文系大学院生の就活は日頃の準備が鍵

アカリクコラム
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このノートは大学院生や研究者の就職支援に特化したサービスを提供しているアカリクが事業活動の中で得た知見をまとめたものです。

よく使われる「文系」「理系」という区分は大きすぎて例外も多々ありますが、ここでは「非技術系」という意味合いを込めて「文系」と呼ぶことにします。心理学や経済学などを専門とする場合はここで言うところの文系には該当しない恐れがありますがご了承ください。

非技術系の能力や成果は伝わりにくい

定量的な研究は具体的な数字が出せるため理解しやすく伝わりやすい傾向があるかと思います。それに対して定性的な研究はどうしても聞き手によって理解度が大きく左右され、誤解もされやすいでしょう。

同様に非技術系の能力や成果というものはそのままでは見えにくく、評価が難しいため、評価不能という意味で無視されてしまうことがあります。文系大学院生が就職活動で苦戦する一番の悩みが、この「評価不能」にあるのではないでしょうか。

しかし、評価が出来ないからといって、決して価値が無いわけではありません。あくまで問題は「伝わりにくい」という部分にあると考えられます。もちろん専門分野の研究対象そのものは伝わりにくいのですが、それでも付随して身に付けてきたスキルや経験もあります。実際、文系大学院生はフィールドワークやアンケート調査、外国語文献の調査、膨大な先行研究の要約、シンポジウム等の企画書類の作成といった経験をしていることが多く、これはビジネスにおいて非常に重宝されるものです。

そのビジネスで使えるはずのスキルや経験が理解されない理由は、効果的に伝えることが出来ていないためです。

ポートフォリオ(作品集)を作る

効果的に伝えるためには、自分自身がその価値あるスキルや経験を認識する必要があります。まずは成果と呼べる経験を思い浮かべて、その過程や結果の構成要素を書き出していきます。何段階か要素に分解していくとその経験を客観的に認識できるようになります。

そこから似たような経験や近いけども異なる結果になった経験を思い返し、同様に要素へ分解して理解を深めていきます。
そうやって出来た簡潔で分かりやすい経験のストックを用意して、それらの中でも特にアピールできるものを抜き出したポートフォリオ(作品集)を自分の中に用意してみましょう。

この作業は時間がかかる上に切羽詰った状態では上手く出来ないので、就職活動を始める前の精神的に余裕が残っている時期に行うと良いでしょう。すでに就活を始めている場合は、思い切って気持ちを切り替え、時間をかけずに行えば、完全でなくともベターな状態になるはずです。

院生レベルの「当たり前」が狙い目

ポートフォリオを作り上げていく上で狙うべきは「当たり前にできること」です。当たり前と言えるのであれば自分の能力や経験として具体的な事例を出して説得力のある話ができるでしょう。しかし、大学院生レベルの「当たり前」というのは、実は社会全体から見ると相当に上位な存在であることが多々あります。

つまり、「院生なら当たり前」なことを要素に分解していくと、具体性があり高度な経験としてアピールできる材料が見つかります。例としては、外国語文献の読解、計画書・企画書の作成などがあります。他にも競争的資金の申請経験があると、費用を含めた活動計画が立てられるだけでなく、官公庁等に提出する書類作成にも繋がる経験となります。

ひたすら再現性と言語化を極める

これらは決して難しいことではなく、時間さえかければ、誰でもそれなりにポートフォリオを作り上げることができるでしょう。
しかし、就職活動では採用側の基準に見合い、競争相手よりも優れていることを示す必要があります。そこで競り勝つためのキーワードとなるのが「再現性」と「言語化」です。

再現性は特にサイエンスの文脈で重視される要素ですが、非技術系の文系大学院生も力を入れるべきです。単なる偶然ではなく、何度も意図的に実現できなければ評価は難しいでしょう。

言語化はできる限り正確かつ簡潔に伝えるために必要不可欠です。ステレオタイプな「文系」のイメージをうまく使って「適切に的確に情報伝達できる人物」であることを示しましょう。また、言語化する力があることで再現性を伝えることができます。

「対象」ではなく「行動」で自分を定義する

研究の多くは具体的な「対象」への関心からスタートしているかと思います。そのため就活に慣れていない大学院生が自己紹介すると「研究対象の説明」になってしまうケースが発生します。
自分をアピールする際に求められるのは、自分自身についての情報であり、採用後にどれだけ活躍できそうかという情報です。これを伝えられるのは「自分の行動」についての情報です。

どのような背景・環境で、どういった対象があって、『自分は何をどうしたのか』という情報を伝えることが大切です。
この時に「◯◯を研究した」ではあまりにも大きすぎるので、より具体的な行動に分解する必要があります。

分野の近い専門家同士であれば「対象」によって自分を定義できることもあるかと思いますが、就活のように非専門家と対話する場合は「行動」で定義するように心がけましょう。

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