大学助教になるには?仕事内容や待遇、キャリアパスを解説

アカリクコラム
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現在博士課程に通っている人は、今後の進路について迷うこともあるのではないでしょうか。民間企業に行くか、ポスドクや特任教授としてアカデミアを続けるか、それぞれの進む道がどうなるかを知らないことには、決断するのは難しいと思います。

そこで今回は、助教に焦点を当てて、助教になるために必要なことや具体的な仕事内容、助教のキャリアパスなどを詳しくまとめました。これから助教になるか迷っている人や、進路を悩んでいる人の参考になれば幸いです。

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助教とは

助教とは、大学教授を目指す人の中でも、職位が低い若手の教員が持つ職名です。「助教」という言葉からは、教授になる少し前の「助教授」という言葉が連想されがちですが、その認識は正しくありません。

助教と似た名前の職位として、「助教授」がありますが、「助教授」という職位は現在の「准教授」にあたる職位で、全く異なるものです。助教授という職位は、現在はなくなったことも併せて覚えておきましょう。

そのため正しい職位としては、助教→講師→准教授→教授となり、助教は、多くの方が大学教員として最初に就く職位です。

詳しい情報について、以下の項目にまとめて紹介していきます。

  • 助教になるには
  • 助教の仕事内容
  • 助教も研究時間が少なくなっている

助教になるためには

助教になるには、まず大学・大学院を卒業して学士・博士号を取得する必要があります。そして卒業後は大学に残り、ポスドク(ポストドクター)として研究を重ねなければいけません。

ポスドクとしてのキャリアを積みながら、助教の公募に立候補する、もしくは推薦に通れば晴れて助教となります。

簡単に記載しましたが、実際はスムーズに助教になれる人は少なく、ポスドクとして10年近くの時間を過ごす人もいます。

そもそもポスドク自体は不安定な職業で、任期付き雇用となるため、予期せず仕事がなくなる可能性はゼロではありません。

したがって、助教になるのもほんの一握りの人であり、簡単な道のりではないことを覚悟しておきましょう。助教などの大学教員のポストに応募する際は、博士論文の指導教員や関連する分野の教授職の先生からの推薦状(リファレンスレター)が必要となることがあります。

助教になれる要素は、時の運や人脈などにも左右されるため、学業とは別に豊富なネットワークを築いておくことが、助教への道のりを開くきっかけとなるかもしれません。

 助教の仕事内容

助教の仕事内容は、研究と教育の2つが中心です。かける時間が最も長いのは研究で、自身が決めたテーマに沿って実験や調査を行い、論文を執筆するのが主な仕事といえます。他の大学教員の職位に比べると、研究にかけられる時間が多いのは、助教ならではのメリットでもあります。

そして教育という面では、大学での講義を実施したり、実習を行ったりすることもあるでしょう。基本的に助教の多くは教授や准教授の研究室に属するため、教授の講義におけるサポート業務など、事務処理のような仕事も行うことがあります。

試験問題の採点や、研究室にいる学生の指導といったことも仕事に含まれるため、研究業務とのバランスをうまく取る必要があるでしょう。

助教も研究時間が少なくなっている

助教は研究にかけられる時間が多いと説明しましたが、近年は研究にかけられる時間が少なくなっているというデータがあります。

文部科学省の調査によると、公立と私立どちらの大学においても、年々研究にかけられる時間は減っており、さまざまな要因の中でも「時間がない」と答えた研究者はおよそ7割にのぼります。

参考:「大学等におけるフルタイム換算データに関する調査」について 文部科学省 

研究時間減っている理由としては、業務過多が負担となっており、大学の講義や講演会などに必要な仕事に時間を取られていることがわかります。また専任職員の不足を理由に挙げている研究者も多く、人材不足も助教の負担になっていることが読み取れるでしょう。

助教の気になる待遇

助教になると年収はどれほどなのか、気になる人も多いと思います。助教の労働時間や、他の職位と比べたリアルな報酬額などをまとめました。

助教の年収はいくら?

助教の年収は、平均すると560万円ほどといわれています。12か月分の給料とボーナス2回分があるとすると、毎月の収入は35万円前後でしょうか。税金を引くと手取りの金額は28万円前後になると考えられます。

文部科学省のデータによると、助教からステップアップして講師になると年収は640万円、准教授の年収は730万円、教授の年収は890万円という数値が公表されています。順当に昇格していけば、職位が上がるごとに大幅な年収アップが期待できるでしょう。

また大学別では、国立大のほうが私立大よりも年収が高く、国公立だと月収は37万円前後なのに対し、私立大の助教の月収は32万円ほどというデータが出ています。

参考:平成28年度学校教員統計調査 文部科学省

ただ助教の中でも医者の場合は、他と比べると年収は若干高い傾向にあり、500万円から600万円前後のようです。医者を目指す助教の勤める場所によっては、高い給料をもらえる可能性もあるでしょう。

助教の長すぎる労働時間

助教になりたい人が知っておくべき点として、労働時間が長すぎることがあげられます。助教の仕事は裁量労働制といって、サラリーマンのように勤務した時間分だけ給料が発生するわけではありません。

民間企業なら残業や週末に出勤した分は手当がつきますが、助教にはそのような仕組みがないので、賃金に対して労働時間が安いという意見もあるのです。

研究者はノルマなどがない分楽な仕事と考えられがちですが、あながちそうでもないことを、助教になりたい人は理解しておいたほうがいいでしょう。

大学の他のポストの待遇はどのくらい

助教の待遇を他の職位と比較すると、以下のようになります。

  • 教授の年収:890万円
  • 准教授の年収:730万円
  • 講師の年収:640万円
  • 助教の年収:560万円

助教の年収から教授までのぼりつめれば、かなりの年収アップになることがわかります。ただ実態としては、先ほど述べたように、助教の労働時間対して賃金が安いと感じる研究者も多いようです。

裁量労働制のため勤務時間が決まっておらず、いくらでも働けてしまう環境が原因ともいえるでしょう。

助教のキャリアパス

教授になれるとは限らない

助教になる人は、最終的に大学教授になりたいと考えている人がほとんどだと思います。ただ、必ずしも教授になれるとは限りません。大学教授になるには、そもそもポストが空くかわからない講師、准教授へのステップアップが必要です。

運よくポストが空けば昇格できるかもしれませんが、上のポストがつまっている場合は順当に昇格し続けるのは難しいでしょう。突出した実績を持つ場合は若いうちに教授職に就くこともありますが、多くの場合は40代から50代になって教授のポストに就けるといわれています。

民間企業へ転職する際のコツ

なかなかアカデミアで昇進ができないときは、民間企業へ転職するのも一つの手段です。民間企業に転職するためには、自身の経験が活かせる業界を選ぶのが無難な方法です。

研究職などで、自分の知識や英語力が長所になる仕事を探してみるといいでしょう。専門領域だけでなく分野全体の広い知識や応用した事例があると評価されるでしょう。また、海外の論文を英語で読めるなどの語学力がある人を求めているところもあります。汎用性の高い知識やスキルがあれば重宝される可能性があるでしょう。

応募する際は、書類を漏れなく作りこみ、これまで得た知識や経験がなぜ仕事に活かせるのか、具体的な理由を書くようにしましょう。即戦力として企業の売上に貢献できることがわかれば、中途でも採用される確率は上がるはずです。

もし研究職の採用枠が少ない場合や、なかなか転職先が見つからないときは、少し幅を広げて探してみることもおすすめです。

マーケティングや企画などを行っている職種なら、研究で得たPDCAのサイクルが活きてくるかもしれません。自分のやりたいことや、持っているスキルに合わせて、柔軟に選択肢を広げるようにしてください。

ポスドクや特任助教との違い

助教という言葉は知っていても、具体的にポスドクや特任教授と何が違うのか、きちんと説明できない人もいると思います。ポスドクと特任教授、テニュアトラック教授、それぞれとの違いを詳しく紹介していきます。

ポスドクとは

ポスドクとは、博士課程を修了した後に「博士研究員」として、大学教員になるための研究を積む人のことを指します。大学からは任期付きの職員として雇われるので、一つのプロジェクトが終わると次のポストを探したり、教授などに枠を紹介してもらったりする必要があるのが、ポスドクの難しいところです。

助教になるためにはポスドクの期間を経て、助教という職位に上がることが必要となります。ポスドクのうちにどれだけ実績を上げられて、豊富な人脈を作れるかが、それ以降のアカデミアにおけるキャリアを左右するといってもいいでしょう。

特任助教とは

特任助教とは、とあるプロジェクトのために雇われた任期付きの助教のことを指します。待遇や条件は勤務先によってさまざまですが、共通しているのは任期があるという点で、プロジェクトが終われば、特任助教としての仕事は更新が必要です。

予算がないプロジェクトの場合は、任期が終わると仕事もなくなる可能性があるので、注意しなくてはいけません。

テニュアトラック助教とは

テニュアトラック助教とは、任期の定めがないテニュアを得る前に、自身の独立した研究室を持って研究を進められる助教ポジションのことをいいます。細かな条件は大学によって違いますが、基本的には任期付きの助教であり、審査に合格した方には任期の定めがないテニュアポストが用意されています。

大学によっては手厚くテニュア教員からテニュアトラック教員に対して、研究のサポートをしてくれたり、メンターとしてアドバイスをくれたりすることもあります。

まとめ

進路を迷っている博士課程の学生向けに、助教の仕事内容や待遇、仕事を得たあとのキャリアパスなどについて解説しました。助教は限られた人が就ける仕事の一つではありますが、研究が好きな人や、天職に感じられる人にとっては、この上ない喜びを感じられる仕事です。

助教から准教授、教授とステップアップできれば、研究テーマを極められるだけでなく、大幅な年収の向上も期待できるでしょう。

最近ではアカデミアから民間企業に転職する人も増えているので、選択肢は幅広いと前向きにとらえていいでしょう。自身に合った仕事と、進むべき道をよく考えて、後悔のない選択をしてくださいね。

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