引用するなら要注意!やってはいけない「孫引き」とは?

アカリクコラム
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 大学生・大学院生であれば避けては通れないのがレポート課題。レポート課題を進める上で行われる引用は、正しく行わなければ盗用となります。一昔前に研究偽造が世を騒がせたこともあり、盗用について言及される先生方も多いのではないかと思います。

 ところでこの記事を読んでいる皆様は、「孫引き」という言葉はご存知でしょうか?

 引用にもいくつか種類がありますが、その中でも孫引きは「なるべく避けるべき方法」として上げられることの多い引用方法です。今回はこの孫引きについて紹介いたします。

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そもそも孫引きとは?

孫引きの辞書的定義は「直接に原典から引くのではなく、他の本に引用された文章をそのまま用いること」とされています。

【引用】デジタル大辞泉「孫引き」(2021年7月30日閲覧)

 例えばAという本に載っていたことを引用したい場合、Aを直接引用する場合は「引用」です。

 一方で、Aを引用しているBという本があり、Aそのものから引用せず、Bから「Aという本でこのように述べられている」ということを引用した場合、これは「孫引き」に当たります。

 また、例えば外国語の資料があり、これを日本語に訳した本が別にあったとします。自力で翻訳しながら外国語の資料を引用した場合は「引用」で、日本語訳の方から「外国語の資料にはこう述べられていた」と引用した場合は「孫引き」に当たります。

孫引きはなるべく避けるべき

 結論から述べますと、孫引きはレポートや論文作成の際には可能な限り避けるべきです。

 引用とは、持論の展開のために他の人の意見を自分の著作内で紹介する行為ですが、適切な引用のためにはその出典、つまり情報のソースを明らかにすることが必要不可欠となります。

 孫引き、つまり引用から引用した場合、情報のソースが原典とは異なってしまうことになります。これは適切な引用とは言えません。また、自分が参照している引用がそもそもの原典を必ずしも正確に引用しているとは限りません。

 引用の際には可能な限り、原典を自分で確認し、そこから引いてくることが望ましいです。

孫引きが許される場合もある

 一方で、孫引きを用いるのもやむなし、とされるケースもあります。

 例えば、既に絶版している、大学の図書館や使用可能なサービスの中では原典が扱われていないなど、物理的に原典を入手することが難しいケースです。引用したい情報がどうしてもその資料からしか得られず、かつその資料を入手できない場合は、孫引きが認められます。

また、英語以外の言語などで自力の翻訳が困難な場合も、大学生の授業内で課されるレポート程度であれば、翻訳本から孫引きすることが認められることもあります。

どちらのケースであっても、孫引きを行う資料が信頼のおけるものであることを確認しましょう。

どうしても孫引きをしなければならない時の引用方法

 どうしても孫引きをしなければならない場合、記載が必要な情報は、原典とそれを一次引用している資料、両方となります。また、孫引きであることがはっきりと分かるように引用しましょう。

 北村(2016)は、やむを得ず孫引きをする場合の方法について以下のように述べています。

「孫引き引用をした場合には、原本・原典とともに、それを一次引用した著作物の出所も明示すべきです。(略)まず孫引き引用をした部分の直後に原本・原典の出所を明示し、そこに注を付け、その部分を含む節や章の末尾に一次引用した著作物(つまり、孫引き引用した貴方が実際に見た著作物)の出所を明示します。」

引用文献:北村行夫,(2016年)「Q&A 引用・天才の実務と著作権法」中央経済社, p.81

例えば、田中著『日本国の問題』という書籍から、本来は引用すべきところをやむを得ず佐藤著『日本国の変遷』という書籍から孫引きする場合は以下のように記載します。

本文の引用箇所 「……であると述べられている(田中, 1995, p.60)注1。」

章や節の末尾 「注1 佐藤, 2010, p.110」

まとめ

この記事では、孫引きについて解説しました。簡単にまとめると以下のようになります。

 ・孫引きとは「原典を参照せず、他の文書の引用から引用する」という行為

 ・原則として孫引きは避けるべきだが、やむを得ない場合は原本・原典とともに孫引きをした引用元も明記する

 「孫引き」という言葉自体あまり聞き馴染みのない単語であるため、うっかり孫引きと知らないまま行ってしまうこともあるかもしれません。基本的に孫引きはしないように注意しましょう。
やむを得ず孫引きを行う場合には、その引用がレポートや論文作成に必要なものであるかを十分に検討してから行いましょう。

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【監修】アカリクお役立ちコンテンツ編集部
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