アカリク式 ES作成のポイント

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今や企業への応募の際にはほとんどの場合、エントリーシート(ES)の提出が必要となっています。

同じ中身でも書き方次第で受け取る側が抱く印象は変わります。

本稿は、研究との両立で忙しい大学院生の皆さんに向けて、ESがなぜ存在するのか、注意点や書くべきことは何か、具体的な改善のポイント等を解説いたします。

ESの使われ方と概要

採用側にとってエントリーシート(ES)とは何か?

1.採用の可能性がある、会いたい人物を簡易な方法で絞り込むためのツール

 →自社への志望度、希望職種、希望事業などを確認する→性格、性質、人間性、能力を知る

2.面接に向けた事前の情報収集の役割

3.面接の場面での質問のためのツール

ESは、絞り込むために使用される→選考で「残る」ESを作成したい!

応募者側にとってエントリーシート(ES)とは何か?

  1. プレエントリー:数万人
  2. ES提出者:数千人
    a.  Step1:所属、学歴、専攻、志望職種などで大まかに分類
       i. 学校推薦、研究科推薦枠を設けている場合には調整する場合あり
       ii. 食品メーカーで不足気味の応募者層(ex.機械系・電気系)については幅広く募集する
       iii. 研究開発職→専門が合致しているところに絞り込む ……といったことがある
    b. Step2:分類後に内容を確認し、会いたい応募者の「絞込み」を行う
       i. 形式面での絞込み:誤字脱字、空欄が多すぎないかなどの形式面で足切り
       ii. 内容の確認 :会いたいと思うかどうかを総合的に確認
       iii. 上記の絞り込みを外部に委託している場合もある
  3. 面接人数:数百人
    a. 個別面接(人事・現場社員・役員・社長など)
    b. グループ面接、グループディスカッション等でさらに絞り込み

ESの基本構成

大きく分けて3つの確認で構成されている

  1. 事実の確認:専攻、研究テーマ名、研究内容、習得スキル、母国語、留学経
    験、海外居住経験、免許、資格、職歴/アルバイト、得意な学科、苦手な学
    科、インターンシップ経験など
  2. 希望の確認:希望する職種(選択式、第1希望~第2希望)、その希望職種を選
    んだ理由、実現したいこと、希望する事業・部門の確認、他の希望先につい
    ての質問(業界・会社・職種)、どのような仕事をしたいか、選考地区の希望
    (ex. 東日本、西日本)など
  3. 自己PR/応募人材理解:志望理由、応募動機、自身の長所や短所、学生時代に
    力を入れたこと、最大のチャレンジ、困難の克服方法、学生時代に最も苦労
    したこと、努力した経験、○○の時どのように考え行動したか、いま興味を
    持っていることとその理由、人生の中で最も心に残っている経験・成果、大
    切にしたいこと、将来弊社でやりたいこととその理由など

ES記入時の注意点、書くべきこと

ES記入時の注意点(すべきこと)

1.わかりやすく簡潔に書く
  → 選考者は応募者についてESで初めて情報を得るので、
    応募者について頭の中はまっさらな状態
  → 選考者は多くのESに目を通すので、把握しやすさが重要
2.自分自身のことを説明し、PRする
  → HPやES参考書の丸写しは魅力ゼԀ
  → 応募先(相手)のことのみを書いていないかチェック
3.応募先の業種、職種(どのように利益貢献するか)、社風を意識し、
  業務上プラスとなる経験・特徴を取捨選択して記述
  → 相手が重視している点、知りたい点について記述
     Ex. 技術職ならチームワークや業務遂行力、営業職ならフットワークや対人能力など
     ※業種、職種の理解、社風の理解が土台となります

4 .自己紹介ではなく自己PRをし、自身を売り込む
   ・自己紹介 :事実の提示
  ・自己PR :相手が関心のある点を切り出してアピール
→事実+売込み(意気込みも含める)
5.相手と自身とが「繋がる点」や「相手の関心の高い点」を提示する
  → 人は自身と繋がっている点や損得のある点に関心を持つ
  → 技術でも、価値観・世界観(想い)でもなんでも良い
6.相手が理解できる言葉、用語を使う
  → 基本は専門外の人でも理解できる説明
7.応募先に貢献し成長できる自身の姿を具体的根拠と共に描き、
  前向きな姿勢・心構えを伝える

ES記入時の注意点(べからず)

1.設問へそのままニュートラルに答えない
  → 応募先(業種・職種・社風)が求めるものを意識
  → 相手の知りたいこと、評価する点を踏まえて
    相手に対してPRとなりうる自身の経験や特徴を提示し、売り込む
  → 自身を飾る必要や偽る必要はないが、何をPRするかは意識する
2.企業ウェブサイトの写し書きや参考図書の写し書きをしない
  → 人事担当者は多くのESに目を通すので同じ表現はすぐ見つかる
  → 自社のことではなく、自分自身についての具体的な記述が求められる
  → ウェブサイトや参考図書の書き写しは魅力ゼԀ
3.短時間で説明しきれない難解な話題を書かない
  → ESは面接での話題提供ツールでもあるので端的に説明できないような
    難解な話題を書くと、その説明で面接が終わってしまうことがある

4.不安を感じさせるようなエピソードは書かない
  → わざわざ不安を想起させるエピソードを書く必要はないが、嘘もダメ
  → 失敗談を書く際は、「学び、成長し、改善した点」をセットで書く
5.盛り込みすぎない
  → 1つの設問には、1つ(多くても2つ)のポイントに絞り込む
   (盛り込みすぎると、何をPRしたいかわからなくなる)
  → ESの記入欄ごとにアピールしたい点を割り振るとよい
   (A欄→研究能力、B欄→人間性・協調性、C欄→現実主義の努力家など)
6.独りよがりにならない
  →「貴社は○○なので、○○すべきだと思います」というような
   「べき論」は求められていない

7.他者・環境を責めない
  →事実だとしても他者や環境を責めず、自身の前向きで建設的な面を表現
Ex. 研究室・大学を替えた理由の場合
・NG:ディスカッションできない雰囲気の研究室だったから
  ・OK:より多くの人と出会い、ディスカッションしながら自身の
        世界を広げて能力を向上させたかったから
  →他社や環境を責めると、「他責傾向」があり成長速度の遅い人材、
   仕事でも他責要素が出る人材と捉えられる場合がある
8.経験やアピールポイントの少なさを感じさせることを書かない
ex. 就職活動自体の経験を書く
  小・中学校での些細な経験(クӼスで表彰された実績)を書く

ES記入時のポイント(記入テクニック)

1.小見出しを付け、結論から記入し、冒頭文を短くする
  →人事は多くのESに目を通すので、伝えたいことを簡潔に明確に伝える
   伝えたいことを単刀直入に提示したり、結論から記入をする
  →冒頭文を短く、長くても2行で収まるようにして結論・要点を伝える
  ※質問に対して「Answer first」で返答することは、
   論理的コミュニケーションの基本なので面接でも実践しよう
2.伝えたいことの構成を最初に伝える
  →「私の長所は2つあります。1つは○○、もう1つは○○」というように
   構成を始めに伝えると相手は理解しやすい
3.箇条書きや番号、記号を活用する
  →1)、2)というナンバӽングや、箇条書き、■、◆、【】などの記号を
   活用すると見やすくなる

4.要点をまとめる、下線で目立たせる
  →ESを書いてみて、自身が伝えたい要点に下線を引いてみる。
   要点部分が分散している場合は、文章の構成の工夫ができるか検討。
   要点が文中に埋もれてしまう場合は、相手が把握しやすいように
   下線などで目立たせて提出する。
5.「AではなくB」→「Bです、なぜならCだからです」
  →記入欄や文字数が限られるESでは、「AではなくB」という表現よりも、
   「B」という結論を端的に提示し、「理由のC」まで伝える方が効果的
6.行間や欄との間を適度に取り、見やすく書く
7.文字の大きさは10~14ポイント程度
8.数字や具体名を適宜盛り込む
  →エピソードが具体的になり、説得力が生まれる

ES記入時のポイント(記入内容の考え方)

明確に自分の強みがある方はそれを中心にすることができますが、なかなか自分では分からないことも多いでしょう。強みを無理矢理に見つけようとすると、「こじつけ」になりがちです。


そこで、まず「何を頑張ったか、苦労したか」というエピソードを思い返して、その時にどのような能力が発揮されたかを考える手順をお勧めします。

ES作成の具体例

ESを記入する際の思考訓練

問題:異なる応募先や応募職種のESで同じ設問が出た場合どうするか?

応募先メーカー戦略コンサルティング
志望職種研究開発費コンサルタント
ESの設問あなたがが学生時代にもっとも頑張ったことをご記入くださ
い。そのうえで、頑張った経験から得たものをご記入くだ
さい。

   「もっとも頑張ったこと」は一つなので、同じ内容を書く?

ESを記入する際の思考訓練

結論:同じエピソードでも、相手の訴求点に合わせて書き分ける
Ex. 研究活動に関する話題を書く場合、メーカーには「チームワーク」、コンサルティング
企業には「論理的思考」をした場面を記述、というように書き分ける

エピソードを通して自身が活躍できる裏付けを提示

自身の特性を見せる裏付けの説得力の度合い            

ES記入事例:要改善の例と改善後の例

改善の余地がある例(ES例1)

【学生時代に力を入れて取り組んだことをご記入ください】


学生時代には研究室での研究のみに閉じこもるのではなく、様々な人に声をかけて異分野交流活動を行い、注力しました。異分野交流活動ではお互いの研究内容や活動内容を紹介するほか、懇親会を行ない親睦を深めました。学生同士での交流のほかに、留学生や芸大生、農村の方々などと交流を行いました。

また、企業の方を招いて大学にてポスターセッションを行いました。この開催は指導教官の協力を得ながら自分たちで自主的に行いました。技術に関するアドバイスや企業での研究開発の視点からのアドバイスをいただきました。

どこに改善の余地があるか考えてみよう!

改善すべき点(ES例1)

学生時代には研究室での研究のみに閉じこもるのではなく、様々な人に声をかけて異分野交流活動を行い、注力しました。

  • 段落は1文目は端的に答える
  • 「Aではなく、B」という表現は誤解を招く
  • 異文化交流活動は自主活動?それとも授業?サークル?

学生同士での交流のほかに、留学生や芸大生、農村の方々などと交流を行いました。

留学生や芸大生も「学生」なので矛盾している

また、企業の方を招いて大学にてポスターセッションを行いました。この開催は指導教官の協力を得ながら自分たちで自主的に行いました。技術に関するアドバイスや企業での研究開発の視点からのアドバイスをいただきました。

事実の提示にとどまり、何を学び何を見つけたのか分からない

改善後の例(ES例1)

【学生時代に力を入れて取り組んだことをご記入ください】

私は学生時代に異分野交流サークルの運営に注力しました。私自身、様々な価値観を持つ人に会ってみたいと考えたためです。サークル活動では異分野の研究者や留学生、芸大生、農村の方々などとの交流会を年4回開催しました。

また、企業の方を招いて大学にてポスターセッションを行いました。技術に関するアドバイスや企業での研究開発の視点からの意見をいただき、自身の研究も大きく進みました。
このように私はサークル活動を通じて、様々な人と交流する喜び、様々な視点の大切さを学びました。

私は学生時代に異分野交流サークルの運営に注力しました。私自身、様々な価値観を持つ人に会ってみたいと考えたためです。

  • 短く端的でわかりやすい
  • 結論→理由の順で整理

サークル活動では異分野の研究者や留学生、芸大生、農村の方々などとの交流会を年4回開催しました。

  • 矛盾のない表現
  • 具体的な数字

自身の研究も大きく進みました。

意見を貰ったことで得た成果まで記述

このように私はサークル活動を通じて、様々な人と交流する喜び、様々な視点の大切さを学びました。

自信が学び、身につけた点を記述して自己PR

改善の余地がある例(ES例2)

【学生時代に力を入れて取り組んだことをご記入ください】


アルバイトに力を入れて取り組みました。私は1)学生時代に実際にお金を稼いでみたい、2)自分が苦手だと感じているコミュニケーション能力の向上に取り組みたい、3)同じ大学以外の学生の友人を作りたいと考え、居酒屋で3年間ホールスタッフのバイトをしました。


最初はメニューが覚えられなかったり、注文を間違えたり、適切な接客ができないなどの苦労をしましたが、最終的には笑顔でそれらをこなすことができるようになりました。

また、食事つきのバイトであることからバイト後の会話で仲間ができ、楽しい学生生活を送ることができました。
居酒屋のバイトを通じて自身が苦手意識を持っていた能力を向上させることができたと考えています。

どこに改善の余地があるか考えてみよう!

改善すべき点(ES例2)

3)同じ大学以外の学生の友人を作りたいと考え、居酒屋で3年間ホールスタッフのバイトをしました。

「しました」の口語や略語は避ける

最初はメニューが覚えられなかったり、注文を間違えたり、適切な接客ができないなどの苦労をしましたが、最終的には笑顔でそれらをこなすことができるようになりました。

重要ではない

また、食事つきのバイトであることからバイト後の会話で仲間ができ、楽しい学生生活を送ることができました。

わかりにくい

居酒屋のバイトを通じて自身が苦手意識を持っていた能力を向上させることができたと考えています。

全体的に情報過多で、自己PRの焦点が不明瞭

改善後の例(ES例2)

居酒屋のアルバイトを通じてコミュニケーション能力の向上に努めました。大学入学当初、私は人とコミュニケーションを取ることに苦手意識があり、これを克服したいと考えました。


3年間ホールスタッフとして働きましたが、はじめはお客様との会話に気後れし、チームにおいてもうまく会話をすることができず、悔しい思いをしました。

しかし、ある日、先輩スタッフと会話することで「お客様が快適に楽しめる対応をしたい」という強い思いを持つに至り、自ら声をかける積極的な姿勢とコミュニケーションの重要性に気づくことができました。

1)様々な年代の方との会話、2)スタッフとの連携の場面での日々の努力の結果、コミュニケーションの苦手意識を克服することができました。

苦手意識を克服できたこの経験と自信は、今後も様々な困難にぶつかった際に自分の強みとなると考えています。

ES記入の基本構造

おわりに

ES作成のポイントは以上となります。


自己分析や企業研究のやり方に悩んでいる方は、これらのポイントから逆算して考えるとよいでしょう。


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この記事はPDFで公開した「アカリク RS作成のポイント」を元に記事を作成しています。

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