卓越研究員になるためには?制度の概要と公募フローを詳しく解説

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「博士課程行きたいけどキャリアステップが大変そう」

「研究機関で働きたいけど任期に限りがあるものが多くて将来が不安」

と悩んでいませんか?

確かに、博士が助教になったり、研究機関に雇用されるのは非常に狭き門です。

しかしながら、このような問題を解決するためにも、「卓越研究員制度」という優秀な若手研究員が研究機関で終身雇用できるように促進する制度があります。

今回は卓越研究員についての概要や公募のフローを紹介していきますので、最後までお読みください。

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卓越研究員とは

卓越研究員について以下のことを紹介します。

・卓越研究員事業の概要

・卓越研究者になるための必要な要件

・国から受けられる支援内容

・卓越研究者の給与水準

卓越研究員事業の概要

卓越研究員事業とは、文部科学省管轄の日本学術振興会が実施している「若手研究員が研究機関で安心して働ける環境を作るため」の支援事業です。

現在、博士の学位を取得した人は修了後、ポスドクとして大学の研究室で研究を行っている人がほとんどです。しかしながら、ポスドクは任期が限られており、収入が安定せず不安を抱えながら研究を行わなければなりません。常勤の助教にキャリアアップするためには時間もかかりますし、いくら優秀な研究者だとしても運がないとなれない可能性もあります。

このような博士の厳しいキャリアを打開するために、卓越研究員を公募して、優秀な人材が研究機関に終身雇用で所属できる制度を設けました。

日本学術振興会は卓越研究員を雇用した研究機関に対し、補助金を支給してくれるため、若手研究員が活躍できる環境づくりを促進してくれます。

卓越研究者になるための必要な要件

卓越研究者に申請するには、以下の5点が要件となっています。

①博士の学位を取得した人及び、博士課程を各学科最低限修業しなければいけない年数を在学し、所定の単位を取得して退学した満期退学者

②令和3年4月1日現在、39歳以下であること(臨床研修が必修である医学系分野の研究者は43歳以下)

ただし、出産や育児で3か月以上研究を行えない期間が合った場合、41歳以下でも応募できます。

③直近の5年間に博士論文を含めた研究実績があること

④過去に卓越研究者として選ばれたことがない研究者

⑤日本国籍の者、日本に永住権を持つ外国人及び、日本と国交がある国の国籍を保有している者

国から受けられる支援内容

令和2年度では卓越研究員に選ばれた若手研究者を採用した研究機関が日本学術振興会から人材育成費として補助金が支給されます。

支援内容は「研究費・研究環境整備費」か「産学連携活動費」の選択が可能です。

「研究費・研究環境整備費」では、卓越研究員の研究活動に係るスタートアップに要する研究費として2年間で1,200万円程度支給されます。ただし、人文学や社会科学は3分の2となる800万円程度に支給額なります。

また、若手研究者が不安を抱えずに自立して研究を行えるよう、研究環境整備費として研究機関に対して1人当たり200万円を支給されます。支給期間は5年間です。

「産学連携活動費」は企業の研究機関のみが選択可能です。卓越研究員に選ばれた若手研究者が安定した研究環境を得られ、大学や研究機関との共同研究を行う場合に補助金が支給されます。

卓越研究員の採用後1~5年度目に企業が負担する産学連携活動費を毎年最大1,000万円まで支援します。

卓越研究者の給与水準

研究機関が安定性のある無期限雇用を条件として卓越研究員を受け入れます。給与体系については日本学術振興会が要件として提示している年俸制が原則です。

給与水準は企業や研究機関によってさまざまで一概には言えません。しかしながら、破格の基本給を提示する企業も中にはあります。卓越研究員制度が始まった2016年3月では、トヨタ自動車が年間13万ドル(約1,450万円)の基本給を提示しました。

このため、卓越研究員として選ばれることで安定した給与をもらえることは間違いないでしょう。

卓越研究員の公募制度

卓越研究員の公募制度について以下のことを紹介します。

・卓越研究員の公募フロー

・公募されているポストの事例

・卓越研究員候補者の審査方法

・卓越研究員の採用倍率

 卓越研究員の公募フローを解説

卓越研究員になるためには、次のような流れで行われます。

①研究機関がポストを提示(1月下旬~12月)

②日本学術振興会が研究機関の提示したポストを公開(2月下旬~12月)

③要件を満たした若手研究者が卓越研究員に申請(3月下旬~4月下旬)

④研究機関に申請者の情報が通達、事前連絡による申請者との交渉が行われる場合がある(5月下旬)

⑤日本学術振興会が審査を行い、候補者を決定

⑥研究機関に候補者リストの連絡が入り、申請者に卓越研究員の採否通知が届く(7月上旬)

⑦研究機関と候補者間で交渉(7月上旬~9月)

⑧若手研究員が研究機関に雇用されたら、日本学術振興会がその研究員を卓越研究員に決定

⑨日本学術振興会が卓越研究員を雇用した研究機関に補助金を支援

公募されているポストの事例

さまざまな研究機関が幅広い分野でポストを公募しています。日本学術振興会が平成29年度に発行した「卓越研究員事業について」によると、平成28年度では92機関で317件公募していたことがわかりました。

研究機関をみると大学と企業の公募が占めています。分野別の観点から見ると、情報学フロンティアなど複数の分野が関連する総合系や工学系の公募がメインとなっており、次点で医歯薬学系、数物系、化学系など自然科学の分野の公募が多く見られました。

卓越研究員候補者の審査方法

卓越研究員候補者の審査は日本学術振興会が設置した「卓越研究員候補者選考委員会」で行われます。審査方法は書類選考のみです。

審査は、

・これからの日本の科学技術・学術研究を引率していく研究者として見込みがあること

・新しい研究領域を開拓できるほどの高度な研究力を持っていること

・研究テーマの目的や計画に具体性があること

・研究機関で活躍する意欲や柔軟性があること

を観点としてみています。

研究機関とのマッチング

卓越研究員候補者から卓越研究員になるには、研究機関が希望するポストと当事者間でマッチングする必要があります。

しかしながら、候補者になったとしても交渉が上手くいかず卓越研究員に落ちたケースも少なくありません。ただし、卓越研究員に落ちたとしても、候補者の継続を申請することで翌年度当事者交渉を行うことができます。候補者の資格は最大2年間の継続が可能です。

卓越研究員の採用倍率

卓越研究員事業について」より平成28~30年度応募者数、候補者数、卓越研究員数が以下の表のようになります。

提示ポスト数応募者数候補者数倍率卓越研究員倍率
平成28年度3178491764.8倍879.8倍
平成29年度2045171703.0倍727.2倍
平成30年度1564942002.5倍559.0倍

候補者数の倍率は2.5倍~4.8倍、卓越研究員の倍率は7.2倍~9.8倍となっています。全体的に提示ポスト数に対して卓越研究員になれる人は少なく、ポストが空いている場合でも研究機関に雇用されないケースがあるようです。

まとめ

卓越研究員制度について紹介しました。

まとめると、

・卓越研究員は若手研究員が研究機関で安定して働くための支援事業

・卓越研究員を雇用した研究機関に補助金が支給される

・年俸制で破格の給与を支給する企業もある

・日本学術振興会の書類選考で候補者になり、研究機関と当事者がマッチングすることで卓越研究員になる

・年度内に卓越研究員を落ちた場合も、申請すれば最大2年間候補者を継続できる

これからのあなたのキャリアステップのために、ぜひ卓越研究員制度を利用してみましょう。

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