ポスドクの保活事情 ③当事者の声は学振に届いている

博士の日常
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後続のためにも道をつくる努力は無駄ではないはず

誰が悪いわけでも、何が悪いわけでもありません。

保育所の定員に対して、入園を希望する家庭の数が多いのですから、選考がシビアになるのは必然ですし、他の職業に対しポスドクの優先順位をあげるべきだとも言えません。

ただ、世間一般に知名度の高い職業とは言えませんし、前回あげた特殊な事情により、「保育の必要性」が伝わらないということはできるだけ避けたいことです。

公正な判断のもと、やはり他の家庭のほうが優先度が高く、入園がかなわなかったということは十分ありえますし、納得できますが、誤解によって不当な評価になることは悔いを残します。

保育園の入園可否が決まるのは2月から3月、新学期開始のギリギリの時期です。

大学の非常勤で、担当科目も決まりシラバスも印刷されているような状態になって、「保育が確保できなかったので授業できません」などということはできません。悔いを残すどころではないのです。
(先輩には、赤子を背負って講義を行っていた方がいらっしゃいます)

しかし書類上は、それだけ優先度の低い職にみなされてしまうのが現実です。

せっかく学振に採用していただいたのに、「保育の必要性が低い」との判断をされたときには、自身の研究の価値を否定されたようでわたしは精神的にも結構堪えました。

大学や研究機関の多い地域では、前例から担当者が「ポスドク」の事情を理解してくれている場合もあるそうです。

「学振特別研究員」という言葉で説明が通る担当者や自治体もあるとの体験談をきくこともあるので、これは運によるところもあるのでしょう。

この話は、先人が道を作っておいてくれた場合には感謝しなくてはと思うと同時に、わたしの試行錯誤も、いつか後に続く人の役に立つかもしれない、利己的な徒労ではないかもしれないと、少し気持ちを前向きに持ち直させてくれました。

その意味では、学振には毎年採用者の方々が要望を出し続けてくださり、学振もそれに応える努力をしてくれているので、行政に対する書類申請にはできる限りの対応をしてくれています。

雇用関係もなく勤務実態を管理しているわけではないので、就労証明書は発行できませんが、研究員としての身分は証明できるので、「就労」を「採用」と書き換えるなどの対応で、行政の様式への記入をしてくれるのです。

公式には、ウェブサイトに以下のような記載があります。

原則として、本会所定の様式以外での証明書の発行はできません。但し、保育園への申込等、やむを得ない事情により提出先の指定の様式(例:就労証明書や育児休業期間証明書等)で証明書を発行する場合があります。なお、提出先の指定の様式で証明書を発行する場合でも、本会で証明する事項は、本会所定の採用証明書に記載の次の事項のみとなり、例えば勤務時間や通勤時間等は本会で証明することができません。(日本学術振興会 – 特別研究員 「よくある質問」より抜粋)

しかし、自治体によっては、「様式の改変は認めない」との文言があり、それを理由に、学振発行の申請書類では受付自体がされない場合もあるようです。

また、就労時間の記入がされないために、保育の必要性優先順位、ポイント加点の重要な判断材料が抜けてしまうことは、やはり大きく不利に働くことはふせげません。

ポスドクの保活事情 ④行政が理解できる書類の重要性
ポイント加算にはともかく書類第一子のときの保活では、何度か役所に足を運び、担当者に相談という形でなんとかポスドクの身分を理解してもらおうと試みました。複雑な事情は口頭での説明がわかりやすく、関係性を築いていくことで理解されるのではないか...

[文責・子育てポスドクさん]

<筆者について>
人文科学系のポスドク。大学院博士課程を単位取得満期退学後、任期付きポストと非常勤講師を兼任しつつ研究を続ける。 精神的不健康傾向の会社員のパートナーと、特撮大好きな幼稚園年長の娘、頑なに音声言語を話そうとせずにこの頃ハンドサインの語彙を増やしている一歳半の息子との4人暮らし。

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