1. TOP
  2.  >  大学院出身社員インタビュー【松竹株式会社】

2015/09/28掲載

研究したことが直接仕事につながるわけではない。
違う視点で就職先を見据えてみるのもよいのではないか?

大学院時代の研究内容を教えてください

自動車の車体軽量化を炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材料(CFRTP)を用いることで実現し、環境・エネルギー問題を解決しようとするプロジェクトに携わっていました。私はその中で、複合材料の強度や剛性の特性を知るために、モンテカルロ法を利用して予測と材料の適切な形状や使用箇所を研究していました。

日本の自動車普及率、さらに今後の世界の普及率の上昇を考えると、一台当たりのエネルギー消費量の削減量は小さくても、全体の削減量は非常に大きくなります。自動車の燃費を高めるために大きな効果があるのが車体の軽量化であり、その軽量化を革新的に実現するためには、従来の鉄ではなく新たな材料が必要となります。しかも、その材料は量産車に適用するために、高速成型が可能な材料でなければなりません。

新しい材料を実社会で普及させるためには、様々な側面から問題点・課題点を検証し、解決しなければなりません。材料の優位性、安全性、利便性、さらにはリサイクル性能など、一つの材料の研究で、社会の循環システムや流通から材料力学まで多岐にわたって学ぶことができたことは非常に良い経験でした。

就職活動はどのようにされたかお教えください

業務風景 大学時代、演劇サークルに所属していまして、表現する仕事に携わることに魅力を感じていました。
理系生だからか、周りで演劇とか映画に関心を持つ人が少ないと感じておりました。科学の世界でモノづくりに関わっていくことも楽しいとは思いますが、そんな人たちに別の世界を教えてあげることができたらいいなと漠然と考えていたので、テレビ局や映画業界などを志望し就職活動を始めました。

とはいえ、理系生で、周りとは大きく異なる志望先に不安も感じている…というのが正直なところでした。
本当に理系生、そして院生が求められているかもわからないし、これまで学んだことに関わる職に未練がないとは言えませんでした。

そこで、迷って立ち止まっていても仕方ないと思い、就活をしながら考えていこうと、理系生としての就活と、表現に携わる職への就活と、二つの軸で進めていくことにしました。

最終的に自動車メーカーの理系職の内定と、松竹株式会社の内定をいただいたのですが、やはりもともとの表現する仕事に携わり、人々に感動を与えたいという思いと、これまでの経験・経歴は珍しくきっと何か新しいもの・感動を生み出す原動力にすることもできるのではないかと考え、今の会社を選びました。

現在はどのような業務を行っていますか?

京都四條南座 現在は関西にある大阪松竹座・京都南座という劇場で行われる毎月の公演チケットを売る仕事をしています。
企業や旅行代理店などへ営業をし、チケットを買っていただくことはもちろんですが、チケットを売るためにはその公演でどれだけのチケットが現状残っているのか、どこの席が残っているのかなど、すべての席の把握は欠かせません。また、すべてのチケットを管理していることから、公演ごとにどれだけの利益が上がるのかを把握・予測し、会社へ報告することも大事な仕事の一つです。

今の業務を通して、会社の一員であるということは、慈善事業ではなく、自社にとってビジネスになることを意識しなければならないということを感じました。
一枚一万円を超える紙を売る大変さもさることながら、株式会社としてどれだけの利益がでるのか、逆にここまでの利益を生み出すためにはどれだけ売らなければならないのか、ということを常に意識するようにしています。
大学院生・学生時代にはなかなか学べない感覚であり、エンターテイメントを生み出す会社として、数少ないお客様からお金を直接いただく部署で働きその感覚を養えたのは良かったと思っています。

業務のやりがいや、大変なことをお教えください

業務風景 観劇のチケットを売るという点では、あらゆる企業、あらゆる方がお客様になる可能性があります。そういった意味ではいろいろなお客様に対応する必要があり、お客様に合わせた話し方や説明をしなければならないため、その複雑さが大変なところのひとつです。

また、私自身が今まで関西で暮らした経験がなく、関西圏の文化と疎遠だったため、カルチャーショックを覚えることが多々あります。言葉づかい、ニュアンス、良しとするものなど、同じ日本国内でも、地域によってこんなに違いがあるのかと日々驚かされています。

その分、色々な方に出会い、お話ができることはとても良い経験になっていると思います。

入社する前は、とにかく面白いものや、感動する映画や演劇を作ればお客様が自然と集まるものだと、どこかで考えていました。しかし、今の仕事を通して、興味や関心をあまり持たれていない、または興味を持っていても劇場まで足を運ぼうか悩んでいるお客様に対して、いかに劇場まで足を運んでもらい、満足していただけるように仕込めるのか、ということの大変さ、大切さに気付かされる毎日です。

大学院生へのメッセージをお願いします

大学院での研究した知識などは、誰もが持っているものではない、貴重なものだと思います。だからこそ、まずは皆さん、自分の専門分野がどのように社会へ活かせるかを考えることは大事なことだと思います。

そのうえで、もう少し視野を広げて就職先を考えることも良いことだと思います。
自分の研究を通して培った考え方、問題解決へのアプローチの方法などは、どんな分野でも活かせることだと私は考えていますし、大学院生の皆さんには実際、このような能力が求められていることも事実だと思います。

私はまだまだ自分が学んできたことを、仕事で100%活かしきれているわけではありませんが、きっといつか、思わぬ形で大学院での研究と仕事がつながることを夢見ています。
もしその瞬間が訪れた時には、今まで誰もやったこともないような凄いものを生み出せる、そんな気がしています。

これまで色々な分野を学んできた大学院生の皆さんがあらゆる業種、あらゆる仕事に関わり、分野や業種の垣根を越えた仕事・成果がどんどん生まれてくる世界を楽しみにしています。

← 一覧に戻る

プライバシーマーク 株式会社アカリクは「プライバシーマーク」付与事業者として認定されています。