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株式会社ブリヂス卜ン 大型特殊夕イヤ開発第ー部所属 理工学研究科 開放環境科学専攻 薄膜工学分野 出身

2015/03/01 掲載

周囲の協力を得ながら新商品を作っていく モノづくりは楽しい!

大学院時代の研究内容を教えてください

大学院では薄膜材料を扱う研究室に所属していました。
私の研究テーマは、大気圧下で生成したプラズマを利用した新しい成膜技術に関するものでした。プラズマによる薄膜合成は一般的に真空下で行わますが、大気圧下での薄膜合成の実現により真空チャンバーが不要になり、処理時間の短縮および処理面積の拡大につながります。しかし、真空下で合成した薄膜と比較して軟質になることが知られており、大気圧下で硬度を向上させることが私の課題でした。具体的には、厚さ数百ナノメートルの薄膜を作成し、それらを電子顕微鏡や分光分析機で解析することで成膜条件による構造の変化と得られる機械的特性の関係を明らかにし、より良い条件を探すことに取り組んでいました。真空状態と異なり大気圧下でのプラズマは非常に不安定であるため、実験自体がうまくいかず成膜装置の改良など色々な苦労をしてきました。
実験以外の部分では、私が所属していた研究室で企業との共同研究も盛んに行っていたこともあり、複数社の方々と共同で研究を進めるという経験もできました。その中で、スケジュールをしっかり立てることと実験の目的を明確にすることの重要性を学びました。私にとっての研究室生活は、良い結果が出るまでひたすら実験を繰り返すという泥臭い作業の大切さと、企業の考え方や論理的思考について学んた有意義なものでした。

就職活動はどのようにされたかお教えください

就職活動は修士1年の12月から始めました。
進め方としては一般的で、合同説明会・企業説明会への参加、OB・OGからの情報収集、インターンシップへの参加を主に行っていました。前々からモノづくりに携わりたいと思っていたので、メーカーに絞って就職活動を進めました。とはいっても、業種としては製薬、飲料、自動車、化学、電機など幅広く見るようにしていました。就職活動を始めたころは研究内容を活かせることを主眼において企業を見ていましたが、説明会等で会社の方と話していくうちに専門的な知識はそれほど求められていないと感じるようになってきました。
また同時に、海外の人と仕事をするチャンスがあること業界有数の技術力を持っていることが自分の軸である気がしてきました。そのような企業が複数あるなかで、もともと車好きであったこともあり、最終的には自動車業界にたどり着きました。社員の方々の雰囲気が自分と近かったこと、1つの製品の設計から量産化まで幅広く携われことからブリヂストンを志望し、入社することができました。

現在はどのような業務を行っていますか?

現在は建設・鉱山車両用タイヤの設計業務を行っています。
実際のタイヤを見たことがある方はいないと思いますが、大きいものでは直径4mあり、タイヤの中で人が横になれるほどです。タイヤは1本当たり数十トンの荷重がかかるうえ、路面が岩で荒れていたりするため損傷を受けやすく、非常にシビアな条件で使用されるため、タイヤが完全に摩耗しきる前に故障することも少なくありません。そのため、耐久性の向上が求められています。
具体的にはまず、市場での故障タイヤから故障部を切り出して詳細に観察し、故障メカニズムを推定します。故障が起こっている市場とそうでない市場のタイヤの差、使用条件の差から仮説を立て、その仮説を検証していきます。そして、メカニズムが特定できたのちに目標性能を決め、タイヤの構造へと落としていきます。タイヤは単なるゴムの塊ではなく、複数種のゴム、有機繊維、スチールコード等が組み合わされる複合体であるため、各部材の形状や配置によって性能が大きく変わります。有限要素法モデルや実際の試作タイヤを用いた試験をもとに新構造の効果を検証したのち鉱山にてテストを実施し、最終的に量産化するという一連の業務を行っています。タイヤの構造を変えたいといってもすぐに実現できることではなく、工場の方と協力しながら生産に向けた準備をしていきます。

業務のやりがいや、大変なことをお教えください

業務風景 【やりがい】
一言でいえば、今世の中にない新商品開発に携われることです。
タイヤは古くから存在していますが未だに解明されていないことが多く、性能向上の可能性が大いにあります。もちろん自分一人で達成できることではないので、基礎研究部門、材料部門、生産部門、市場調査部門等の協力のもとになされています。日々の検討のなかで自分が一番よく知っているという分野が出来てくると、開発に携わっているという自分の存在価値が見えてきます。私がメインで担当している商品はこれから市場でのテストを始める段階にあり、無事に目標性能を達成して新商品として世の中に出せることを願っています。 【大変なこと】
市場でのテスト前に室内試験をもとにしっかりと性能予測をすること、変更による懸念点に対して問題ないことをデータをもとに示すことが難しく、苦労をしています。お客様の安全を保障することはもちろん、テストタイヤとはいっても寿命が短いタイヤではお客様の鉱山オペレーションに迷惑をかけてしまうので細心の注意を払う必要があります。入社2年目でタイヤに関する知識もまだまだ不十分なので、指導社員や上司と日々議論を重ねながら仕事を進めています。

大学院生へのメッセージをお願いします

大学での研究内容をそのまま業務に活かすことができる人はそう多くないと思います。そのため、専門知識を活かすというより課題に対する解決シナリオを立てるところで研究室での経験を活かせると考えています。実験をする際には何となくパラメーターを振るのではなく、何が知りたいという目的を明確にすることの癖づけと、得られる結果の予測までするとロジカルな考え方が身につくと思います。また進捗報告の際には、結論を常に意識することで、言いたいことが伝わりやすくなると思います。

もう一つは研究以外に関することです。
大学院では研究室にいる時間も長くこもりがちですが、自分の知らない世界に目を向けることが大切だと私は感じました。研究室の先輩の紹介で、たまたま留学生と関わる機会がありました。プライベートのことに加え海外学生の将来に対する考え方を聞くことができ、自分をみつめ直す良い機会となりました。また、勉強熱心で合ったり自分以上に日本のことについて知っていたりして、彼らには色々なことを学ぶモチベーションを与えてもらいました。運よく留学生寮に日本人アシスタントとして入寮することができ、貴重な経験ができました。外の世界は意外と近くにあるものなので、気になったことはチャレンジすると自分にとってプラスになるのではないかと思います。

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