1. TOP
  2.  >  大学院出身社員インタビュー【国土交通省】

2015/10/15掲載

人の暮らしを守る、支える、良くする。他には代わることのできない国の仕事。

大学院時代の研究内容を教えてください

業務風景  大学院では水環境の研究室に所属し、植物に着目して水辺の環境の研究に取り組んでいました。
 水辺の植物は河川や湖の環境にとって重要なもので、多様な生き物の生息場所となるとともに、汚染物質を吸着する役割もあります。また、水と植物がつくり出す景観は人間にとっても安らぎを与えてくれるものです。私の研究では水辺の植生を調査し、どのような植生が自然に近いものなのか、その植生を再生するためにはどのような環境を作れば良いのかを、定量的なデータで示す方法を検討していました。
 何度もフィールドに足を運んで植物とその生育環境を調査するとともに、様々な角度からデータ分析を行いました。「自然環境」「生物多様性」といった明確に正しい答えのないものに対してどうアプローチするか、また、工学系では異色な分野だったので、学会で研究の考え方や必要性をどうやって伝えるか、非常に苦労した覚えがあります。解決策を考えるうえでとくに役に立ったのは、フィールドワークの経験でした。自分の目で見て、自分の足で歩いてみると、写真やデータではわからなかったものに気づき、新しいアイデアにつなげることができました。

就職活動はどのようにされたかお教えください

業務風景  環境に関する仕事がしたいと考えて選んだ専攻で、先輩方の就職先を参考にして志望先を絞り込みました。水辺の景色が好きで、水辺を人にとっても他の生き物にとっても良いものにしたいという思いがあり、水に関係するメーカーやプラント、コンサルタント、公務員等、仕事の種類はこだわらずに探していました。もともと環境問題へ取り組むならば利益にとらわれない公務員がいいのではないかと漠然と考えていましたが、他の企業の話を聞くうちにその思いが強くなりました。
 最終的に国土交通省を選んだのは、自分が研究を通して考えたことを最も実現できそうだったからです。国土交通省は過去には公共事業で環境を破壊してきた側ですが、だからこそ、利便性や安全とのバランスをとりながら環境に取り組まなければいけないと考えていました。現在の国交省では実際にそういった取組も進められていて、その方向性と自分の問題意識が合致したことが決め手となりました。

現在はどのような業務を行っていますか?

土砂災害現場  入省して最初の2年は地方での勤務でした。広島にある河川を管理する事務所に配属になり、河川の将来計画を検討したり、設計をしたり、工事を発注したりと計画から実施まで様々な経験をさせてもらいました。なかでも大きな経験だったのが、平成26年8月に発生した広島土砂災害の対応でした。突然の豪雨による土砂災害で、多くの人の尊い命が奪われ、家を失われた方も数多くいらっしゃいます。国交省ではもう一度同じような災害が起きないよう対策に全力を挙げていて、私もその設計・工事や被災地の住民との調整に携わりました。
 現在は国土交通省の外局である観光庁で、災害現場とは全く違う仕事をしています。日本を訪れる外国人旅行者は近年急激に増加していて、日本に大きな経済効果をもたらしています。観光庁ではより多くの外国人に日本に来てもらい、日本の製品を買ってもらい、日本を楽しんでもらえるよう、海外に向けた日本旅行のプロモーションや、受け入れ環境の整備を進めています。私自身は、観光に関する統計、観光白書の作成などを行っています。
 このように、様々な仕事をさせてもらえるのも行政のおもしろさの一つです。今まで知らなかった視点から物事を見ることで、視野を広げることができると思います。

業務のやりがいや、大変なことをお教えください

土砂災害現場  広島の土砂災害では、国に対する国民からの期待の大きさを改めて感じました。災害直後、自治体だけでは手が足りないところを、全国から国交省の職員が集まって土砂撤去などの対応にあたりました。民間企業や地方自治体は人や予算の制約で出来ないことがあっても、国はそうは言っていられません。国がやらなければ誰にも出来ない、国は安心・安全を守る最後の砦なのです。災害の直後は昼も夜も無く大変でしたが、災害に遭われた方々の役に立てることは大きなやりがいもありました。
 また、国を引っ張っていく立場である一方、現場に近いところで仕事をする機会があるのも国土交通省の特徴です。災害後の対策工事の際に住民の方に完成した施設を見ていただいたのですが、みなさんがほっとした表情をされているのを見て、災害にあった方々は今も雨が降るたびに怖い思いをされていることに気づきました。そして、自分の仕事はその怖さを取り除くことができる、災害から命を守り、安心して暮らしてもらえるようにできるのだと実感することができました。
 災害の仕事は最初の志望動機の環境とは全く違う仕事ではありますが、人の暮らしを良くする、支えるという点ではとても似ていて、方法は違っても、多くの人の暮らしを守る仕事が出来ることを誇らしく思っています。たくさんの課題を抱える中でいかに環境にも取り組んで行くか、今後は自分から提案していけるようになるのが目標です。

大学院生へのメッセージをお願いします

職員集合写真  研究と両立しながらの就職活動は時間的には大変だった反面、研究は将来のことを考える軸になり、就職活動の助けにもなっていたと思います。私の場合は研究を通して得られた問題意識が志望動機となったので、面接などでもとても話がしやすかったです。研究内容そのままとはいかなくても、研究を通して気づいたこと、考えたことを振り返れば、自分自身の得意なこと、やりたい仕事がきっと見えてくると思います。
 みなさんも、研究で様々な課題にぶつかり、悩み、解決策を探して試行錯誤されていることと思いますが、そこで培った能力、考え方は自分の専門分野以外であっても必ず役に立ちます。なので、今の研究分野にこだわらず、視野を広く持ってぜひ色んな可能性を探してくださいね!・・・と言いたいところですが、あまり広すぎてもかえって悩んでしまうと思います。大学院での研究は自分自身のことを、将来のことを考える一つのよりどころとして考えるのがいいのではないかと思います。日々懸命に研究に取り組んでいる大学院生のみなさんだからこそ、自分の専門知識に、研究を進める自分自身の能力に自信を持って臨んでください。
 みなさんが自分の能力を発揮できる、素敵な仕事を見つけられることを、心から願っています。

← 一覧に戻る

プライバシーマーク 株式会社アカリクは「プライバシーマーク」付与事業者として認定されています。