応募書類に研究内容を書く時のコツ

ES対策

この記事は大学院生や研究者の就職支援に特化したサービスを提供しているアカリクが事業活動の中で得た知見をまとめたものです。大学院生が企業への就活に置いて応募書類を書く時に、研究内容をどのように書くと良いかという情報を一般化しています。アカリクで支援した方々の応募書類に対する企業からの反応をふまえていますので、研究で自分をアピールしたい学部生や、ポスドク・若手研究者の方にも参考となるかと思います。

大前提:大学院生 ≠ 研究

研究活動が生活の大きな部分を占める大学院生にとって、研究は自分自身のように錯覚しがちですが、冷静になって考えてみればそんなことは全くありません。この大前提を忘れたままだとどうなるか想像に難くないでしょう。自分をアピールするはずが研究内容の発表となってしまいます。

あくまでも「人間」としての自分を語る必要があります。専門性は経歴、実績、資格などから分かりやすいものです。ただ書類上で見られているのは書いた中身だけでなく、その「伝え方」まで含まれていることに留意してください。「この研究をしてきた自分」について説明することを念頭に置いて書類を作成しましょう。

例えば応募書類に「研究の意義」を書くのは丁寧で良いことですが、これは「自分はこういう考え方をしている」という説明になるからであって、その研究自体を売り込んではいけません。入社したいのは研究ではなく自分という人間なのですから、その人間について語るべきでしょう。

例外があるとすれば、博士レベルを求める研究開発職の募集で、仕事内容と自分の研究内容がほぼ一致しているパターンでしょう。実際にそういった例は大企業やベンチャー企業で見ることができますが、これは非常に限られたケースであることを肝に銘じてください。

賢い中学生に向けて書こう

どうしても研究を説明しようとすると、専門用語がたくさん出てきたり、前提知識を求める内容になってしまいます。大学院出身で研究開発職の方が読むのであれば問題ないかもしれませんが、実際には様々な人が目を通して評価をつけることになります。そこでオススメしたいのが「賢い中学生に向けて書く」ということです。

専門用語はできる限り控えるのが好ましいですが、どうしても外せないものは最初に文中で言及した時に語義を添えて意味を定義してしまいましょう。これは文字数制限が厳しい場合には特に有効です。ただし、厳密な定義を目指すと逆に長く難解になってしまうので、あくまで概要やその文章を理解する上で必要不可欠な説明に留めましょう。

読みやすい文章は論理的で簡潔で丁寧

応募書類は多くの場合に文字数制限があり、そして文字数が多ければ良いというものではありません。特に就活の文脈では応募書類に求められるのが「読みやすさ」です。応募する本人にとっては1社でも、応募される企業から見ればあなたは数百人~数千人の中の1人となります。いくら経歴が良くても、読みにくい文章というだけで、企業側の意欲は下がってしまいます。むしろ経歴が良ければ良いほど悪い意味で目立ちます。

文章のスタイルは様々ですが、物語を書くのに適した「起承転結」は避けるのが無難でしょう。大学院生が慣れ親しんでいるもので幅広く応募書類に使えるのが論文の構成です。結論となる一言を冒頭に持ってきて、結論の意義など補足を書いて、それから具体的な話に触れ、最後に結論を言い換えて締める形式です。

具体的な話の部分は、応募書類では「エピソード」として語れるストーリー性のある内容が一般的には好ましいです。例えば、24時間連続で行う必要がある実験を数人で分担した際に失敗を防ぐために何を心がけて実行したか、という程度の具体性が求められます。厳密である必要はありませんが、だからといって過度な脚色にならないよう気を付けましょう。

相手が知りたい情報から逆算しよう

採用活動を行っている企業は何を知りたいのでしょうか? 応募書類には様々な情報を書きますが、その中で研究内容はどのように捉えられるのでしょうか? 読み手となる人を想定しておくと、その書類に書くべき内容が見えてきます。

応募書類を読むと想定されるのは、採用担当の人事、応募職種の現場マネージャー、会社役員や社長の三つに絞り込めるでしょう。社員面談などを行う場合は現場の若手社員も目にする可能性が高くなります。書類を目にする順番としては一番最初が人事で、その後はマネージャー、若手社員、会社役員、社長となることでしょう。

もし既に書類応募して良い返事がこないという経験をされている場合、最初の人事判断でつまづいている可能性が高いことになります。読み手によって求めている情報は異なり、次のような違いが多くの場合あります。ちなみに面接でも同様な観点から見られます。

採用担当の人事:人物重視=人間としての魅力や特徴を見る

現場マネージャー:能力重視=現場で活躍できそうかを見る

会社役員・社長:動機重視=自社の理念に合っているかを見る

大学院生やポスドクは能力で測れば申し分ないと評価される傾向が非常に強いのですが、その前の段階である人物面がアピール不足で落選してしまうケースが多々あります。また、動機については人によるところですが、社会や世界に対して何らかの主張を持っていて、それが応募先の企業の理念と重なると、お互いに理解が進んで評価が高くなる傾向があります。

それぞれの配分は目安として【人物:能力:動機=5:3:2】を心がけておくと、大学院生やポスドクには丁度良いかと思います。書類上では研究内容を簡潔にして、現場マネージャーや若手社員など専門分野を理解してくれそうな方との面接の中で詳細に触れると良いでしょう。

推敲は誰かに手伝ってもらおう

大学院生の皆さんは、何度も書き直して良い文章ができたと思っても、翌日に読み直してみたらイマイチだったという経験があるのではないでしょうか。応募書類も同じで、なかなか納得のいく文章が書けないことがあります。そんな時は第三者の協力が役に立ちます。

理想的な協力者は「あなたの専門分野に詳しくないが親しい人」です。特に研究内容の部分については非専門家が読んだ時の感想が役に立ちます。知り合いに頼むのが恥ずかしかったり難しい場合は、大学のキャリアセンターに依頼してみたり、もし「就職エージェント」等を利用している方であればコンサルタントに頼んでみましょう。

※大学院生・ポスドクの皆さんへ※
最終年度も実験や論文で忙しいという方は、アカリクが提供している「就職エージェント」をご利用いただき、コンサルタントとともに進路を考えることもご検討ください。各種サービスはクライアント企業からのコンサルティング手数料等で運営しているので料金はかかりません。

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著者プロフィール
アカリクお役立ちコンテンツ編集部

株式会社アカリクの15年以上にわたる大学院生・ポスドク・研究者のキャリア支援活動の中で得た知見やデータをもとに、編集部員が記事を執筆しています。

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