向した最初の頃は研究室の仲間にいろいろと教えてもらいました。
メインでやっていたのはウェブマイニングです。ウェブ上には検索すると出てくる様々なデータがでてきますので、そのウェブ上のビッグデータからいかに有用な情報を取り出すか、という研究でした。私が研究を始めた頃はビッグデータという単語がなかったので、「情報の洪水」と言ってたんですよ!
私が所属していた研究室は人工知能で有名な先生の研究室でしたので、その研究室の先輩と一緒に、機械学習や自然言語処理など、人工知能を使って有用な価値を作るというようなことをやっていました。

—渦中の人というか、ビッグデータというワードが注目される前から研究されていたんですね。

キン氏:ちょうどそうですね。研究しているときにビッグデータという単語が出てきて、このワードができたおかげで研究が活発になってきていると思います。

「日本に限らず全世界と繋がれるというところが魅力」

—次に、就職活動についてはいかがでしたか。

佐藤氏:私は修士過程に進学して得られた付加価値として、分析能力というものを持っていると考えていました。そこで、その経験が活かせる分析業界を志望していました。その中でも、分析をしてコンサルティングを行っていく会社や、自社サービスのためにデータを分析する会社に興味があって、何社か中長期的なインターンに参加しました。その上で業務内容や会社の雰囲気など、その会社の特徴を自分で整理していって、志望の軸を固めていきました。

—監査法人トーマツのデロイトアナリティクスというサービスを提供する部門に入社するにあたり、一番の決め手になったのはどこでしょうか。

佐藤氏:そうですね、決め手になったところは…ありすぎますが…。
色々な会社を受けた中で、当部門は内定が出るのが結構早かったんです。それで内定後に社員の方々と内定者と一緒に課題に取り組んで、その中で交流を深めていきました。何か疑問に思い質問した時、それに対してすごく時間を使って対応していただき、親身な姿勢がとても感じられました。自分が成長していける環境と、きちんとサポートしていただける方々がいるということがわかりました。そこが一番の決め手ですね。あと、実はアカリクのサービス利用者だったんですが、面接が終わった後に電話でのフォローをしていただいて、次の面接の対策をしてくれて助かりました。就活サポートサービス(※2018年現在 アカリク就職エージェント)は積極的に活用していました。

キン氏:私にとっても社員の方の印象はとても大きなポイントでした。
私の場合は中途入社になりますが、コンサルティング業界に入ってからはまだ短くて、3年ぐらいになります。元の会社の上司からの紹介で監査法人トーマツ内にデロイトアナリティクスというアナリティクスサービスを提供する部門があるということを知り、同じく社員の方や現場のマネージャーさんとお話していく中でだんだん業界のことや監査法人トーマツと当部門のことがわかってきました。それでここだったら自分の研究や興味を活かしつつ、自分が求めている次のステージに行くための舞台もあるなと思って、それで入社を決めました。

—社員の方が魅力的だったというところがお二人で共通していますね。それでは、入社してわかったアナリティクス部門の魅力はありますか?

佐藤氏:BA*1 もAA*2 も、分野横断的な経験をさせていただけるところは、魅力に感じています。

(*1 BA:Business Analytics 高度な数理解析技術をコアに、ボーダレスかつ複雑な経営課題を解決に導く、プロフェッショナルサービス *2 AA:Audit Analytics トーマツが有するアナリティクスと監査の深い知識を融合し、財務情報にとどまらないデータの分析結果を監査業務に活用)

キン氏:データサイエンスという分野は日本に限らず全世界と繋がれるというところが魅力です。海外と一緒に仕事ができるっていうのがグローバルファームの強みであり、面白味かなと思います。また、デロイトアナリティクスの中には研究開発チームがあり、新しい分析手法を開発しているチームがあることも魅力だと思います。そのメンバーも実際にクライアントにサービスを提供しています。

「バックグラウンドが全然違う、ダイバーシティーがあるいい環境」

—ありがとうございます。次に、入社後の研修についてお伺いします。研修はどのようなものでしたか。

佐藤氏:研修期間がとても長いんです!入社後三ヶ月はみっちり研修です。本当に基礎からやります。エクセルやパワーポイントから始まって、ロジカルシンキングなどもやります。それにプラスして、専門的な分析に関係するITの知識も教わりました。あと面白かったのはパソコンの組み立てです。パソコンを組み立てるところから研修が始まりました(笑)
あとは、知識のインプットだけじゃなくて、それをアウトプットするところまでやります。それも実際にあった事例を基にした演習で、私たち新人に何人も先輩がフォロー役でついてもらって取り組みました。本当に手厚く、たくさんの指摘を頂きました。最終的には、実地の研修に近いような形で演習がありました。また、会計監査についてはさらに専門的な分野になりますが、会計士の皆さんのフォローのおかげで理解が深まり、業務についてのイメージを持つことでできました。

—そういった研修も踏まえ、現在はどういった業務を担当されているのでしょうか。

佐藤氏:今私はAAを担当していて、いろいろな業界の監査チームの方々と課題を解決するためにワークショップの実施を行うところから始めています。どの分析を適用すればその課題を解決できるか、リスクを見つけられるかといったようなことについてディスカッションして、そこからさらに実際に分析をしてその結果をフィードバックして適用するという業務がメインです。
最初はまだ監査に関する知識が自分の中でもぼんやりしていて、提案をする段階にまでいたらなかったんですが、最近はだんだんと慣れてきました。慣れてきたことで、この分析が良いんじゃないかとか、こういう視点ではどうなのかという風に発言できるようになってきて、仕事の面白みを感じているところです。

キン氏:主な業務はBAです。監査のクライアントもいますし、それ以外のクライアントもいます。私はその中でさっき言ったような新しい分析サービスを立ち上げて、そのサービスを使った分析コンサルティング、ソリューションをクライアントに提案して、今まさにそのプロジェクトを実施中なんです。分析から提案まで、自分でやっています。
マネージャーレベルになるとクライアントが増えていくので、きちんと選択をしながら進めていかなければと思っています。案件を提案しつつ、受注した案件についてはクオリティーファーストでデリバリー*3 しないといけないということがあって、量と質の両方のバランスをとるのが大変ですが面白い部分でもあります。

(*3 デリバリー:価値の提供)

—様々な業務に携わっているお二人ですが、帰宅時間はどれくらいでしょうか。

佐藤氏:だいたいならすと7時ぐらいには退社しています。メリハリつけて、集中してやるときはやるというのがポリシーなので、キリのいいところまで少し残業して帰ることもある一方、早く帰ることができるときは早く帰るようにする。自分の中でそういうルールにしています。

キン氏:私の場合も波はありますが、20時半が保育園に預けられる期限なので、19時半には必ず退社するというのを守るようにしています。私の母が子どもを見てくれているときは仕事に専念することができるので家族のサポートにも頼っています。

—キンさんは4か国語(中・日・英・韓)が堪能とお伺いしていますが、その語学を生かせる機会はありますか。

キン氏:そうですね。英語は確実に活かしています。海外の方と一緒に提案する時に英語を使って話をするので、英語でのコミュニケーションができるということは重要です。自分の母国語である中国語と韓国語は今は活かすことはないですが、海外ビジネスモデルから学ぶことは多いので中国、韓国、シンガポールというアジア諸国ともこれから積極的に関わりを持っていくという方針が私の中でかなり強いので、これから母国語も使っていけるんじゃないかと思います。

—御社はグローバルファームということで、ダイバーシティーに富んだ方が多いのかなという印象があるんですけれども 実際に入社されてみていかがですか。

キン氏:私も外国人なので、ダイバーシティーのひとつですよね。私自身が他の人に刺激を与えていければいいなと思いつつ、私も周囲からかなり刺激をもらっています。監査法人なので会計士をはじめとして、数字にかなり強い人や、SE出身でITに詳しい人、音楽を学んでいた人(笑)など自分にはない強みを持っている人がたくさんいます。国とか性別のダイバーシティーよりも、それぞれが強みを持っているという意味でのダイバーシティーはかなりあると思います。

佐藤氏:私も同じことを考えていました。内定した時から同期がいろんな学部なんだと気づいていて、業務をしていくうちに自分にはない視点や知識を持っているということがわかりました。お互いの違った視点から相乗効果を感じることがよくあります。それもダイバーシティーの一つですよね。バックグラウンドが全然違う人たちが集まってきてなにかひとつのことをやり遂げるという意味でダイバーシティーがある、いい環境だなと思っています。

 性別、ポジション等にかかわらず仕事をして、きちんと評価される、 そしてその仕事をやりやすい環境はきちんと整えてくれている

—ちょっとここから突っ込んだ質問になりますが、キンさんは子育てをしながら仕事されていると思うのですが、業務に無理は出てこないのでしょうか。

キン氏:入社して今ちょうど半年なので、正直なところ、なんとか自分の中で調整している状況です。ま、余裕はないですが、そもそも子育てしながら仕事をする覚悟を持って取り組んでいます。今は社内業務の手続きとかルールにまだ慣れていないため、通常より少し時間がかかっていますが、そこを調整できるようになればもっとスムーズになると思います。
子育てと仕事を両立させるためのコツが、いくつかあります。そのひとつが「完璧さを求めない」ということです
。 仕事と家庭の両方をとても大事にしているので、家族のために自分のキャリアを失うのも、仕事ばっかりになって家族に迷惑をかけるのもどちらも違うと思うのです。数理的なモデルでいうところの、最適化、最大化を目指すということです。やはり何かは捨てないといけないと思うんですけど、一部は捨てながらも、自分の選択で家族も仕事も100点をとれるように頑張っています。
もちろん仕事は手抜きしてはいけないので、仕事の重要度と緊急度を意識して常に優先順位を考えて仕事しています。 それと同時に、平日はなるべく延長保育ができる保育園を選んで、延長保育をしっかり活用しつつ、夫と調整して保育園の送り迎えを分担したり、両親に来てもらってサポートしてもらったり、家族や周りの人のサポートをもらって両立できるようにしています。そして週末は完全に仕事を放棄して子どもと一緒に遊んでます!
ただ、平日はどうしても時間に制限があるので、私がべったり一緒にいなくても子どもが勉強できる環境を作るための模索をしています。今では私が勉強するように言わなくても、子どもが自分から壁に貼ってある学習用のポスターを見て勉強してくれています。そういうところでちょっと手抜きをしているので、やっぱり完璧さを求めないというのがコツだとは思いますね。
先日、世界地図を壁に貼っておいたら、子どもが地図の小さな国旗をふたつ指差して、「なんでこの2つの国は国旗が同じなの」って言ってきたんです。そんな、国旗が同じ国があるなんて私も知らなかったのに! ひらがなも自分でホワイトボードを置いて 、”あいうえお” と自分でなぞって勉強してるんですよ。何というか、勉強と意識せずに自発的に遊びとしてやってもらう、というのを考えています。どうやればプレッシャーがない中で、自分で学習する楽しみを覚えるかというのは、私の中で常に考えていることですね。
あとは自分一人で頑張らないというのもコツです。人に頼るというのは、私自身もそうなんですが、ちょっと抵抗ありますよね。昔は私も自分一人で頑張ろうと考えていたし、多分日本人は自分で頑張ろうという人が結構多いと思います。そういう状況で仕事も子育てもとなるとパンクする可能性があるので、やっぱり周りのサポートにうまく頼っていく必要があると思います。
あとは入社する時に上司とも話をしていて、理解してもらっています。子どもが病気などで保育園から電話がかかってきたときにはすぐ行けるような環境を用意してもらっていて、ありがたい限りです。
あと当社には看護休暇制度というのがあって、子どもが病気で休んだりすると、2日くらい看護休暇をとることができます。そういう制度をフルで活用しています。

—なるほど、ご自身で工夫をして、かつ周りからのサポートを十分に活用して両立されているのですね。やはり会社全体としてもサポートを受けやすいような雰囲気なのでしょうね。普段、社内はどういう雰囲気なんでしょうか。

キン氏:入社前は監査法人という業種からも硬いイメージを持っていました。でも実際に入ってみるとそんなことはなく、会計監査をする人たちも、その他のアドバイザリー業務をする人たちも、同じクライアントに提案するために連携していたりするので、いろいろな部門が一緒に手を繋いでやっているので、組織がフラットだと感じます。
様々な業界すべてに詳しいわけではないので、クライアントに特化した課題がある場合に、その業界に詳しい人が社内に必ずいて、その人からフォローしてもらっています。
また、チーム内はとてもまじめな人たちが多いので、みんな真剣に仕事をしていますが、社内イベントでバーベキューをしたことがあったのですが、なんとそのバーベキューにもみんな真剣に取り組んでいたくらいです(笑)
あと私のように子どもがいる家族が一緒に集まって遊びに行ったりとか、子供同士で遊ばせたりとか、仲良くさせてもらっています。

佐藤氏:バーベキューの他にも、社内のイベントのようなものがあります。ホームパーティや、忘年会や新年会などです。数は多過ぎず少な過ぎず、ちょうどよく社員が交流できる場があります。グローバルファームの雰囲気は入社前はなかなか掴めなかったのですが、入社してからはいろいろな人がいるってことがわかり、プライベートでも楽しく交流しています。

—最後になりますが、この会社は女性が働きやすい環境だと思いますか。

佐藤氏:私はまだ家庭を持っていないので、女性としてという意識はなく働いています。実際女性ならではのライフイベントに直面したら金さんのように覚悟が必要になると思いますが、監査法人という大きな組織の中にいるので、たくさん用意されている制度を利用できるところはどんどん利用していきたいと思っています。そういう面では安心して働いていけるのかなと考えています。

キン氏:女性を支えるための育児休暇というのもありますし、女性だけでなく、男性のマネージャーがつい最近育児休暇をとったりしていて、家族を支えるための仕組みも会社としては考えていると思います。マネージャーが不在になるのはかなり影響が大きいと思うんですけれども、それを踏まえた上で会社が支援しているので、制度をみんな遠慮なく使えば、男女関係なく仕事ができるのかなと思います。最近は育児だけではなく、介護なども必要になってくる時代ですので、それに合わせて、在宅勤務など様々な制度がスタートしていますので、今後はそういった制度の利用も会社全体で増えていくと思います。

佐藤氏:夕方過ぎくらいに、もう子どものお迎えにいくのでと、男性の上司が早く帰っていったりするんです。子育てに関して寛容だと思いますし、それにまわりも慣れています。組織として働きやすい雰囲気が出来上がっていますね。

キン氏:性別、ポジションなどにかかわらず仕事をして、それできちんと評価される、そしてその仕事をやりやすい環境はきちんと整えてくれている、そんな会社だと思います。

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