大学院出身社員インタビュー【セコム株式会社】

インタビュー
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誰のために役立つことかを考え、やりがいのある仕事を!

大学院時代の研究内容を教えてください

ロボットへの搭載を想定した新しいタイプのセンサとして、ネット状近接覚センサの研究を行っていました。
このセンサは、安全のために障害物を検出するセンサの一種です。ロボットの障害物センサとしては、カメラやレーザーセンサが多く利用されていますが、ロボット全身に搭載することは困難であるため死角が必ず存在します。そのため、物体との接触を検知できるように触覚センサも併用しますが、このタイプのセンサでは物体と衝突する前に検出することはできないといった問題があります。そこで、ロボット全身に搭載可能であり、物体と接触前に検知することができる新しいセンサとして、ネット状近接覚センサの研究に携わっていました。この研究は、研究室の先輩から引き継いだものではなかったため、試作を繰り返したり、設計を変更したり、試行錯誤が必要でした。
苦労することも多かったのですが、試作したセンサが実際に動作し、物体検知を確認できた時は本当に嬉しかったです。その後は、センシング機能確認の実験を行い、最終的にはロボットに搭載し、物体検出センサとして利用できることを確認しました。研究は後輩が引き継ぎ、現在は企業のロボットに搭載されるまでに進化しています。

就職活動はどのようにされたかお教えください

世の中にない、新しいことをやりたいという思いから、大学院へ進学を決意した時点で研究職に就こうと決めていました。
大学に残り博士課程に進む選択肢もありましたが、製品やサービスに近いところで研究した方が、社会への貢献を実感でき、やりがいを感じるのではないかと考え、企業の研究員になることを選びました。また、大学で学んだことを活かしたいという思いもあったので、就職先としては、ロボット関連の研究を行っており、研究員としての採用がある企業を中心に探していました。
研究職に就きたい思いが強かったため、企業によっては入社後に配属先を決定するところも多く、当初は戸惑いました。しかし、企業研究を進めていく中で、職種別採用を行っていたり、ジョブマッチングを重視していたりするなど、企業によって採用方法が異なることに気づき、それからは、採用方法にも着目しながら企業研究を行いました。
メーカーでもロボット関連研究は行われていますが、その中でセコムへの入社を決めた理由ですが、ロボット技術のような最先端技術は、人の安心・安全に貢献すべき技術であるべきであり、セコムなら必ずロボット技術を利用した「人の役に立つ革新的なサービス」を実現できると思い、入社を決めました。

現在はどのような業務を行っていますか?

セコムの研究所では、社会に潜在的に存在する不安要素をいち早く把握し、必要な基盤技術を先回りして創り出すことを使命とし、画像処理・画像認識技術の研究、センシング技術の研究、情報通信技術の研究、社会動向に関する研究、サービス工学技術の研究等を行っています。
その中で、現在、私が行っている研究は、自律型の小型飛行監視ロボットです。近年、ドローン(無人航空機)の産業利用が注目されています。もちろん、セキュリティ分野でも期待されており、セコムでは、ドローンが注目される以前からこの分野の研究にも取り組んでいました。その結果、2012年という早い段階で、『民間防犯用としては世界初となる自律型の小型飛行監視ロボット』を記者発表することができました。

私は、この小型飛行監視ロボットの内部のアルゴリズム開発を行っています。具体的な担当は自律飛行技術の研究開発です。不審者や不審車両がお客様の物件内に侵入した時、どこへ飛行すれば証拠となる画像を撮影し易いかを判断し飛行目標位置を算出して、建物などの障害物に接触せずに飛行できる経路を生成する飛行動作に関わる機能の開発を行っています。
新しいサービスに必要となる最先端技術の研究なので、問題点も多数でてきますが、学生時代に身に着けた、「問題点の分析」、「原因の究明」、「対策案の検討」、「アルゴリズム実装・検証」という基本的な研究の考え方が役に立っていると思います。今は、実際にお客様の物件で使って頂けるように商品化へ向けて取り組んでいます。

業務のやりがいや、大変なことをお教えください

皆さんも経験していると思いますが、研究はすぐには結果が出ないことばかりです。いろいろ工夫をしても失敗したり、成功しても、多少の改善しか出来ず、ほとんど見た目では変化がなかったりします。実際にお客様の役に立つのはいつになるのかと考えてしまうことがあります。 だからこそ、今の研究が未来の革新的なサービスへ繋がるという信念をもち、妥協を許さず徹底的に追求していくことが研究には必要な要素であると思い、常に心がけています。

また、すべての仕事に共通していると思いますが、ロボット研究開発においてもチームワークが重要です。一人の力では限界があるので、仲間とコミュニケーションをとる必要があります。必要に応じて、随時、上司に相談に乗ってもらったり、仲間からアドバイスをもらったりしています。その結果として、『民間防犯用としては世界初となる小型飛行監視ロボット』を発表できたときは大変嬉しかったです。大変なことが大きいほど、得られる達成感も大きく、ニュースを見た一般の方の驚きを耳にすると、やっていてよかったと感じます。
セキュリティー用の小型飛行監視ロボットとしては、活躍しないことが望ましいのですが、近い将来、実際に不審者が敷地内に侵入してしまった時に、的確に対応し、お客様の役に立ったという声を聞けたら嬉しいです。

大学院生へのメッセージをお願いします

就職活動期間は、普段はなかなか見られない企業内部を見学できる貴重な期間でもあります。実際に働いている社員と直接話すことは企業研究のためだけでなく、考え方の視野が広がり、将来必ず役立ちます。私の場合は、分野を絞って就職活動を行ってしまいました。今思えば、様々な分野の企業を見学しておけばよかったと思っています。
「本当は何をやりたいのか」「自分には何ができるのか」「自分の強みは何なのか」などと自問自答を繰り返すと思いますが、自分自身と向き合うとても良い機会になるでしょう。周囲の言葉に耳を傾けながらも、流されずに、自分の意見を持ち就職活動を行って下さい。ただし、最も重要なことは、将来やろうとしている仕事は誰のためになることかを想像することです。人のためになる仕事はやりがいを感じることができますし、また、生き生きと仕事ができるようにもなります。就職活動中は不安なことも多いかもしれませんが、そんな時こそ楽しむ気持ちを忘れないでください。

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