イノベーションサミット by 住友化学
東京日本橋タワー
化学・情報・生物・医学・物理…専攻も大学もバラバラな博士学生でチームを組む。自分の常識が崩れる瞬間がある。
住友化学の技術と自分の専門を掛け合わせ、社会課題に向き合う。お題は当日明かされる。正解はない。
あるのはロジックと熱量だけ。
最終発表で住友化学のR&D社員が審査。最優秀チームには賞金3万円/1人。それより価値があるのは、現役研究者から返ってくる本気のフィードバック。
「博士の強みとは何か」をテーマにした異分野ディスカッション。
初めてチームメンバーと出会い、Day1に向けて思考を動かし始める場。
いよいよ本番のグループワーク。自分たちの専門性を組み合わせて、社会課題の解決策を作る(分野の掛け合わせによる0→1)。方向性が何度も崩れ、何度も立て直す。夕方に中間共有。
グループの最終発表。住友化学のR&D社員・イノベーター社員が審査し、直接フィードバックを返す。発表後は住友化学の共創スペース「シナジカ」を見学し、卒業生との懇親会へ。
最優秀チームへの賞金。
ただし、得られるのはそれだけではない。
コロナ禍で学会の機会も少なく、就職活動もまだ始めきれていなかった博士時代。「他の分野の博士と話してみたい」という気持ちで参加したイノベーションサミット(以下、イノサミ)が、住友化学への入社につながった。2年目を迎えたいまの視点で、当時の迷いと、参加して変わったことを聞いた。

アカデミアに残ることも一時期は考えていました。海外での研究にも興味があったからです。ただ、自分のやっていた研究が一人で完結するような内容だったこともあり、企業でチームとしてプロジェクトを進めることに惹かれていきました。経済面での不安もあり、総合的に判断して民間企業に進もうと考えました。正直、就職活動はその当時まだあまり始められていませんでした。
もともと住友化学への志望度は高いほうでした。就活を始めきれていない中で「まず参加してみよう」という気持ちでした。コロナ禍で学会に出る機会が少なく、同じ分野の人とばかりだったので、他の分野の博士と話してみたいという興味もありました。
参加して一番印象が変わったのは、会社が博士に真摯に向き合っていると感じたことです。「民間に出た博士は宝の持ち腐れになる」といった話も聞いていて、自分がどう扱われるのか不安がありました。でも人事の方をはじめ、本気で向き合ってくれていると感じられて、それが大きな収穫でした。
(余談ですが、当時同じグループだった人が、いま同じ部署の同期です。)
いまはプロセス開発という、製品の製造に近い仕事をしています。開発した製品をいかに大量に、効率よく作るかを考える仕事で、研究だけでなくコスト意識やスケジュール調整、お客さまに近い立場での対応も求められます。
正直、しんどい時期もありました。研究がしたくて入ったので、そこに時間を取られることにギャップを感じたんです。ただ、慣れもあって、研究とビジネスをどう掛け合わせるかという部分に面白さを感じるようになりました。入社して半年〜1年ほど経ち、大変な時期を越えて成果が数字で出はじめた頃に「やれているな」と実感できて、そこが一番楽しかったです。
迷っているなら、一度踏み込んでみるのはすごくありだと思います。経験してみないと、大変さも、その先に見える景色も分かりません。迷っているくらいなら、参加してみたほうがいいと思います。
参加して、とても刺激を受けました。分野が違っても、相手に分かりやすく伝える力の高い人が多くて、こういう人たちと社会に出ていくのかと思えたことが刺激的でした。
当時お世話になった住友化学の方からいただいた「博士課程の研究を悔いなくやりきってください」という言葉は、いまも心に残っています。その言葉もあって、残りの研究生活をやりきることができました。だからこそ後輩にも、博士課程の研究を悔いなくやりきってほしいと思います。
学生時代はずっと分子動力学シミュレーションに取り組み、その力を「実際のモノづくり」で活かしたいと考えていた。イベントで出会った一つのプレゼンと、一人ひとりに真剣に向き合う住友化学の姿勢が、入社の決め手になった。入社5年目、シミュレーションと実験の両方を経験したいまの視点で、当時の選択とキャリアの広がりを聞いた。

博士時代、就職についてそれほど迷いはありませんでした。もともと民間企業に行きたい思いが強く、アカデミアに残ることはあまり考えていなかったからです。博士がよく気にするのは収入面だと思いますが、私は学振をいただけていたことや指導教員のフォローもあって、生活の見通しは立っていました。企業を選ぶうえでは入社後の収入や福利厚生も考えましたが、いちばん大きかったのは、学生時代ずっと取り組んできたシミュレーション(分子動力学)の知見を、実際の製品づくりや工業化の現場で活かしたいという思いです
住友化学に惹かれた一番の場面は、イノサミでのイノベーター社員のプレゼンでした。素直に「すごい」と感じ、これが住友化学を選ぶ決め手の一つになりました。「材料メーカーが巨大IT企業に唯一勝てるのは、“実際のモノのデータ”を持っていることだ」という話で、理論整然としていて強く印象に残りました。私はソフトウェア開発に進むか材料メーカーに行くかで迷っていたのですが、“実データがあるからこそ材料メーカーには強みがある”という視点に背中を押されました。実際にモノをつくり、データを生み出せることは、生成AIが広がるいまでこそ大きな強みだと感じています。
イベント自体では、グループワークが忘れられません。コロナ禍のオンライン開催で、最初は議論がまとまらず、真っ暗な画面のまま1時間が過ぎたこともありました。それでも各自が考えを持ち寄るうちに少しずつ意見が出て、最終的にまとまり、コンペで優勝することができました。煮詰まった時間から良いアイデアが生まれ、流れに乗っていく感覚が面白く、「考えを寝かせる時間」の大切さも学びました。
実は当時、私はすぐにエントリーを決めていたわけではありませんでした。それでも最後に背中を押されたのは、住友化学が一人ひとりの博士に真剣に向き合ってくれていると感じられたことです。自分の研究や関心をきちんと見てくれていて、「必要としてくれている」と実感できました。選考もスムーズに進み、研究を大切にしてくれる住友化学の姿勢が、迷いを解いてくれました。
入社してからの約4年間はDXやシミュレーション、機械学習に取り組み、昨年10月に異動して、いまは半導体関連の材料開発を担当しています。これまではシミュレーション中心でしたが、いまは実験どっぷりの日々です。面白いのは、シミュレーションで学んだ理論と実際に起きる現象がつながる瞬間があること。両方から見ることで、開発課題や現象の背景を深く理解できると痛感していて、大きなやりがいを感じています。
博士の経験が活きるのは、問題が起きたときです。複数の要因が絡み合って一つの事象が起きているとき、要因を分解して切り分け、「そもそもなぜこの要因が生じるのか」を科学的な理論から考察する——そうした思考が自然と出てくるのは、研究で培ったものだと思います。
異動して一度「素人」に戻り、自分発信で進める場面は減りましたが、関わる事業のスケールは大きく上がりました。以前は社内で完結する仕事でしたが、いまは将来100億円規模を目指す事業に直結していて、世の中へのインパクトを実感しています。根っこには原理原則を解き明かしたい気持ちがあり、いずれは原子レベルのシミュレーションにも戻りたい。ただ、「なぜそれが必要か」を事業の言葉で説明できる人でありたく、いまの経験はその糧になっています。
参加を迷っているなら、とにかく一度行ってみてほしいです。参加がそのまま選考や内定につながる可能性もありますし、そこまで大きな負担にもなりません。何より、現場の社員と直接話せる機会には、そこでしか得られない情報があります。自分がその“現場の人”の側になってしまうと少しくすぐったいのですが、現場の人と話せることは、進路を決めるうえで本当に大事な機会だと思います。



住友化学が東京本社(日本橋)内に開設した
共創スペース。
「化学でイノベーションを語ろう」をコンセプトに、
異分野の知が交わる場として設計された。
最終発表の後、参加者全員がここを訪れる。
懇親会で社員の方々と話し、専門性だけでなく人そのものを見てくれるマインドを感じて、入社したい気持ちがとても強くなった
専門性の垣根を越えて人が集まり、話し合うことの価値を身をもって感じた。プログラム全体を通じて“博士”の価値を認識できた
異分野の博士学生とビジネスプランを1から作り出す経験ができた。社内見学や懇親会を通して、住友化学の理念や組織体制まで理解できた
懇親会で社員の方に、HPではわからない部分まで聞けた。情報交換しあえる友人もできた
イノベーションサミット
by 住友化学