企業タイプ別の就活スケジュール

企業/業界研究

この記事は大学院生や研究者の就職支援に特化したサービスを提供しているアカリクが事業活動の中で得た知見をまとめたものです。現在の就活スケジュールを企業タイプ別に紹介し、どのように対策していくかまとめています。基本的に大学院生を念頭に置いていますが、対策の仕方や姿勢は学部生でも大きく変わりません。

※本記事で用いられているデータはすべて2019年1月30日時点でのデータです。

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倫理憲章を基準とした企業タイプ

ここ数年は経団連(日本経済団体連合会)が設けた就活に関する「倫理憲章」に基づいたスケジュールが組まれ、多くの企業が追随してきました。政府主導での就活スケジュールが今後は用いられることになるようですが、移行期間の今は、これまでの動き方を学んだ上で対応策を練っておくのが良いでしょう。このスケジュールの要点をまとめると経団連による就活スケジュールは以下の通りです。

  • 入社13ヶ月前3月1日に採用情報の告知を開始
  • 入社10ヶ月前6月1日に採用選考を開始
  • 入社6ヶ月前10月1日に採用内定の告知を開始(企業によっては事前研修などを実施)
  • 翌年3月末に卒業して4月1日に入社

このスケジュールによると入社する1年以上前から採用活動がスタートすることになり、就活も同様に1年以上前から始まるということになります。2019年現在も基本的にはこのスケジュールが基本となっていますが、実際にはこのスケジュールを厳密に守る企業は非常に少ないのが現実です。例えば、3月から採用選考をスタートする、8月頃に「内々定」という名称で採用内定の告知をおこなう等のケースが多々見られます。

この倫理憲章はあくまで性善説の「紳士協定」であり、守る義務も罰則も無く、また経団連に加入していない企業にとっては効力がありません。経団連は歴史ある製造業を中心とした大手企業が中心となっているため、新興企業の多いIT業界やベンチャー企業は非常に少ないという特徴もあります。(ただし、2018年12月にはアマゾンジャパンとメルカリが経団連に加入したことが話題にもなり、状況は少しずつ変化していくものと見られています。)

経団連の倫理憲章に対する企業の対応は、次のようにタイプ分けすることができます。なお、倫理憲章を完全に遵守している企業は非常に少数派であると考えられます。

早期先行タイプ

夏冬のインターンシップや早期の職種説明会などで早期に接触して内定出しするタイプ。特にエンジニア採用や博士限定の研究開発職採用で顕著に見られ、場合によっては入社の15ヶ月前(1月頃)に内定が出るケースもある。特にIT系の場合は長期のインターンシップ(アルバイト)を勧めて来ることが多い。年々増加中。IT業界以外では製薬会社やコンサルティングファームなどに多い。

倫理憲章(一応)遵守タイプ

広報は3月に入ってからスタートするが、「ジョブマッチング面談」等の名称で実質的な採用選考(面接)を6月以前から実施するタイプ。6月以降の「面接」までは選考ではないという建前なので途中で落とされるケースは少ないが、最初の「面接」が最終面接となることも多々あるため気を抜けない。製造業やSIer(システムインテグレーター)がよく該当します。

倫理憲章(かなり)遵守タイプ

広報開始は3月1日、選考開始は6月1日以降と、かなり倫理憲章を遵守するタイプ。選考開始が厳格な代わりに7月までの短い時間で一気に選考を進め、8月中旬には採用の合否を確定させる傾向にある。応募者の多い大企業に顕著で、求職者が企業側の日程に合わせられなかった場合は落選となるケースもある。製造業のトップ層に集中して見られます。

通年採用タイプ

新卒、第二新卒、中途にかかわらず、「良い人」はいつでも採用するタイプ。社内で需要があれば常に採用活動している反面、充足したポジションは募集が打ち切られる。新卒でも中途採用のように短期間で活躍できるかどうかを見られることが多く、ハードルは決して低くない。中途採用枠の一部を新卒博士枠にする企業もあり、その場合はこのタイプに該当する。IT企業に多い。年々増加中。

このように企業の動向も多様であるため、前もって自分の志向性やそれに合う企業についての理解を深めておくことが必要不可欠となっています。倫理憲章そのものは廃止されることがニュースでも取り上げられていますが、政府と協力して新たな指針を策定するなど、何らかの新たな方針が打ち出されて状況が変化したとしても、上記のようなタイプが存在してきたという前提で批判的に観察することが重要です。

データから見る早期化の傾向

実際のデータからも、採用活動が年々早期化していることが分かっています。次のグラフはHR総研が発表したもので、2018年新卒および2019年新卒の採用に関して、企業説明会を実施した時期を表したものです。グラフは各月に説明会を実施した企業の割合を示しています。

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出典:HR総研/「2019年&2020年新卒採用動向調査(6月)」結果報告 vol.1

説明会のピークが4月から3月へと前倒しになっていることが顕著ですが、注目すべきは「2月以前」にも説明会が行われているという点です。これは早期先行タイプと通年採用タイプの企業が増えてきていることを示唆しています。

さらに、面接時期のグラフを参照すると、「3月」実施が顕著に伸びており、「4月後半以降」は昨年よりも割合が減っていることが分かります。これまでの流れとは明らかに異なる様相を表していますが、今後の可能性としては「通年面接化」が進むものと予想されます。ただし偏りは発生すると考えられるため、例年と同様に夏以降の採用活動は二次募集などが中心で下火となるでしょう。

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[出典:HR総研/「2019年&2020年新卒採用動向調査(6月)」結果報告 vol.1] URL [図表8]面接時期の2年比較

内定出し(ジョブオファー)の時期に関しても全体的に前倒しが進んでおり、例年と同様に「6月以前」が中心となっています。採用選考は概ね最初の面接から早ければ1ヶ月、多くの場合は2ヶ月ほどの時間がかかることから、面接時期に引きずられていることが分かります。

画像3

[出典:HR総研/「2019年&2020年新卒採用動向調査(6月)」結果報告 vol.1] URL
[図表9]内定出しの時期(文系)

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[出典:HR総研/「2019年&2020年新卒採用動向調査(6月)」結果報告 vol.1] URL [図表10]内定出しの時期(理系)

採用選考の時期は企業によって異なるものの新卒採用においては、①夏までに終える、②年末で区切る、③年度末まで粘る、という三つのパターンがあります。もし研究の都合で夏以降に就活をスタートした場合でも、まだ可能性は残されているので諦めずに取り組んでいきましょう。

また、博士課程の方の場合は、よく修了が3月以外の時期にずれ込むことがあります。そういった場合は、次の年度の新卒として応募するか、中途採用枠へ応募するという手段を取ることができます。ただし、中途採用枠は基本的に経験者採用のため非常に難易度が高いとご認識ください。

企業タイプ別の対策

ここではさらに企業タイプ別の動き方と対策を考えていきましょう。

早期先行タイプ

M1またはD2の夏から秋に一般的な履歴書を作成し、現在の研究分野について非専門家に説明するための資料をA4用紙1枚以内で用意しましょう。各社の説明会開催やエントリー開始についてはばらつきがありますが、製薬会社や外資系コンサルティングファームであれば10月から12月がピークとなりますので夏休みが終わったら情報収集することをお勧めします。

大学院生の採用に意欲的な企業の一部は、「アカリクイベント」にも特設ページを用意してエントリーを受け付けています。

11月から1月までに最初の面接を行うケースが多いため、いつでも予定を入れられるように空けておくか柔軟に変更できるよう調整しておくと良いでしょう。順調に進んだ場合は2月から3月頃に最終面接まで進むため、4月までに内定が出るケースが多くなります。

3月以降に動き始める企業にも応募を希望している場合、まずは早期先行タイプに集中して取り組み、よそ見をしないように心がけましょう。後から他社を受けて内定を蹴るまたは決断に時間がかかると判断されて、途中で落選することがあります。これは入社予定人数をコントロールしてコストを確定する必要があるため、不確定要素や不安要素の多い人物が序盤から中盤のスクリーニングで弾かれてしまうためです。

倫理憲章(一応・かなり)遵守タイプ

採用情報が公示される3月1日からプレエントリーという名称で受付開始する場合が多々ありますので、忘れずに登録しておきましょう。

正式な面接を開始する6月までの期間に採用担当から「カジュアル面談」や「ジョブマッチング面談」などのお誘いを受けるケースが非常に多いので、メールや通知は無視せずに確認しましょう

これらの「面談」は実質的に選考の一部となっているので、服装や会話内容が堅苦しくなくとも、発言内容や態度には気をつけましょう。こうした面談でポイントとなるのは、会社や仕事について深く理解しようとする姿勢です。企業の人と話すのに慣れていない最初の頃は、間合いが取れずにストレートな表現の質問をぶつけてしまって失敗しがちなので、福利厚生や給与待遇については迂闊に触れないほうが賢明です。

最初の正式な面接が役員面接や社長面接を含んでおり、最終面接となるケースを良く耳にします。人事や現場社員では専門や実績などが話題となりますが、役員や社長との面接では「会社文化との相性」を見るために人物評価のウェイトが非常に大きくなります。大学院生の勝ちパターンとしてよくあるのが「会社理念へ心から共感」です。日頃から社会に対する問題意識や理想を持っていると良いでしょう。

通年採用タイプ

このタイプの企業だけを狙っている場合は、応募を焦らずに、即戦力に準ずる評価が貰えるような実績を作ることを念頭に研究に専念すると良いでしょう。変則的な中途採用という形で実施している企業が多いため、実績や能力でシビアに評価されるためです。

もし他のタイプの企業も同時に検討している場合は、他のスケジュールに合わせて同時並行で進めることをお勧めします。通年採用タイプの場合は企業側が急いでいないので、もし他社選考が早く進んでしまいそうな場合は状況を伝えておくと、スケジュールを合わせてくれることも多いので試してみましょう。

基本的には何度でも受けることができますが、概ね半年経過しないと再挑戦できないことが多いので注意が必要です。ただし、人物面ではなく実績不足が原因で一度落選していて、その後に企業に関係する分野で非常に大きな成果を上げた場合は、半年経過していない場合もチャレンジしてみると良いでしょう。

以上のパターンを基準として把握しておき、特定の企業を狙っている場合は情報を逐一チェックして、修正しながら対応すると良いでしょう。

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著者プロフィール
アカリクお役立ちコンテンツ編集部

株式会社アカリクの15年以上にわたる大学院生・ポスドク・研究者のキャリア支援活動の中で得た知見やデータをもとに、編集部員が記事を執筆しています。

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